表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
31/221

第31話:ライトニング

注意:今作は迅速な作戦展開を重視していますので、セリフが少なめです。

勝敗は既に喫していた。北からはウルフパック、西からは孫策軍本隊、南からは孫権軍による猛攻で袁術軍兵士は投降するか、逃げ出すしか手段が残されていなかった。


「は・・・早く門を開けろ‼」

「天罰だ・・・天罰が食らった・・・」

「早く逃げろ‼逃げるんだ‼」


袁術軍兵士はいち早く逃げ出す為に残された東門を開門するが、彼等が逃げ出せることはない。


「開いたぞ‼早く逃げ・・・・・・」


内開きの城門が開いた瞬間、逃げ出そうとした兵士が次々と倒されていった。城門を出てすぐ傍に仕掛けられたM18A1指向性対人地雷[クレイモア]によって爆死させられた。

そして左右の城壁には・・・・・・・・・。


「こちらウルヴァリン‼城内への突入開始‼」


3方向の攻撃に気を取られている隙に、俺達は東側に回り込んでいた。

袁術軍が動揺してくれたことで嬉しい誤算があった。敵は城壁から逃げ出してくれたお陰で、東側を見張る敵が一人もいなかったのだ。開かなかった場合に携行していたC4プラスチック爆薬は無駄になったが・・・。

城内に突入した俺達は分隊毎に互いを援護しながら突き進む。


「予定通りに行動しろ‼第1分隊は俺と来い‼第2分隊は北、第3分隊は南、第4分隊は西の城門の確保‼残りは残敵を掃討だ‼」

『了解‼』


俺達はそれぞれの役目を全うする為に行動する。寿春城の城門は破壊してはならない。

制圧完了後に自分達の拠点にする為だという理由で周瑜から言われている。

ならば俺達強襲部隊が先行して城内に突入して、中から開門すれば解決できる。

そして俺達の役目はただ一つ。“袁術の確保と首謀者の抹殺”だ。


袁術がいるとされる場所は大体は見当がつく。中央エリアにある玉座の間だろうが、その周辺も調べる必要はある。

ポイントマンを務める俺は12ゲージセミオートショットガンのMKA1919A1を構えながら、出現する敵を次々と仕留めていく。

ひとまず近くの部屋の前に取り付くと、左右に分かれる。


「フラッシュバン‼」


俺が僅かに扉を開けると同行している伍長が、その隙間から内部にM84非致死閃光手榴弾を投げ込み、起爆すると一気に室内に突入。

中には武装した敵兵数名と文官と思わしき敵がいたが、直ぐに袁術がいないということを確認して、サイドアームのMk45A1Aの照準を合わして発砲する。

数秒もしない内に制圧は完了。内部に突入すると死体に蹴りをいれて確かめるが反応が無い。確実に死んでいる証拠だ。


「室内クリア‼次だ‼」

『了解‼』


室内を制圧すると次の部屋の制圧に向かう。その途中で何度か敵と鉢合わせしたが、素早く神斬狼で確実に仕留める。やはり敵の練度は、袁紹軍兵士よりはマシだが、それでも他勢力と比べてもかなり低い。

仕留めるには対して苦労しない。俺は部隊に停止命令を出して装備を点検させる。異常が無いと確認したらインカムで状況確認を行なう。


「ウルヴァリンから各部隊へ、現状を報告せよ」

<こちら第2分隊、北側城門を確保‼外の部隊と合流しました‼>

<第3分隊からウルヴァリン‼南門を押さえました‼敵は降伏を始めました‼>

<第4分隊から報告‼開門に成功‼孫策軍が突入を開始しました‼>

<第5分隊からウルヴァリンへ‼城内にいた敵が降伏‼他の部隊からも同じ報告‼>


全部隊は確実に任務を消化して行っている。完全制圧は目前だ。しかし俺達も急いだ方がいい。

もし俺達の予想通り、袁術は利用されているだけなのだったら、利用している一派が何をしでかすか分かったものではない。

MKA1919A1に新しいマガジンを挿入すると、担当エリアで1番大きい扉の左右に張り付く。だが扉の向こう側には複数の気配が感じられる。扉を少しでも開けたら確実に串刺しだろう。


