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帰るべき場所
作:蒼藍



11. 長い夜の始まり




  ジョディに送ってもらい博士の家に着いた時には、あたりは真っ暗だった。

  空には今にも折れてしまいそうな程の細い月が、建物の隙間から僅かな光を発している。

  いつも以上に重く感じられるドアを開けコナンが家に入ると、心配顔の哀が出迎えた。

  「おかえりなさい。遅かったわね。・・・・・・何が・・・あったの?」

  何かが起こった。

  彼女がそう確信するには、十分だった。

  家に入ってきた彼の目には、生気が無かったのだ。

  推理する時の輝いた目、何かに夢中になっている時の真剣な目、彼女を思う時の切なそうな目・・・。

  哀はこれまで、彼のそばで数多くの彼の表情を見てきたつもりだった。

  しかし、今の彼はそのどれにも当てはまらない。

  (工藤君・・・一体・・・。)

  しかし、困惑している哀の存在など気にも留めないように彼女の横を通り過ぎ、自分の部屋へ向かうコナン。

  「ねぇ!何があったの!?」

  無視されたことに耐えられず、彼女は叫んだ。

  「ごめん・・・。」

  その言葉は、明らかに自分を拒絶している。

  その背中は、他の者を寄せ付けようとしない。

  (お願い・・・!私を一人にしないで・・・。)

  そう伝えたいが、声にできない。

  『バタン』

  扉の閉まる音が聞こえると、彼女の目には、もう誰も映っていなかった。






  RRRRR・・・RRRRR・・・

  コナンが部屋に閉じこもってから暫く経った頃、

  いてもたってもいられなくなった哀は、携帯電話を握り締めていた。

  『Hello・・・』

  電話に出たのは、事情を知っているであろうFBIの女性捜査官だった。

  「夜分遅くにごめんなさい・・・。」

  哀は、どう話を始めたら良いのかわからず、次の言葉を探していた。

  それが相手にも伝わっていたようだ。

  『何があったのか聞きたくて、電話してきたのね?』

  ジョディのやさしい声から、彼女の思いやりが哀に伝わってくる。

  「ええ・・・。」

  『ごめんなさいね、哀。この件は、彼に任せてあるのよ。だから、私の口からは話せないわ。』

  (やっぱり・・・。)

  哀には、電話を掛ける前から予想できていた。

  そういう根回しは既に出来上がっているという検討はついていたのだ。

  「わかってたわ・・・。でも、もしかしたらって思ったの。だから・・・。」

  『そう・・・。でも彼は、必ずあなたに話してくれるわ。もう少し時間をあげて。』

  ジョディの声にも元気がない。

  改めて、大変なことが起こったのだと認識する。

  これ以上はどうにもならないと感じた哀は、そのまま電話を切った。

  (工藤君・・・。)

  彼女は、眠れない夜を迎える。


いつも読んでくださって、ありがとうございます。
投稿してから気付いたんですが、今回非常に短いですね・・・。すみません。
なので、なんとか明日中に次を投稿します!

それから、昨日でアクセス数が2,100件を超えました。
こんなにもたくさんのアクセスがあるという事に、本当に驚いています。
読者の皆様、本当にありがとうございます。
だんだん話が佳境に入ってきて、ますます文章力の無さが目立ってきてはいますが・・・、
頑張りますので引き続き読んでいただけると嬉しいです。











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