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World Wide Wonderland –人形使いのVRMMO冒険記– 作者:星砂糖

第1章 –World Wide(ログイン2日目)-

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ゴーレム坑道への帰り道とワールドアナウンス

ミヤビちゃんのクエストもクリアしたので来た道を戻ってるんだけど、早速モンスターに出会った。
さっき通ったばかりだけど安全ではないんだね。
まぁ、モンスターも移動するだろうから仕方ないんだろうけど。

「ウゥゥゥゥ……」
「灰色の狼さんですね」

目の前には灰色の狼が7頭いる。
糸と樹液に苦戦したところを越えたあたりで遭遇したんだけど、後ろから左右を追い抜いて目の前に出て来たんだよね。
そして、前で唸り声をあげてこっちを見ているんだけど様子を見てるのか、距離を開けて動かないんだよ。
どうしてだろう。
まぁ、そのおかげでミヤビちゃんと話せるんだけどね。
もちろんミヤビちゃんは盾と槍を構えてるし、僕は左腕で抱えたアザレアに糸を繋いで杖を狼に向けている。

「さっき吸血バタフライが襲ってたのと同じモンスターだね」
「そうなんですか?」
「うん。見えなかった?」
「はい。私のところからは炎の竜巻が吸血バタフライを追い立てたように見えました。塊から何か聞こえたんですけど、ゴォォォっていう竜巻の音がすごくてよくわかりませんでした」
「そうだったんだ」

アザレアの視線が低かったから見えたのかな。
声もミヤビちゃんより前に出ていたから聞こえたのかもしれないね。
身長が低くて狙いにくかったけど、細いところとか狭いところで活動させるのに同期操作(シンクロアクション)は使えそうだね。

「狼さんはどうして襲ってこないんでしょうか?」
「うーん。さっきの吸血バタフライに襲われてた狼に関係してるのかな?」

この狼達では助けられなかったから、トドメを刺した僕達に何か伝えたいとか?
あるいはトドメを刺したからこそ襲いかかって来てるのかもしれないけど。

「オキナさんがトドメを刺したから襲われてるんでしょうか?」
「あるいは苦しませずに倒してくれてありがとうってお礼かもしれないけど……」
「炎で焼いておいて苦しませずにっていうのは違うと思います」
「だよね……」

一撃で倒してるけど叫び声を上げるぐらいにはダメージがあったんだし、もしかしたらそれを聞いて襲ってきてるのかもしれないね。
今はこっちの出方を見てるだけかな?

「対処法もわからないし、戦うしかないかな」
「わかりました。先手はオキナさんの竜巻ですか?」
「うん。そうするよ」
「きゅ!」
「キュー!」

ミヤビちゃんが戦闘する気になったからか、シロツキ達もやる気になってるね。
後は僕のタイミングでストームを放つだけなんだけど、本当に攻撃していいのかな。
何かをすればイベントが発生するとか……。
どちらにせよ対処法がわからないから戦うしかないか。

「ストーム!」
「行きます!」

アザレアが放った炎をの竜巻を合図にミヤビちゃんが走り出し、シロツキとトバリが飛び上がる。
狼は2頭が竜巻に呑まれ、残りの5頭のうち2頭がミヤビちゃんにむかい、1頭ずつシロツキとトバリに向かった。
残った唸り声を上げていた一頭は、距離の近いミヤビちゃん達を無視して僕に向かってきた。

「ガァ!」
「うぉ?!」

狼の攻撃速度は今まで戦ったモンスターの中で一番速かった。
あっという間に距離を詰められて噛み付かれそうになったけど、アザレアの杖を向けたら方向を変えたので、なんとか避けれた。
次は噛まれるかもしれない……。

「ランス!ランス!」

僕を狙う狼に向けて炎の槍を放ったんだけど、簡単に避けられた。
ランスは結構な速さがあるんだけど、これを避けられるとなると魔法を当てるのが難しくなる。
行動範囲を狭めないと当てれそうにないね。

「ランス!ウォール!ストーム!」
「ガゥ!」

ランスを避けた先に炎の壁を出したけど、横に飛び退かれてよけられた。
そこを狙ってストームを放ったんだけど、狼が吠えると加速して距離を縮めてきた。
狼のスキルかもしれない。

「くっ!」

加速した勢いそのままに飛びかかってきたので、とっさに右腕を盾にした。
左腕にはアザレアがいるからね。

噛み付かれただけで1/3程HPが減って、噛み付かれたままなので継続ダメージが入る。
けど、この距離はチャンスだ!

「ストーム!」

僕を中心に炎の竜巻を発生させる。
周囲が熱くなってるけど、HPは噛み付かれたダメージだけだった。
アザレアを見ても服が燃えていないので、耐久値には影響なさそうだ。

そして、右腕に噛み付いていた狼は、炎に焼かれながらも一度も話すことなく光になって消えていった。
声を上げることもなくずっと噛み付かれていたけど、何がそこまでさせたんだろうね。
おかげでHPが半分を切ってるけど。

人形の館(ドールハウス)。クローバー来い。繰り糸(マリオネット)

HPが減ってるので、吸血バタフライが来る前に回復させる。
ミヤビちゃんも狼に苦戦しているのか、少しダメージを受けていたので、僕の回復が終わったらすぐにミヤビちゃんの元へ移動するつもりだ。
アザレアを放り投げて先行させておこう。

シロツキとトバリは、それぞれ狼に噛みついて地面を転がっていた。
狼も爪でシロツキ達を引っ掻いているんだけど、竜と狼の違いか、噛み付かれながら空を飛ばれているので、力が入ってない攻撃になっていた。
踏ん張れないから腕の振りだけの引っ掻きだね。

