池田祭り
私は、久住 京香。19歳。
自分で言うのもなんだけど、私は久住 小春に似ていて可愛い、らしい。
因みに、警視庁の交通課に勤務している。
でも、本業は殺し屋。
って、前も説明しなかったっけ?
ま、良っか。
さて、今日の依頼人は・・・。
と思ったが、一人も来なかった。
仕方ない、警視庁に出勤しよう。
私は事務所兼の自宅を出ると、車に乗って警視庁へ向かった。
「おはようございまーす。」
私は挨拶をする。
「京香ちゃんおはよう!」
メガネを掛けたオタクっぽい太った男が挨拶を返す。
彼は、池田 一男。
池田は、私の事が好きらしいが、私は興味が無い。
特に、こんなデブ男は。
「池田さん・・・前にも言ったけど、名前で呼ばないで下さる?」
「何で。良いじゃん。」
む、ムカ付く!池田血祭り開催決定!
今夜決行!
後悔はしない。
何故なら、元々私は池田には前からムカついていたからである。
それも、殺意が生まれる程だ。
「池田さん。」
私は池田を呼ぶ。
「何だい京香ちゃん。」
「今夜、私とデートしません?」
池田は、
「うん。する。」
と、喜びながら言う。
その時だった。
「久住さん。話があるんだけど。」
と、捜査一課の高木がやって来た。
「話?」
「此処じゃあれだから、屋上まで来て。」
私は高木と一緒に屋上へ行く。
「で、改めて聞くけど、話って何ですか?」
私は高木に聞く。
「依頼。」
高木は答えた。
私は誰かに聞かれているんじゃないかと思いながら、
「ま、待って高木さん。
殺人の依頼は職場に持ち込まないでちょうだい。分かった?」
と、恐る恐る言った。
「ごめん。
じゃあ、後で事務所行くよ。」
「うん。そうして。」
そう言って、私は交通課に戻り、
「ごめん。私、早退する!」
と、同期の婦警に言い、自宅に戻った。
それから10分後。
ガチャ
事務所の扉が開き、高木が中に入ってきた。
「いらっしゃいませ。本日はどう言ったご用件でしょうか?」
「依頼。」
高木は答えた。
「依頼・・・。では、改めてお名前と職業を。」
「高木 浩介。警視庁捜査一課に勤務してます。」
「それで、依頼とはどう言った事で?」
「池田を・・・交通課の池田を血祭りにして欲しい。」
「具体的にどんな血祭りですか?」
「この世からの抹殺。」
「動機は何ですか?」
「お金・・・。」
「金銭トラブルねぇ。
分かりました。承りましょう。
報酬は、300万でどうかしら?」
「さ、300万!?
ちょっと高いんじゃない?」
高木は驚いて言う。
「自殺に見せかけた殺人で尚かつ密室の場合は500万。これでも安い方よ?」
「解ったよ。払うよ。」
と、高木はつまらなそうに言った。
と言う訳で、私は噴水公園の前で池田を待っている。
すると、ノッタノッタと、池田がゆっくり走ってきた。
「ごめん京香ちゃん。」
「池田さぁん、遅いですぅ。
京香ぁ、待ちくたびれたですぅ。」
私は、わざと女の色気を出した。
「ごめんごめん。」
と、池田は謝る。
うし!
こっちのペースに釣られてるな。
「京香ぁ、池田さんが行きたい所にぃ、連れていきますぅ。」
池田は目をハートにして、
「ホント!?」
と、言った。
だって仕事だもん。
てか怪しめよ!?
なんて、オタクに怪しむと言う概念なんて、端から無いけどね。
「僕、京香ちゃんとやりたいな。」
池田はニヤニヤしながら言った。
池田さん、いきなりそれですか?
まぁ、どうせ殺すんだから良いけど・・・。
私は池田を車に乗せ、前回の墓場ホテルに向かった。
「着きましたよ。」
私は池田に言う。
池田は、車を降りると、館内に入って行き、さっさとチェックインを済ませた。
池田の奴、これから殺されるってのに、おおはしゃぎだな。
「京香ちゃん早く。」
やれやれ。
私は、
「先に行って待ってて。」
と、池田に言った。
「分かった。205号室だから、早くしてね。」
池田はそう言って、先に部屋まで行った。
馬鹿目。殺されるとも知らずに・・・。
それより、205って・・・。
私は、
「カミソリ貰えますか?」
と、ホテルマンに頼んだ。
するとホテルマンは、
「京香が使うのか?」
と、言った。
兄貴だった・・・。
兄貴は、私より4つ年上である。
因みに、兄貴も殺し屋である。
「お、お兄ちゃん!?どうして此処に!?」
「それはこっちのセリフだ。」
と、兄貴。
なして答えへん!?
