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World Wide Wonderland –人形使いのVRMMO冒険記– 作者:星砂糖

第1章 –World Wide(ログイン1日目)-

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西の海岸

アザレアを抱いてカンテラの光を頼りに草原を西に歩く。
アザレアからはラベンダーの香りがするから、夜も相まってベッドがあればぐっすり寝れるかもしれない。
ちなみにクローバーは緑茶っぽい爽やかな香りがするよ。

香りのことを考えながら歩いていると、潮の香りもしてきた。
耳をすませると波の音も聞こえてきた。
ついでに「がいぃぃぃん」「ごいぃぃぃん」という硬いものと硬いものがぶつかり合う鈍い音も……。
海辺にある硬いものって何?
テトラポッド?

潮の音と硬い音を頼りに進むと、足元の草が短くなり始め、やがて砂に変わった。
足元が砂になる少し前から傾斜を感じていたけど、砂になったらより顕著に現れた。

星と月の光で水面が淡く光ってるけど結構遠い。
たぶん戦闘も想定してるから浜辺が広いんだろうね。

硬い音を立てていた人はすぐに見つかった。
両手で巨大なハンマーを持ち、砂にめり込んでる無骨な緑の盾に対して振り下ろしていた。

緑の盾が埋まってるせいで、ハンマーが地面に当たると思いっきり砂が舞う。
その砂を払うように左右に振って、また振り下ろす。
この人は、砂に埋まった盾に何をしてるの?
もしかして、あれはモンスターなの?

ハンマーの人から距離をとって砂浜を歩いていると、足元に固い感触があった。
砂浜は「ギュムギュム」と歩けるんだけど、ここだけ「ギュ」だった。
足が沈まない感じ。
もしかして、この下に盾が埋まってるのかな?
盾が埋まってるってのも変だけど。
そういう海岸なのかもしれない。

砂を少し掻き分けると、赤い板っぽい何かが見えた。
それを中心に周囲の砂を退かしていくと、ハンマーの人が叩いてた盾が出てきた。
色は違うけど。

砂に埋まった赤い盾を前にどうすればいいか迷ってると、盾が震えて砂から這い上がってきた。
この盾は亀だ。

甲羅の代わりに盾を背負ってるのか、甲羅が盾のようになったのかはわからないけど、盾の下から出てきた手足と首から、亀だとわかった。
さっきのハンマーの人は、このモンスターを倒そうとしてたんだね。
なんで執拗に盾を攻撃していたのかはわからないけど、謎は解けたよ。

繰り糸(マリオネット)魔法少女の杖(マジカルチェンジ)(スパーク)!」

「カシュ、カシュ」という音を立てて、魔石が入れ替わった。
火の魔石は元の位置に戻り、雷の魔石がセットされた。
これでアザレアが放つ魔法が火属性から雷属性に変わったね。

盾亀は、のっそのっそとゆっくり歩いているので、上から打ちおろすようにボールをぶつけようと思う。
海辺に住む亀なんだから雷に弱いよね。

「ボール!」

アザレアの杖の先から、小さく放電する玉が発射され、盾亀に当たった。
「バチッィ!」という音を立てたかと思ったら、HPバーが砕け散って光になった。
盾亀って弱いの?
防御力はあるんだろうけど遅いし、魔法に弱そうだよ。

アザレアを抱き上げ少し歩くと、また足元に固い感触があった。
今度は手で掘らずに足で砂を退ける。
すると、青い盾を背負った盾亀が現れた。
どうせなので、試したいことをやってみよう。

繰り糸(マリオネット)

アザレアを地面に下ろして、メイスのような杖を上段で構えさせる。
狙うわ青い盾亀の盾だ。
一直線に振り下ろされた杖は、お腹の底に響く大きな音を立てた。
それでも、盾亀のHPは1/3も減ってなかった。

「マテリアル」

アザレアの杖の先から「バチバチ」と放電され始めた。
その様子は杖自体が放電しているように見える。
これなら、属性を付与した杖として殴れるんじゃないかな。
マテリアル自体は攻撃には使えないらしいけど、マテリアルを使いながら殴ればいけそうな気がするよ。

今度も上段に構えさせ、一直線に振り下ろさせた。
さっきと同じく鈍い音がなったけど、盾亀の減ったHPは1/3程度だった。
これだとマテリアルの意味はないかな。

むしろ、マテリアルの使う場所はどこなんだろう。
火なら料理、水なら飲み物、風はドライヤー。
土は……陶芸?
雷は……電気マッサージかイタズラかな?

マテリアルの活用方法は後で考えるとして、盾亀にトドメを刺そうと思う。
出てきた首を叩いてもいいんだけど、裏側が気になるから杖を使ってひっくり返させた。
裏側は普通の亀だった。
なので、無防備なお腹にメイスのような杖を振り下ろさせたら、残りのHPバーが砕け散って光になった。
やっぱり、この亀弱いよね。

せっかく浜辺に来たので、もう少し海に近づいていると、盾亀を攻撃している男の人がいた。
その男の人は剣で攻撃してるけど弾かれていて、ひっくり返すためにお腹の下に刃を入れて持ち上げたりしても、うまくひっくり返せないみたい。

しばらく見ていると盾亀の盾が光り、炎の槍が剣を持った男の人に当たり、吹き飛んだ。
盾亀の攻撃方法って魔法だったの?!

