赤いラブレター縦書き表示RDF


怖がりな人はちょっと読まないほうがいいかも・・・
赤いラブレター
作:ナツ


ねぇ、拓也。あなたは覚えているのかな?私とあなたが出会ったあの日を・・・

あなたはバスケ部としてコートの上で誰よりも輝いていたね。私が親友の小夜子と一緒に初めて体育館に行った時、あなたを初めてみた時、その時から私の恋は始まっていたんだよ?
あなたは気付いていたかな?私の恋心を・・・。拓也は鈍感だから気付いていなかったかな??ふふっ。

ねぇ、拓也。あなたは覚えているのかな?私たちが初めてデートしたあの日を・・・

あの日は私と小夜子と拓也と三人で遊園地に行ったね。お化け屋敷に行ったこと覚えているかな?恥ずかしくて忘れちゃった?ふふっ。そうだよね・・・。だって拓也ったらあまりに怖すぎて私の手と間違って小夜子の手を握って走り出しちゃうんだもん。面白かった〜。

ねぇ、拓也。あなたは覚えているのかな?私たちが初めてドライブに行ったあの日を・・・

免許取りたてのあなたに誘われて、私と小夜子と三人で海を見に行ったよね。あの時はびっくりしたよね。気付いたら拓也と小夜子が迷子になっちゃうんだもん。私あせったんだよ〜。二人が波にさらわれた〜ってね(笑)ちょっとしたらふらっと二人が出てきて、私超安心したんだよ〜。

ねぇ、拓也。あなたは覚えているのかな?バレンタインデーのあの日を・・・

私初めてチョコ作ったんだよ。愛する人のために心を込めて・・・。チョコを渡した時のこと覚えているかな?拓也ったら恥ずかしがって受け取れないって言ったりなんかしてさ。照れちゃってかわいい〜。無理やり渡しちゃったけど、ちゃんと食べてくれたかな?恋人のチョコだもん、食べてくれたよね?そういえば小夜子からもチョコもらってたよね?もしかして小夜子、拓也のこと好きなのかな?親友の彼氏を好きになっちゃったのかな?少し心配です。

ねぇ、拓也。あなたは覚えているのかな?クリスマスのあの日を・・・

二人で過ごそうって決めてたのに・・・拓也バイトだからって会えなくなっちゃったんだよね。私悲しくて寂しくて・・・街を一人で歩いてたんだよ?そうしたら拓也見つけたよ。そしたら小夜子と二人で歩いていたね。小夜子・・・やっぱり拓也の事好きだったんだね。無理矢理拓也を連れ出してさ。拓也も優しいよね。小夜子、私の親友だから冷たく断ること出来なかったんだね。いいよ。私も我慢する。拓也の優しさを見れただけでも私は満足なんだから。

でもまたこんな事があったら私耐えられないかも・・・それほど私の心は強くないんだよ?いつも一緒にいられるようにしなきゃね・・・二人の愛は本物なんだから!!

 ※ ※ ※

朝子はそこで右手のペンを置き、背伸びをした。外はもう夜になっていた。切々と積もる雪を朝子は部屋の窓から見た。そこで、携帯が鳴った。
「あっ、朝子?私、小夜子だけど・・・拓也見てないかな?じつは数日前から家にも帰ってないみたいでさ・・・」
あせっているのが手に取るように分かる。朝子は一言知らないと言って携帯を切った。
「小夜子しつこいね。拓也は私と愛し合っているのにね。ねぇ、拓也?」
振り返ったその先には、拓也の優しい笑顔があったように見えた。それを確認して朝子は言った。
「今、あなたにラブレター書いてるんだ。出来たら見せてあげるね。ふふっ」
それを聞いてさらに拓也は笑った・・・ように朝子には見えた。そこには赤く彩られた、今まで拓也と呼ばれた一つの物体が存在しているだけだったのだから・・・
「ずっと一緒だよ・・・」
朝子はそう言って赤く染まった右手を動かし始めた。
















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