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World Wide Wonderland –人形使いのVRMMO冒険記– 作者:星砂糖

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降りるだけで一苦労

僕の目の前に、小さな子が抱っこをせがむ時のポーズをとったミヤビちゃんがいる。
ミヤビちゃんは小柄だから、装備さえなければ抱き上げれるとは思う。
装備さえなければ。

子供だとしても、フリフリ付きのプレートメイルを着て、体の半分以上の盾と身長より長い槍を持ってる子を抱き上げるのは厳しいと思う。
それが等身大デッサン人形を持てなかった僕なら尚更だよ。
一応挑戦してみるけど……。

「じゃあ、持ち上げてみるね」
「はい。お願いします」

ツルハシを持ったハピネスを置いてから、ミヤビちゃんの脇に手を入れて上に持ち上げようと力を入れる。
少し浮いた気がしたけど気のせいだったみたいで、全く持ち上がってなかった。
小学生とはいえ女の子に言うのはダメな台詞なんだろうけど、持ち上がってないから言うしか無い。
できるだけ傷つけないように言わないと……。

「装備が重いみたいで持ち上げられなかったよ。僕は後衛職だからSTRが低いのもあるね」
「そうですか……」

やっぱり落ち込んじゃうよね。
抱っこポーズをやめて、プレートメイルに付いてるフリフリを弄ってる。

「装備を外したらいけますか?」
「それなら大丈夫だと思うけど、降りた瞬間攻撃されたら防具なしの状態でダメージを受けることになるから危険だよ」
「そうですよね……」

そもそも装備を外しても持値上げれるかはわからないからね。
言わないけど。

それに、装備を外して持ち上げれたとしても、攻撃を受けて力尽きたとしたら、回復するアイテムがない今だとミヤビちゃんを復活させれないんだよね。
パーティを組んだ時点で買っておけば良かったんだけど、そんなこと考えてなかったよ。

「どうしましょうか」
「うーん」

アイアンゴーレムを見ると、シロツキとトバリが注意を引いてくれていた。
そのおかげでこっちに攻撃はきてないけど、それもいつまで持つかわからない。

ミヤビちゃんに糸をつけて、糸をゆっくりと伸ばしながら降りてもらうことを考えたけど、盾が魔法を無効にするからダメだね。
盾を収納してもらうたらいけるかもしれないけど、重いものを吊り下げた時の糸の動きがわからないし、攻撃された時のリスクが増える。

もしやったとしても、ミヤビちゃんの重さに僕が引っ張られて落ちるんじゃないかな。
木や岩に糸をつけて縮めた時も僕だけが動いてたし。
今の場合ミヤビちゃんが木や岩の役割になりそうだよ。

他に考えられる方法は降りる場所を探すのと、ハピネス達にミヤビちゃんを持ち上げてもらって降りる方法だね。
ステータスはわからないけど、同期操作(シンクロアクション)した感じでも、僕よりSTRはあるからね。
試してみようかな。

「ミヤビちゃん。ハピネスとクローバーでミヤビちゃんを持ち上げようと思うんだけど、どうかな?僕よりSTRがあるんだけど」
「ハピネスちゃん達に……大丈夫なんでしょうか?」
「とりあえずやってみてもいい?」
「はい。大丈夫です……」

ミヤビちゃんは僕の提案に驚いていた。
そうだよね。
人形で持ち上げると言われても簡単には信じられないよね。
でも、他に思いつかないんだよ。

人形の館(ドールハウス)。クローバー、アザレア来い」

クローバーとアザレアを出して、ハピネスからツルハシを回収する。
アザレアを出したのは、ハピネスとクローバーで持ち上げた時にバランスを崩した場合支えるのと、アイアンゴーレムがこっちに向かって来た時の牽制役だ。
クローバーがパチンコを放つよりも、魔法で攻撃した方がダメージが通りやすそうだしね。

繰り糸(マリオネット)。じゃあ持ち上げるね」
「はい……」

クローバーのパチンコを服のベルトに差し込ませて、ミヤビちゃんを持ちやすくさせる。
持ち手の部分が当たると邪魔になるからね。

ハピネスとクローバーをミヤビちゃんの左右に、アザレアを背後に移動させ、ハピネスとクローバーで膝裏に手を入れて、倒れて来た背中をもう一方の手で支えさせる。
2人がかりのお姫様抱っこか、急に倒れた人を支える時の体勢だね。