「ミヤビちゃん!援護するよ!」
「お願いします!」

回復したのでクローバーと共にミヤビちゃんの方に移動する。
ミヤビちゃんは盾で飛びかかりを防ぎつつ、槍を突き入れているんだけど、狼が速すぎるせいか空ぶってるね。
横薙ぎに槍を振ると逆側から狼が飛びかかって来るから、うまく攻撃に移れないみたいだ。

「ランス!あれ?」

クローバーでミヤビちゃんを回復しつつ、クローバーで牽制のランスを放つと直撃して一体倒すことができた。
僕の相手をしていた狼なら避けれる距離だったけど、この狼は避けれなかった。
個体差なのかな。

「やぁっ!」

残り1頭になって余裕が出たのでミヤビちゃんが攻めた。
横薙ぎに振って足を引っ掛け、倒れたところを盾で殴って吹っ飛ばす。
そして、槍を突き入れてトドメを刺した。
鮮やかな連続攻撃だ。

「倒しました!」
「綺麗に決まったね!」
「はい。竜騎士団で教えてもらった戦い方です!」
「団長に?」
「はい!セルゲイ団長に教えてもらいました!」
「団長直々に……」

僕がゼロワンさんにスキルの使い方を教わったように、ミヤビちゃんも竜騎士団のセルゲイ団長に教わったんだね。

「シロツキちゃんとトバリちゃんも終わったみたいですね」
「結構引っかかれてたから回復しておくね」
「お願いします」

シロツキとトバリが戦闘を終えてミヤビちゃんの元に戻ってきた。
特にダメージを受けたようには見えないけど、念のため回復してくことにした。

「もう大丈夫です。ありがとうございます」

シロツキ達のHPはミヤビちゃんにしか見れないので、声をかけられるまで回復したんだけど、思ったよりダメージを受けてなかったみたいだね。
すぐ回復したよ。

「クローバー収納。人形の館(ドールハウス)。じゃあ行こうか」
「はい」

アザレアを抱えてゴーレム坑道に向けて歩き始める。
しばらく歩いていると、急にウィンドウが表示された。
何だろう。

「ワールドアナウンスですね」
「全サーバー共通のメッセージだよね?」
「はい。最初のワールドアナウンスは、日本サーバーで☆5職業が確定したメッセージなので、オキナさんは知らないんですよね」
「初めて見たよ」

僕より先にウィンドウを見たミヤビちゃんが教えてくれた。
全サーバー共通で送られるアナウンスは2回目らしい。
1回目は僕らしいけど、その時僕はキャラクタークリエイト中だったから知らないんだよね。

それより僕もワールドアナウンスを見よう。
もしかしたら2人目の☆5職業プレイヤーが誕生したのかもしれないし。
そうだとしたら☆5職業専用掲示板が日の目をみることになるからね。

『本アナウンスメントは全サーバーに対して行なっています。

日本サーバーにて、1レイドの職業を揃えたことにより、職業統一レイドスキルが解放されました。

職業統一レイドアタックは1レイド3パーティ全てが同じ職業の場合に限り使用できる特殊スキルです。
フルレイドの10パーティの場合、内3パーティが同じ職業で統一されていれば最大3レイド分発動できます。

また、フルレイド全てが同じ職業の場合、職業統一フルレイドスキルが使用可能です。

※召喚獣、使役獣がパーティに含まれている場合統一とはみなされません。
※☆5職業は1人しか存在しないため対象外です』

うん。
僕には関係がなかったね。
ミヤビちゃんを見ると、なんとも言えない顔で僕を見ていたけど、そもそも効果がわからないから、そこまで残念じゃないんだよね。

「ミヤビちゃんはレイドスキル使えるね」
「はい。竜騎士が18人集まると陣形技や合体ブレスが使えるってセルゲイ団長が言ってたので、そのことだと思います」
「シロツキとトバリは2頭で合体ブレスしてるけど、あれとは違うの?」
「シロツキちゃんとトバリちゃんは、同じ卵から生まれたので特別だそうです。マーブルブレスのもっと凄い感じみたいですね」
「あれより凄いんだね」

シロツキとトバリだけでテンペストバードに大ダメージを与えてたけど、それが18匹版になるんだよね。
それがあればテンペストバードを倒せるんじゃないかな。
効果を知ったらちょっと羨ましくなったよ。

「今のところ日本サーバーの竜騎士でプレイヤーなのは5人です。なので、レイドスキルを使うためにはメルカトリア人の竜騎士団員とレイドを組まないとダメですね」
「そうか。メルカトリア人でもいいんだね」
「はい。私が訓練してる時はセルゲイ団長とパーティを組んでますし」
「なるほど」

ミヤビちゃんがセルゲイ団長とパーティを組めるように、僕ならゼロワンさん達とパーティを組めるかもしれないね。
レイドスキルは使えないだろうけど。
今度会った時に聞いてみよう。

「あ、ゴーレム坑道が見えたね」
「そうですね」

ゴーレム坑道が見えてきたので、森はもうすぐ抜けるね。
狼以外と戦闘はなかったけど結構疲れたよ。
まだイタズラモンキーが残ってるけどね。

「ん?誰か居るね」
「そ、そうですね」

僕の後ろを歩いていたミヤビちゃんが、完全に僕の陰に隠れるように後ろに張り付いた。
僕には慣れてくれたみたいだけど、人見知りは健在だね。
吸血バタフライに集られていた狼の番が襲ってきました。
戦闘前の睨み合いは、テイマーにとってはテイムチャンスですが、オキナはテイムできませんし、できたとしてもこの狼は怒っている状態なのでテイム不可能です。

レイドスキルについては、掲示板回にて記載します。
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