ま、良いか。
「お兄ちゃん、カミソリ。」
私は手のひらを兄貴に差し出す。
「ほらよ。
所で、さっきのメガネを掛けたデブはお前の彼氏か?」
「違う。標的よ。」
「そうか。まぁ、なんだ。派手にやらない方が良いぞ。お前はまだ新米なんだからな。」
「私はもうプロです。」
「ほぉ。」
「え、それだけ?」
「あぁ。」
ムカツク!依頼が来たら確実に殺してやる。
「じゃ、また後でね。」
私は兄貴に手を振り、エレベーターに乗って二階に上がった。
チン!
エレベーターが止まって扉が開く。
「京香ちゃん、遅いよぉ。」
池田は、マジで泣きそうな声で言った。
コイツ、マジでゾッコン!?
気持ち悪!
さっさと殺して帰ろ。
私は、池田と一緒に部屋へ入った。
間取りは、前回と一緒だ。
「京香ちゃん、知ってる?」
と、池田。
「何ですかぁ?」
「昨日ね、此処で人が殺されたらしいよ。」
池田は、唐突にそんな事を言った。
「名前は、間宮 篤って言ったかな。
同じ署の捜査一課の人だよ。」
ふーん・・・え!?
それって、まずいじゃん!?
ひょっとしてあたし、証拠残しちゃった?
それとも、100万くれてやった糞婆が喋ったのか!?
ま、いざとなれば、高木さんのお父さんがいるし。
そんな事を考えてると、何時の間にかベッドの上で裸になっていた・・・いや、裸にされていた。
嫌だ・・・こんなデブとやるのだけは御免蒙りだ!
パチン!
私は指をスナップさせ、池田を催眠状態に陥れた。
その隙に私は、脱がされた服を着直した。
「池田さん。私の声が聞こえますね?」
催眠状態の池田は、
「はい。」
と、答える。
私は手袋をして、例のカミソリを取り出すと指紋を拭き取った。
「池田さん、カミソリを持ってお風呂場に行って下さい。」
「はい。」
池田は、私からカミソリを受け取り、お風呂場へと向かった。
「池田さん。全裸になって、中に入って下さい。」
池田は、私の言う通りに全裸になって中にはいる。
「そうしましたら、お湯を溜め、カミソリで手首を切って下さい。」
池田は、湯船に栓をすると、お湯を出し、カミソリで手首を切った。
「いてっ!」
池田は痛みによって催眠が解ける。
「あれ?僕、こんな所で何やってんの?」
池田は、自分が手に持っているものを確認する。
「僕、何で自殺なんかしようと?」
池田は呟く。
「貴方は自殺しなくてはならないのです。」
私は池田に言った。
池田は驚いて振り向いた。
「な、何で僕が自殺を!?」
「自分の胸に手を当てて良く考えてみろよデブが!」
「デブだと?
僕はデブじゃないぞお!」
池田は怒り狂って、手に持っていたカミソリで私の頬に傷を付けた。
ジワーと、血が滲み出てくる。
許さない・・・。
パチン!
私は再び指をスナップして池田を催眠状態に陥れる。
その間に私は、鞄の中にしまってある果物ナイフを取りに行き、再びお風呂場へと戻った。
「もう終わりよ、池田・・・。
お前を血祭りに上げてくれるわあ!」
私は果物ナイフで、池田の身体を滅多切りにした。
そして、池田の身体は血だらけになり、私は池田の返り血を浴びてしまった。
血だらけの池田は、
「痛え!」
を連呼する。
「五月蠅い!」
私は怒鳴って池田を黙らせる。
池田はびびりながら私の顔を見つめる。
私を見つめるその顔は、もの凄く憎たらしかった。
私は池田の顔面に、果物ナイフを思い切り突き刺した。
「うわー!」
と、池田が悲鳴をあげる。
ふと我に返ると、私はただ呆然とその場に立ち尽くしていた。全身を真っ赤に染めて。
ガタン!
扉が開き、数人の人達が入ってくる。
多分、張り込みをしている刑事だろう。
「久住 京香!
間宮 篤殺害容疑、並びに、池田 一男殺害の現行犯で逮捕する!」
ほらな。
「フフフ、何故に私が犯人だと?」
私は笑いながら問う。
「目撃証言だ。
昨日、此処で事件が起こった時、殺人の一部始終を見ていた目撃者がいたんでな。
それで俺達は張っていたんだ!」
あの糞婆か。
やっぱり、口封じに殺しておけば良かった・・・。
私は後悔していた。
「詳しい事は署に着いてからだ!」
刑事は、私に手錠を掛け、私を署まで連行した。
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