挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
World Wide Wonderland –人形使いのVRMMO冒険記– 作者:星砂糖

第1章 –World Wide(ログイン2日目)-

しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

87/257

第87話「街で噂の……」

猿の雪崩が起きたけど、何とか無事にクエストクリアできた。
アザレアを抱いて下山する時にイタズラモンキー出会わなかったから、近くのイタズラモンキーはクローバーに引き寄せられたんだと思う。
犬に襲われた時よりモンスターの集まり具合がすごかった理由はわからないけど、次にクローバーを出す時は注意しないと。
もしかしたら出してすぐに大量のモンスターが向かってくるかもしれないからね。

草原に出てからは、結構な数の冒険者とすれ違った。
みんな北の鉄鉱山を目指してたんだけど、山頂じゃなくてゴーレム坑道が目的なんだろうね。
アイアンゴーレムなのか、鉱石なのか、北の森なのかはわからないけど、僕とミヤビちゃんが頑張った結果だと思うと嬉しくなるね。

ミヤビちゃんも同じ気持ちなんだろうね。
北の鉄鉱山に向かう人を見るたびにニコニコしてるし。
ただ、人通りが多いせいでブラウンラビットが全然居なくて、シロツキとトバリが若干不満そうなんだよね。
僕は2頭の気持ちがわからないけど、ミヤビちゃんが撫でたり声をかけて宥めてるし。

「さっきからよく見られますね」
「そうだね。シロツキ達が珍しいのか、アザレアを持ってるせいかわからないけどね」
「何となくですけど、私を見た後オキナさんをジッと見てる人が多い気がします」
「ミヤビちゃんもそう思うなら気のせいじゃないんだね」

そうなんだよ。
なぜかすれ違う人の殆どが、ミヤビちゃんを見た後僕を見てくるんだ。
左腕で持ってるアザレアじゃなくて、僕を見る理由がわからないんだけど、ミヤビちゃんのお兄ちゃんと思われてるのかな?
それにしてはきつい目線もあったけど。
何もしてないんだけどなぁ。

「オキナさんが☆5職業だとバレたんでしょうか?」
「うーん。そんな感じじゃないと思うけど……」

そもそも戦ってるところを見られたならともかく、歩いてる姿から☆5だとはバレないと思う。
人形を持ってるだけだから『あいつ何で人形持ってるの?』ぐらいだよね。
仮にそこから人形を使って戦うということを想像したとしても『そういう職業なのか?』程度で済むよね。
話題に出されたら制限のせいでバレるかもしれないけど。

あるいは人形を持って子供と歩いてるヤバいやつだと思われてるのかもしれない。
それだとしたら睨まれるのも納得できるけど、それなら注意されそうだけど……ヤバいやつだと思われてるからこそ声をかけられないのかな。

「とりあえず気にせず街に戻ろう」
「そうですね」

相変わらずチラチラと見られながらも、ブラウンラビットに遭遇することなく北門近くの畑までたどり着いた。
出た時より畑の面積が広がってるね。
夜プレイヤーが頑張ったのかな。

人形の館(ドールハウス)、アザレア収納、人形の館(ドールハウス)

北門が見えたのでアザレアを収納した。
人形を持ったまま街を歩くと目立つし。
もしも、街中で襲われたら繰り糸(マリオネット)で応戦するつもりだし、そもそも僕の職業で不意打ちされたらなす術なく負けそうだからね。
襲われないことを祈るよ。

畑を耕してる人を横目に、騎士と挨拶を交わして門を通る。
もちろんミヤビちゃんは僕の陰に隠れてて、それを見た騎士は苦笑いしてる。
出るときも同じようなことをしたよね。

「ミヤビちゃんが1人で外に出るときはどうしてたの?」
「えっと……走りました……」

ミヤビちゃんが恥ずかしそうに俯きながら答えてきた。

「騎士が立ってる横を?」
「はい」
「何も言われなかったの?」
「はい。セルゲイ団長に聞いたら人物鑑定のスキルを使ってるそうで、警戒プレイヤーは即座に見分けれるそうです」
「そうなんだ」

人物鑑定っていうと名前を黄色や赤で表示することができるスキルなのかな?
あるいはPKが赤いオーラを纏っていたから、それを即座に発見できるスキルかもしれないね。
あって損はないだろうけど、いまいち必要性を感じないから取らないけどね。

