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第51話:深紅と紺碧と純白

徐州の地に3種の牙門旗が風に靡く。

劉備軍と袁紹軍による徐州攻防戦は切って落とされた。一刀が単身で袁紹を挑発して奴等全軍を引き込ませることに成功。


奴等は何も疑わず追撃を行ない、やがて奴等の方からアレックス率いるソードブレイカー隊の攻撃範囲に飛び込んで来た。

剥き出し状態の袁紹軍に対してアレックス達は城壁や塹壕から身を隠しながら攻撃を仕掛け、奴等は次々と命を散らして行く。


それに追い討ちをかけるように一刀達が激しく銅鑼を鳴らし、続々と出陣して行く。

“天の御遣い”こと北郷 一刀。

“軍神”こと関羽 雲長。

“燕人”こと張飛 翼徳。

“昇り龍”こと趙雲 子龍。

“猛将”こと嵐。

“白騎士”こと露蘭。

漢の中でも屈指の実力者が揃う劉備軍相手に雑兵の袁紹軍兵士が敵う筈もなく、前衛の兵士は次々と駆逐されていく。


そしてライル達の読み通り、袁紹軍の中軍より後方部隊が制止する部隊長の命令を無視して逃げ始める。

その様子を恋とネネと霞と白蓮は騎乗したままで伺っていた。


「うっひゃ〜、ほんまに逃げ出しよったで・・・ライルと一刀のゆうた通りやな」

「・・・(コクリコクリ)」

「袁紹の兵達は何の策も講じて無かったからですぞ‼」

「ああ・・・・・・」


恐ろしく予想通りの展開に霞は飛龍偃月刀を担ぎながら見下ろす。彼女達がいる場所は丘の上。その後方では2000の騎馬隊が待機していた。

白蓮は前と同じ様に白馬に跨り、ライルが用意してくれた彼女の新しい得物である[馬雪]を担ぎながら、出番に備える。


「そんでアレックスの合図はまだかいな・・・・・・早よう戦いたくってウズウズするで」

「早くしないと部下達の仇が逃げるぞ・・・」

「・・・霞、白蓮、焦っちゃダメ」

「そうですぞ」

「そりゃ分かっとるけどなぁ〜・・・・・・・・・おっ‼」


霞が何かに気が付き、恋とネネも同じ方角を見る。見えたのは支城から打ち上げられた一発の緑の信号弾。前もって打ち合わせてあった霞達の“攻撃許可”だ。


「やっと来たで・・・あいつら蹴散らしたるでぇ‼」

「恋・・・ご主人様の為、ライルの為、家族の為に頑張る」

「みんな・・・・・・今お前達を殺した仇を送ってやるからな‼」

「お待たせしたです恋殿‼銅鑼を鳴らすです‼」

「御意‼」


3人が武器を構え、ネネは銅鑼を手にした兵士に鳴らす様に指示する。周辺に攻撃開始の銅鑼が鳴り響き、袁紹軍兵士達は立ち止まってしまう。


「よっしゃ‼恋、ネネ。いつもの頼むで‼」

「(コクリ)・・・ネネ」

「はいですぞ‼」

「・・・旗を」

「御意ぃ‼」


そういうとネネは何処からか恋の牙門旗を取り出し、それを天に向かう様に掲げた。


「遠からん者は音にも聞け‼近くば寄って目にも見よぉっ‼蒼天に翻るは、血で染め抜いた深紅の呂旗‼天下にその名を響かせる“劉備軍が一番槍!!”悪鬼はひれ伏し、鬼神も逃げる、飛将軍呂奉先が旗なり‼天に唾する悪党どもよ‼その目でとくと仰ぎ見るが良いのです‼‼」


上がった“深紅の呂旗”を見た袁紹軍の中から悲鳴が上がる。


「深紅の・・・・・・」

「呂旗⁉」


面前に翻る“深紅の呂旗”は黄巾党に取って恐怖の象徴を通り越した死そのものとして語られていた。

そして立て続けに掲げられた“紺碧の張旗”に“純白の孫旗”が揚がったことで袁紹軍兵士達は蜘蛛の子を散らすように逃げるが、奴等は既に死んだ様なものだ。


「よっしゃ‼突撃ぃ‼我が紺碧の張旗に続けぇ‼」

「遅れを取るな‼我らも突っ込むぞ‼」

「・・・我ら使命は敵の殲滅・・・・・・遠慮はいらない・・・掛かってこい」


彼女達を先頭に2000もの騎馬隊が袁紹軍に突撃を敢行。瞬く間に敵を飲み込んでいく。


「うおっしゃあ‼いてこましたる‼」


霞は敵の懐に突っ込むと馬から飛び降り、“神槍”の異名通り、美しく舞う一輪の花びらのように飛龍偃月刀を振るい、次々と袁紹軍兵士の命を散らせる。


「弱い奴・・・死ね」


恋も負けずと敵を10人以上纏めて仕留めて行き、周辺や彼女の身体に敵兵の返り血が付着する。

その姿はまさに“深紅の鬼人”、“飛将軍”という異名に恥ない武だ。


「部下達の仇‼ここで晴らしてやるぞ袁紹軍‼」


部下達を奴等に殺された白蓮も敵討ちで騎乗のままで敵を次々と仕留める。

彼女の実力は良くもなければ悪くもない。つまりは普通。

しかしそれは周囲に名高い武将や軍師が多いだけで、彼女の実力はどちらかというと高い方だ。

今まで活躍の場が無かった白馬長史は、水を得た魚のように騎馬戦術を駆使して、袁紹軍の退路を確実に遮断する。


騎馬戦術のエキスパートである3人を前に袁紹軍の前軍と中軍は退路を絶たれた形になり、正面衝突からは一刀率いる劉備軍とアレックスが指揮するソードブレイカー隊。


もはや奴等に勝機は無くなり、後軍も逃げ出し始めるが、それも叶わないだろう。なぜなら、上空から6機の航空機が高度を落としながら袁紹軍後軍と本陣に向かっていた・・・・・・・。

袁紹軍はもはや敗北目前だ。袁紹軍の前軍は次々と仕留められ、壊滅も時間の問題だ。

そしてライル達は次の段階に移行して部隊を後軍に差し向けた。


次回“真・恋姫無双 海兵隊の誇り,Re”

[エアストライク]

雑兵部隊を空から精鋭が噛み付く。

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