ブックリスト登録機能を使うには ログインユーザー登録が必要です。
作戦会議
 どうも、引き続き草野ゆかです。とりあえずテンパってます。
 と、言うことで今日は付き合いの長い親友である、木下さき・佐屋しおり・西岡まいと作戦会議でした。


「これはどういうことでしょう」
 とりあえず意見を聞いてみる。
「ラブレターでしょ」
「ラブレーターですぞ」
「ラブレター」
 さき・しおり・まいのテンポの良さは素晴らしい。
 しかし、答えになっていない。少なくとも私の望む答えではない。
「ラブレターではありませんって書いてあるし、付き合ってくださいと言われてるわけでもないし」
「あのね、こんだけ好きって篤く語られてるんだから。平岡は変人だからコミュニケーション能力に問題があるだけでしょ。平岡にも問題あるけど、勇気出してくれたんだから中途半端なことしちゃ駄目。好きなんでしょ!
 大体何なのよその幸せな悩みは。そんなつまらないことで悩んでんじゃないわよ。彼氏いる人をすきになっちゃったとか、三角関係に悩んでますとか、そんなんじゃないでしょ。相思相愛の好き同士が悩んでんじゃないわよ。はっきり言っちゃえば良いのよ。あーイライラする。
 それからね、・・・」
 さきは説教臭い。ちょっと怖い。話長い。
「そうそう。平岡君頭良いし、格好良いし、あれで結構人気あるからね。普通だったらバカででっかくてペッタンコで男気ありそうで実際は乙女乙女な子なんて予選落ちが良いところですぞ。一気に勝負に出ませう」
 しおりは意地悪。人の痛みを良く分かってくれる(から痛いところを的確についてくる)。
「あの、平岡君の場合言葉のとおりだと思うよ。ゆかちゃんのことを思う気持ちはあるけれども、平岡君自身が自分に納得が行かなくて、だから、そのね、ちゃんと考えてあげた方が良いと思うよ」
 まいは素直。疑うことを知らない。今は彼女の言葉にすがりつきたい。
「そうだよね、ちゃんと答えてあげなきゃ。これからのためにも平岡君のやり方を分かってあげれるようになりたいし」
 と、自分に言い聞かせる。一気に勝負に出る勇気なんてこれっぽっちもありません。

「じゃあ、デートでもしてもらえば?」
 いやいやいや。いや、嫌じゃないですよ。そりゃ、デートくらいしたいですよ。でもですね、急にいきなりそんなこと、ね?
「そんなこと言わずに押し倒してもらえばいいじゃん」
 な、な、な、な、な、なななななにをおっしゃいますですのですかしおりどの!!
「ああ、ゆか、僕は君のすべてが欲しい」
 しおりはまいの手をとり、瞳を見つめる。
「健君。いいよ。優しくね」
 まいは棒読み。しかし、恥ずかしそうに目をそらし、顔を赤らめたしぐさは異常なほどにリアルだ。と言うか、まいさん、あなたそんなにノリよかったですか?
「分かってるよ、ゆか」
 分からないでください!!そんな急に、急にそんな、私達まだ高校生なのですよ。いや、でも、最近の子は進んでるって言うし、これくらいの事は・・・。いやいやいや、でもでも、順番ってものがやっぱりありますよね、そうですよね。こう、その、二人の気持ちがですね、大事なんですよ。
 腰に手を回し、体を密着させる。優しく、自然に、しかし同時にちょっぴりいやらしい感じで迫っていく。
 ああ、もう逃げられない!!引っ付きすぎです!!顔近いです!!
「そんなに見つめられると恥ずかしいです」
 相変わらずの棒読み。相変わらずのリアルな表情。
 火照った体、愛くるしくもどこかいやらしい目線、どこか緊張した違和感のある立ち振る舞い。
「いくよ」
 ダメ!!あ、その、いっ、嫌じゃないんですよ、そう、嫌であるはずがないんだけど、ダメです!!ダメ・・・だと思います。ダメ・・・と、言うより、無理です。限界です。リミッター解除できません。その、えっと、あっと、う〜んと・・・。