「わっ。持ち上がってます!……わわっ」

アザレアの支えは必要なく、ハピネスとクローバーで持ち上げることができた。
そしてそのままハピネス達を移動させてみたけど、特に問題もなく移動できた。
振動があったせいでミヤビちゃんが少し慌ててたけど問題ないね。

「少し跳んでみるね」
「はい……ひゃっ」

ミヤビちゃんを抱えたままハピネスとクローバーをその場で跳ばせた。
すると意識した通り30cm跳べて、ゆっくりと着地することを意識したおかげか、見たところミヤビちゃんへの影響はなかった。
跳ぶ瞬間だけ声が出てたけどね。

これなら行ける気がする。

「これで降りてみようか。もし攻撃されてもクローバーで回復できるし、アイアンゴーレムの注意はアザレアで引くからね」
「はい。お願いします……」

ミヤビちゃんは目を瞑りながら返事をしてきた。
そのまま跳ぶつもりみたいだけど、逆に怖くないかな?
まぁ、跳ぶのはミヤビちゃんだから本人がいいなら気にしないけど。

「じゃあいくよ?」
「はい!…………ひゃぁぁぁぁ!!」

ハピネスとクローバー同時に跳び降りさせる。
覗き込んで様子を見ていたけど、若干足が滑ったぐらいで、ミヤビちゃんを落とすことはなかった。
成功だね!

ミヤビちゃんが降りると、アイアンゴーレムがジッと見てきて移動を始めた。
降りたらターゲットになりやすいとかあるのかもしれないね。
なので、急いでアザレアを飛び降りさせて、僕も後に続いた。

「オキナさん!私が前に出ますね!」
「わかった!ハピネスも向かわせるよ!」
「はい!」

ミヤビちゃんが盾を構えながらアイアンゴーレムに向かっていった。
その後を両手を切り離させたハピネスに追わせ、クローバーには周辺の石を拾わせてパチンコで牽制させる。
アザレアにはテンペストバード戦で使ったままの光のランスを撃たせた。

パチンコで放った石はアイアンゴーレムに当たっても、カンッという音を立てるだけでHPが減ってるようには見えなかった。
アザレアのランスが直撃しても、ほんの少しHPが減るだけで仰け反ることなく進んできた。
鉄鉱石の集合体みたいな外見だから削れるかと思ったんだけど、削れた様子はない。
石の人形みたいに腕に攻撃を集中させたら取れたりしないかな。

クローバーとアザレアで牽制していると、シロツキとトバリも引っ掻いたり尻尾を叩きつけたりし始めた。
降りるまではここまで積極的じゃなかったけど、今は狙いが分散してるから攻撃しやすいんだろうね。
でも、HPは1割も減ってない。
硬い上にHPが多いのかな。

牽制を続けているとミヤビちゃんがたどり着いて、槍で攻撃し始めた。
少し遅れて到着したハピネスには、左手で炎を出させながら、右手で切りつけさせる。

ミヤビちゃんの攻撃だと少し体が削れているね。
ハピネスの炎はダメージは与えれてるみたいで、アイアンゴーレムの体が少し赤くなっていた。
右手で切りつけた場所には、跡が残っていたから火が弱点なのかもしれないね。

アザレアの魔法属性を変えようか悩んでいると、アイアンゴーレムが少し屈んで地面の石を握り込み、こっちに向けて投げてきた。

その石飛礫は1/3ほどミヤビちゃんの盾で弾かれたけど、残りは僕の方に飛んできた。
とっさにクローバーとアザレアを左右に放り投げたので、この2体には当たらなかったけど、僕にはいくつも当たった。
1つ1つはそこまでダメージがなかったんだけど、当たった数が多かったせいか、残りHPが1/3になっていた。

慌ててポーションを取り出して飲みつつ、クローバーを引き寄せて回復した。
石飛礫を投げただけでここまでダメージを受けるなら、直接殴られでもしたら一撃で倒されそうだよ。

硬いし、重いし、攻撃力があるモンスターなんだね。
幸い速度はそこまで早くないから、ハピネス達が攻撃を受けることはないと思うけど、受けたら壊れちゃうかもしれないよね。
慎重に戦おう。

テンペストバードとは違った意味で厄介だなぁ。
ミヤビちゃんの重さは、ミヤビちゃんの体重+装備の重さです。
体の大きさでリーチが変わるように、体重も変わります。
重さに反応するトラップは、装備を外していれば反応しなくなり、頭を狙う矢は頭上を通過するだけで済むかもしれません。
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