「それで、これからどうしようか。冒険者協会に行ってクエストの報告か、うららさんのところに行って素材を渡すかだろうけど」
「オキナさんはどうするんですか?」
「うーん。うららさんに聞きたい事があるから、ミヤビちゃんから今時間があるか聞いてもらえる?クエスト報告はいつでもできるしね」
「わかりました。ちょっと待っててください」

噴水広場まで来たので、これからどうするか相談した結果、うららさんの所に行くことになった。
ミヤビちゃんはうららさんに素材を渡しに、僕は少し相談のためだ。

これから行ってもいいか確認するため、ミヤビちゃんがうららさん宛てのメッセージを書き始めたので、暇になったから周りを見たんだけど、やっぱり見られてる。
今は人形を持ってないので僕だけ見られる理由がわからないんだけど、やっぱりミヤビちゃんと一緒にいるからかな。
2頭の竜を頭と肩に乗せた小学生プレイヤーのミヤビちゃんは目立つし、そのプレイヤーとパーティを組んでるからね。

たまに見かける他の小学生プレイヤーは友達同士でパーティを組んでるのか、同年代で集まってるんだよ。
でも、ミヤビちゃんは僕と一緒にいるから良くて兄妹だと思われてるかもしれないけど、それにしては変な目で見られてるね。
警戒されているような、興味があるようなそんな感じの視線だ。

「オキナさん。お姉ちゃんから返信があって『ふぁんしーけーき』にいるからきて欲しいそうです」
「えっと、『ふぁんしーけーき』というと防具を受け取ったお店だね」
「そうです」
「確か南西の方だったよね?」
「はい。私が案内しますね」
「うん。お願い」

店の場所にちょっと自信がなかったので場所を確認したら、ミヤビちゃんが案内してくれるみたいで助かったよ。

噴水広場から移動したんだけど、その途中ですれ違う人からも見られてる。
昨日もこんな感じだったような気もしないでもないんだけど、どうなんだろう。
昨日は周りを見ながら歩いてたこともあって、自分が見られてたかは覚えてないんだよね。

たまにすれ違う人と目が合いながらも、何も言われることなく『ふぁんしーけーき』に着いた。
よくわからないけど絡まれることがなくてよかったよ。

「いらっしゃいませ〜。あ、ミヤビちゃん。うららは2番の個室にいるよ」
「わ、わかりました。ありがとうございます」
「ごゆっくり〜」

入店したら昨日と同じくパティシエスーツを着たお姉さんが居て、すぐにうららさんがどの部屋に居るのか教えてくれた。
ミヤビちゃんに続いて奥に進んで行く時に、妙に貼り付けたような笑顔で僕を見てきたけど、一体何なんだろう。
ちょっと怖い。

「お姉ちゃん。入ってもいい?」

2番の部屋の扉をノックしながらミヤビちゃんが声をかける。
もしかしたら中で何か作ってるかもしれないし、集中してる時に人が入ってくると手元が狂うからね。
ノックは必要だよ。
ナックルとマサムネちゃんもミヤビちゃん見習ってほしいよ。

「どうぞ〜」

うららさんの許可を得たのでミヤビちゃんに続いて中に入る。
テーブルの上には紅茶と食べかけのケーキ、小さな布と糸と綿があるぐらいだった。
小物でも作ってたのかな。

「オキナさんミヤビちゃんの面倒を見てもらってありがとうございます」
「いえいえ。こちらこそミヤビちゃんには助けてもらってますよ!」
「えへへ」

うららさんは僕を見ると立ち上がり、ミヤビちゃんのお願いを聞いた件でお礼を言ってくれたんだけど、ミヤビちゃんのおかげでテンペストバードやアイアンゴーレムと戦えたんだから、お礼を言うのはこっちだよ。

「そうですか。それはよかったです。それでは、お話の続きは座ってからにしましょうか」
「わかりました」

うららさんに促されて座ったんだけど、何故か雰囲気が昨日より怖い。
妙にトゲトゲしてると言うか、笑顔に迫力がある。
すれ違う人に見られてたのと関係があるのかな。

「率直にお聞きします。オキナさんはへんたいなのですか?」
「へ?」

うららさんから変態なのかと聞かれた。
どうしてそうなったのか理由が知りたい!
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