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World Wide Wonderland –人形使いのVRMMO冒険記– 作者:星砂糖

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装備セットとマント

下着を含む全ての装備がなくなったアザレアを前にして、部屋にいる全員が無言になった。
いきなりだとそうなるよね。
下手なことを言うとさらに空気が悪くなりそうだし。

それにしても、こうして見るとアザレアに空いた穴も不気味だね。
全てを飲み込みそうなほど黒い球体から、体に見合わない異質さを感じるよ。

急いで装備を戻したいところだけど、この状況で手で着せるのはダメだよね。
人形とは言え女性物の下着を女性の前で履かせるなんて、すでに手遅れかもしれないけど、さらに変態になるよ。

「装備セットを組むのですか?」
「はい。と言ってもやり方がわからないので時間がかかると思います

「確か、スキルを取得してから初めてアイテムバッグ内の装備品を選ぶと説明文が表示されたと思います。わからなければ聞いてください。βでは取得していたので」
「その時はお願いします」

わからなかったらうららさんが教えてくれるみたいだから、とりあえずアイテムバッグを開いて外したアザレアの服を選択した。

すると、うららさんの言った通りウィンドウが表示された。

『装備セットについて

アイテムバッグの装備品を選択した場合に表示されるメニューに『装備セットを編集する』が追加されました。

・登録方法
選択すると装備セット編集モードになります。
装備セットスロットを選択して、登録したい装備を全て選んでから『決定』ボタンを押してください。
決定時に名前を設定することが可能です。

同種の装備を選択した場合、入れ替え確認メッセージが表示されます。
※特殊な例を除き『靴』を2つ装備することはできません。他部位も同様です。

・装備セット削除方法
装備セットスロットの横にある『×』ボタンで、確認メッセージ表示後セット内容を削除することができます。

・並び順変更方法
装備スロットを選択したまま上下に動かすと並び順を変更できます。

・終了方法
装備スロットを表示しているウィンドウを消してください。』

結構簡単だったから、うららさんに聞くことは無さそうだね。
さっきスキルを使った時に表示されたスロットを選択して、そこに登録したい装備品を選んで決定。
削除や移動方法も簡単だし、終了方法も叩いて消すだけだ。

「サラサラしてます。気持ちいいです……。シロツキちゃんやトバリちゃんとは違います……」

装備スロットを選択してアザレアの服を選んでる最中に、ミヤビちゃんがアザレアの腕や胸を撫でながらボソッと呟いた。
撫でてる場所が場所だから『何が違うの?』とは聞けなかった。
これが正解だよね?
うららさんも困ったような表情を浮かべてるよ。

アザレア達の人工スキンはすべすべというよりサラサラしていて、手触りが良いんだよね。
ベビーパウダーとかで仕上げたような感じ。

「よし!登録できた。衣装替え(ドレスチェンジ)!」

アザレアに手をかざし、表示されたスロットの1番上にある装備セットを選ぶ。
名前は『アザレア標準装備』だよ。

装備セットを選んだ瞬間、アザレアが魔女服姿になった。
裾も揺れてないので着せたというより、分解再構築なのかもしれないね。

「一瞬で変わりました!いろんな服があれば着せ替えが楽しそうです!」

ミヤビちゃんがとても喜んでるけど、僕は着せ替えを楽しむつもりはないよ。
沢山服を用意するのが面倒なんだよね。
僕が作るのか、依頼するのかも決まってないし……多分依頼すると思うけど。

何にせよ、これで腹部機巧(ギミック)が使いやすくなるよ。
そのためには全員の上半身装備がないバージョンを装備セットに登録する必要があるんだけど、アイテムバッグを圧迫するんだよね。

何かいいアイデアが浮かぶまでは全解除でいいかな。
進めていけばアイテムバッグの容量も増えるかもしれないし。

それまでは『無し』とそれぞれの標準装備を登録しておけば、誰に対しても『無し』で解除できて、解除したら装備がアイテムバッグに入るんだから、標準装備で戻せるよね。
念のため今のうちに試しておこう。

衣装替え(ドレスチェンジ)

装備セットで『アザレア標準装備』を選ぼうとしたんだけど、アイテムバッグの中にないせいか選べなかった。
なので『無し』選んでアザレアの装備を解除する。
ちゃんとアイテムバッグに入ってるね。

衣装替え(ドレスチェンジ)

再度『アザレア標準装備』選んでみると、今度は問題なく選択できて、アザレアが魔女服になった。
この使い方だとアイテムバッグを圧迫しないで済むね。
時間がある時にハピネスとクローバーも登録しよう。