男の人は起き上がって、亀の下に勢いよく剣を突き入れて振り上げた。
そのおかげで亀が裏返ったので、剣を突き刺して倒してた。
やっぱり裏側を狙うべきなんだね。
ハンマーの人が特別ってことだ。

海に近づくと、小さな黄色い玉がいくつか浮いているのが見えた。
蛍かな?

さらに近づくと、黄色い玉の周囲をほとんど透明な何かが覆っているのがわかった。
なにこれ?

「ぐふっ!」

じっと見ていると、透明な何かが勢いよく伸びてきて、僕のお腹に当たった。
結構な力で押されてる感じがした。
HPは15も減ってた。
もしかしてこの浮いてる何かは強いの?

繰り糸(マリオネット)、ボール!」

アザレアの杖から放電する玉が放たれ、透明な何かに当たった。
透明な何かの中を電気が走ったおかげで、全体像はつかめたけど、ダメージはなかったみたいで、HPバーが減ってなかった。
黄色い玉はわからないけど、透明な何かは海月だった。
空飛ぶ海月が触手を伸ばして攻撃してくるんだ……。

魔法少女の杖(マジカルチェンジ)(ファイア)!ボール!」

火属性に切り替えて、火の玉をぶつける。
海月の炙り焼きだよ!

雷属性の時とは違い、HPバーが砕け散って光になった。
海月の体内にあった黄色い玉が雷属性だったから、こっちの攻撃が通用しなかったのかな?

それにしても、たくさん浮いてるなぁ……。
パッと見ただけでも近くに8匹、遠くを入れると4、50匹は浮いてる。
とりあえず海までの海月だけでも倒して進もう。
さすがに全部倒す気にはならないよ。

海まで進む間に9匹の海月を倒したけど、MPを消耗したよ。
やっぱりMPがネックになるね。
どうにかしてMPを増やしたいけど……装備で増えないかなぁ……。

念のため周囲に気を配りつつ海を見る。
月の光で水面に道ができてるし、星も映るぐらいに穏やかな海だ。
昼間にも来たいと思っていると、沖のほうで跳ねる何かがいた。

その何かは複数いて、徐々に近づいて来てるんだけど……。
海の方から近づいてくる何かにロクなものはないよ!
急いで海から離れると、さっきまで僕がいた場所に複数の魚が突き刺さった。
その魚はドリル状の突起が顔の前についていたので、移動してなければドリルで穴だらけになるところだった。


地面に突き刺さったドリル魚は、軽く震えるとうっすらと緑に光り、高速で回転して地面から抜け出した。
そして、その勢いのまま海に戻っていった。
それでも何匹かはいるので燃やそうと思う。
アザレアなら問題なく倒せるはず!

「ストーム!」

地面に突き刺さったままの8匹を炎の竜巻で燃やす。
海辺でやるキャンプファイヤーみたいになってるね。

炎が治ると、そこには何もなかった。
ドリル魚は全部倒せたみたいだ。
今の所苦戦せずに倒せてるけど、それは全部人形のおかげだし、僕が受けるダメージはどんどん増えていってる。
これ以上進むのは危険だから街に戻ろう。

元来た道を歩いていくと、ハンマーの人はまだ盾亀を叩いていた。
盾の色が黄色になってたから別の盾亀だけど、なんでひっくり返さないんだろう。
何かのクエストなのかな?

ハンマーの人を尻目に海岸を後にした。
あとはまっすぐ街に戻るだけだね。
ステータス(戦闘で消耗)

名前:オキナ
種族:人族
職業:人形使い(ドールマスター)☆5
Lv:5
HP:115/140
MP:102/700
ST:114/114
STR:14
VIT:14
DEF:14
MDF:140
DEX:320
AGI:14
INT:280
LUK:50
ステータスポイント:残り18

スキル
繰り糸(マリオネット)Lv:2〕〔人形の館(ドールハウス)Lv:2〕〔同期操作シンクロアクションLv:1〕〔工房Lv:2〕〔人形作成ドールクリエイトLv:1〕〔自動行動オートアクションLv:1〕〔能力入力スキルインプットLv:1〕〔自爆操作(爆発は主人のために)Lv:1〕〔〕
スキルスロット:空き1
スキルポイント:残り10

職業特性
通常生産系スキル成長度0.01倍
通常魔法使用不可
武器装備不可
重量級防具装備不可

装備
・武器1:装備できません
・武器2:装備できません
・頭:なし
・腕:なし
・体上:冒険者のローブ
・体下:冒険者のズボン
・足:冒険者の靴
・アクセサリー1:なし
・アクセサリー2:なし
+注意+
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