「中佐」

「分かってる・・・入り口を作るぞ」


そう指示するとC4爆薬を取り出して、円形状に設置していく。こうすることで壁に人が通れる程度の穴を開け、爆発で動揺した敵を突入して仕留められる。

設置が完了すると少し離れて、点火器のスイッチを押して、その直後に仕掛けたC4が爆発して、そこに大穴が開いた。


「Move!!Move!!」


俺を再び先頭に一気に第1分隊が突入。やはり扉の前には敵が待ち構えていたが、すかさずMKA1919A1で攻撃。一度の攻撃で複数のターゲットを仕留めた。


「なっ・・・・・・なんだてめえ等⁉」


片手剣を持った大男が動揺しながら状況を理解しようとしていた。その傍には金髪でツインロールをした髪型で、豪華なドレスを身に付けた少女と青い髪にキャビンアテンダントのような格好をした女性がいる。


「動くな‼武器を捨てて床に伏せろ‼」

「チィ⁉」


暫く警戒したが、剣を持った大男が何を考えたのか、近くにいた少女を羽交い締めにして剣を突きつけた。


「お嬢様⁉」

「な・・・七乃⁉」

「動くな‼動いたらこのガキの命はねえ・・・・・・」


完全に馬鹿な奴だ。こんな状況でそんなことをすると、“自分が首謀者です”と言っているようなものだ。

俺はややこしくなる前にすかさずMk45A1AをCQCホルスターから抜き、照準を合わせるとその男の額に45,ACP弾を撃ち込んだ。


「お嬢様‼」


先程の女性が人質にされた少女に駆け寄り、男の腕から抜け出した少女をしっかりと抱きしめた。


「七乃〜‼怖かった・・・・・・怖かったのじゃ⁉」

「よかった・・・・・・」


さっきの状況が怖かったのか、泣きじゃくる少女を抱きしめながら髪を撫でて落ち着かせる女性。

敵意は全く感じられないが、一応はMk45A1Aを構えながら歩み寄る。


「・・・・・・袁術軍総大将の袁術と、側近の張勲だな?」


事前情報と孫策から聞かされていた特徴から、この2人が袁術と張勲だと確信する。しかし見れば見る程、本当に子供だ。こんな少女が総大将とはとても思えない・・・・・・。

尋ねられた2人はすぐこちらに振り向き、張勲と思われる女性が、袁術と思われる少女を隠すように立ち塞がる。

ひとまずは落ち着かせる為に、Mk45A1Aをホルスターに戻す。


「大丈夫だ。俺はあんた達を保護しにきた」

「・・・・・・保護・・・ですか?」

「ああ、ひとまずは降伏してくれ。身柄の安全は保証する」

「ほ・・・・・・本当ですか?」

「本当だ。孫策殿達も理解してくれる筈だ」

「ひぃ⁉孫策とな⁉」


どうやら若干の恐怖を抱いているようだ。俺は溜息を吐くと、優しく微笑んで見せて袁術の頭を優しく撫でる。


「大丈夫だ。孫策達は君が悪人じゃないことを知ってる。だから怖がらなくてもいいよ・・・・・・な?」

「ほ・・・本当かえ?」


そう言われるとすぐを頷く。そうしたら安心したようで、袁術は張勲の手を握りながら立ち上がる。

その後、突入してきた孫策達が袁術を保護したことで、袁術軍の残存戦力は完全に降伏。寿春城を完全に制圧した。

この戦いの後、孫策軍は祈願の独立を遂に勝ち取り、揚州一帯を平定。孫呉は漢王朝の中でも屈指の規模にまで拡大。それに手を貸した俺達も瞬く間に大陸全土に広がった・・・・・・・・・・・・。

袁術と張勲を無事に保護して、遂に念願の独立を勝ち取った孫策軍。彼女達の大義や正義を目の当たりにしたライルは遂に決断を下す。


次回“真・恋姫無双 海兵隊の誇り,Re”


[虎に降る狼]


群狼、遂に家を見つける。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