「その辺にしときなさい。ゆかがもう限界でしょ」
 そうそう、その辺りにしておいて下さい。
「え〜、もう少しだったのに」
 も、もう少しって何ですか。何がですか。
「ゆかちゃん、ごめんなさい」
 あなたはいつでも素直でいい子だ。でも今回のことはいただけないです。
「いや、まあ、良いけど」
 いや、本当は良くないんだけど。もっと真面目に考えないといけないんだけど。

「ていうかさ、試練が必要なのはゆかの方ですぞ」
 何ですと。いや、まあ、そんな気もしなくもないですけど。
「あ、確かに。結局肝心なときに何にもできないでしょ。いい機会だから平岡に鍛えてもらいなよ」
 あ、はい、すいません。さきに言われると、本当にそんな気がしてくる。
 まあ、でも、健君にですか。健君とですか。
 そうね、そうですね、そうでございますね。悪くないね。オフシーズンのトレーニングは若干退屈だからね。
「そうそう、人間足腰が基本ですぞ」
 足腰?
 ・・・あしこし。
 あ、あ〜、足腰ね、うん、足腰。
 決して、全くもって、一切合財、これっぽちも、卑猥な想像などしておりませんよ。そんないかがわしいことを考えてはダメなのですよ、しおりさん。そもそも、いかがわしいことがどういうものかなんて私には何のことやら分かりませんけれども。大丈夫だから安心してね、健君。
 あ、でも、足腰は本当に大事ですよ。コアトレーニングのことだよね。体幹の筋肉鍛えるのは大事なことですよ。
 腹筋、背筋、ベンチプレス、ベントオーバー、ワイドグリップ、ワンハンド、サイドラテラル・・・。
 あ、スクワットもしうとかないと。
 いやいやいやいやいや、そうじゃなくてですね。
「二人で何かやればいい」
 そうそう、二人でね。二人でできることがいいよね。
 健君と二人で・・・きゃっ。
「手取り足取りですぞ」
 そうそう、手取り足取り。

 ああ、そんなことされたら体に力が入らないです・・・。
 ああ、健君。
 
 いやいや、トレーニング中にこんなことでは鍛えてることになりません。
 もっと集中せねば。
 もっと追い込まないと。

 しかしまて、私の思いは健君を目の前に集中できる程度のものなのか?
 そんなはずは・・・。
 えーっと。
 
 「しおりが余計なこと言うから・・・。
 そろそろ戻ってきなさい。ゆかの問題でしょ」
 「はぅ」
 あ、はい、ごめんなさい。妄想の中で限りなく幸せな究極の選択をしている場合ではありませんね。
 「ゆかちゃんも平岡君と同じくらい個性的だから上手く釣り合うと思うよ」
 あなたはいつでも良い子だね。
 「ゆかも大概筋肉バカの変人だしね」
 むむむ、否定はできない。
 「変人同士、変態プレイを楽しむですぞ」
 へんた・・・。


 と、まあ、こんな展開がループしただけで、良いように遊ばれただけのような気もします。
 しかし、まあ、ちょっとくらいは役に立つようなこともあったわけで、それはと言うと、

 まずは、何か二人でできることをはじめたい。
 できれば、お互い個性的なようだから、それを隠すことなく分かりあえるようになりたい。
 あと、まあ、上手く行けば手取り足取り・・・なんて考えてないですよ。

 と、言う感じです。
 あとは、自分で考えます。
 なんか、普通と言うか、当たり前と言うか、もうちょっと具体的な結論が欲しかったです。
 でも、まあ、背中押された感じで、後はなるようになるよね。


 大丈夫だよ!!


 ・・・。


 あ〜、やっぱりダメな気がする・・・。


+注意+
・特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
・特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)
・作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。