「あの、オキナさんは何をされていたんですか?」
「え?あー装備品がアイテムバッグに無い状態で装備セットを使うとどうなるかを試してました。あと、今後の戦略についても」
「戦略ですか?」
「はい。腹部|機巧《ギミックを使う時に全ての装備を解除しますが、あらかじめ標準装備を登録しておくことで、機巧(ギミック)使用後即座に服を着せれます」
「えーっと、でも裸でギミック?を使うってことですよね?」
「そうなりますね」

うららさんが微妙そうな顔をしてる。
裸の人形を戦わせるんだからそうなるのはわかるんだけど、人形の数だけ装備をアイテムバッグに入れるのはちょっとね……。
代わりの服があればまだ良いんだけど。

「裸にするのはアイテムバッグの圧迫が原因ですよね?でしたら、これはどうでしょうか?」

うららさんが取り出したのは、アザレア達が着れそうなほど小さなフード付きマントだった。
しかも、フードには狐耳がついてる。
マントの色も薄い緑だから素材はグリーンフォックスかな。

「これはマントですよね?ずいぶん小さいですがアザレア達用ですか?」
「はい。余った材料で何となく作りました。よかったらどうぞ」
「はぁ……」

余った材料と言う割には作りがしっかりしてる。
毛皮はフワフワで、裏地もしっかり処理したのかとても滑らかだよ。
本当に余った素材なのかな。
うららさんなら着せたいがために作りそうな気がするんだけど……まぁいいか。

「着せてみますね」
「はい」

これを渡されたということは、腹部機巧(ギミック)を使う時に着せろってことだよね。
だとしたら装備セットの名前は『裸マント』1択だね。

渡されたマントは『狐耳フード付きグリーンマント』って名前だった。
これだけを装備セットに登録して、名前を付けたよ。
もちろん『裸マント』。

早速変更してみよう。

衣装替え(ドレスチェンジ)

装備セットから登録したばかりの『裸マント』を選ぶ。
するとアザレアの魔女服がなくなり、緑のマントで足先しか見えないてるてる坊主のような格好になった。
しかも、狐耳付きフードは被ってる。
どういう判定でそうなったのかはわからないけど、ありだね!

「いいですね……」
「可愛いです!」

うららさんとミヤビちゃんにも好評だった。
糸を繋げてないから目を瞑っているのが逆にいい雰囲気を出してるね。
でも、どうせならこの状態で少し動かしたいよね。

繰り糸(マリオネット)

糸を繋げたことでアザレアの瞼が開き、金色の瞳が露わになる。
マントと相まって、どことなく狐っぽく感じる。

裸マントのまま走らせたり引っ張ったりしても、マントが大きいから見えて太ももまでだね。
人によっては逆にありかもしれないけど。

色々動かしてると問題が見つかった。
裸マントは杖を持ってないので、アザレアで魔法が使えなくなる。
これは、裸でも同じだから、魔法を使う時だけ標準装備にすればいいかな。
そもそも腹部機巧(ギミック)を使うためだからね。

もう一つあって、マントが大きすぎてうまく機巧(ギミック)が使えるかどうかわからないんだよ。
普通に動いてるとマントの間から足が出る程度だから、腕を上にあげてたくし上げても、腹部の穴が露出しないんだよね。
マントの裾を掴ませて、横に捻ることで何とか露出させることはできたんだけど、これだと発動までに時間がかかるし、ハピネスとクローバーの腹部機巧(ギミック)で使えるかがわからない。

アザレア以外は一度使ってみてから裸マントで問題ないか確認する必要があるね。
ただ、これは時間がある時でいいかな。
いざという時のために把握しておいた方がいいんだろうけど、人工スキンも無いからね。

「うーん。素足もいいんですけど、靴も欲しいですね。今度は靴を作りますね!あ、もちろん余った素材ですよ!」
「作ってもらえるなら素材を用意するか、お金は払いますよ?」
「余った素材なので大丈夫です!そして、私の前で着せてくれるのがお代です!」
「そ、そうですか。ではお言葉に甘えますね」
「はい!沢山余らせますよ!」

うららさんのおかげでアザレア達の服が増えそうだ。
これならいつか自分で人形を作った時に依頼しやすいね。

衣装替え(ドレスチェンジ)

アザレアの装備を元に戻して収納しておく。
うららさんが残念そうな顔をしたけど、これで僕の要件は終わりだから仕方ない。
この後は、うららさんとミヤビちゃんから何もなかったら冒険者協会にクエストを報告しに行くよ。

それが終われば工房に行って職業クエストを報告。
その報酬を使って右腕作りだ。
余った素材だから大丈夫です。
余らせれば問題ないんです。
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