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World Wide Wonderland –人形使いのVRMMO冒険記– 作者:星砂糖

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属性付与の効果

セインと一緒に西門を出て海岸に向かう。
外に出てすぐに騎士人形を出して驚かれ、道の途中で遭遇するブラウンラビットを勝手に動いて倒したことでさらに驚かれた。
口頭で説明してても実際に見ると驚くよね。

ちなみにハピネス達はまだ出してない。
セインも女の子だから見せると興奮しそうだからね。
騎士人形の驚きから落ち着いたら説明するつもりだけど、今も騎士人形の周囲を回って色々見てるからもう少しかかると思う。

騎士人形は腕を持ち上げられたり、剣や盾を奪おうとしなければ触っても問題なかったので、セインは鎧の隙間に手を突っ込んだりして中を確かめていた。
最終的にはバイザー部分を上げて人形の顔を見て「目も鼻も口もないじゃん……」と呟いた。
それで満足したのか、少し離れて全体を見た後僕のところに戻ってきた。

「落ち着いた?」
「え?あ、うん、ごめんね。話は聞いてたけどびっくりしちゃった……」

騎士人形を思う存分調べたからか、この後は勝手にブラウンラビットを倒してもセインは反応しなかった。
なので、それぞれ今まで何をしていたのか話しながら海岸に向かった。

セインは初日に友人と別れてから1人でブラウンラビットを倒しに行って苦戦。
集団に囲まれて負けそうになってからは街中のクエストをコツコツとクリアしてお金を貯め、いい防具を買ってから再度挑もうとしていたらしい。
ブラウンラビットに。

クエストは倉庫整理や荷運び、書類整理や飲食店の野菜の皮むき、道端の掃除など色々それはもう色々で、その時にたくさんのメルカトリア人と知り合って様々なことを教えてもらったらしい。

どこどこのパン屋は惣菜がイマイチだからこの店の惣菜を挟むといいとか、あるお店の息子さんは花屋の娘さんに恋してるとか、そういった井戸端会議で話される内容から僕の興味を引く内容までたくさんあった。
中でも、冒険者ギルドで鑑定の魔道具を使って鑑定のお手伝いをするクエストがあるということが1番気になった。

このクエストの話を詳しく聞いてみると、冒険者ギルドの倉庫整理から始まり掃除や書類整理等複数の業務を経てたどり着く連続クエストだと言われた。
興味があるのは鑑定の魔道具なんだけど、そっちについてはわからないらしい。
そういう道具があるということは、魔道具職人には僕の能力入力(スキルインプット)と同じようなスキルがあるんだね。

(じぃ)はどんな事してたの?」

セインに教えてもらったように、僕も3日間のことを話した。
PKに怒り、テンペストバードに興味を持ち、地底湖の話で目をキラキラさせた。
地底湖に行きたいらしい。

ハピネス達のこと話すとやっぱり興味が出たみたいで見せてほしいと言ってきたけど、もうすぐ海岸に着くのでそれまで待ってもらうことにした。
掲示板で修正された書き込みを見て服を着た人形がいるとわかっていても、実際にどんな人形かを聞いたら見たくなるよね。

「着いた!さぁ!人形を見せてー!」
「わかった。だけど、一度にたくさん出しても仕方ないから1体だけだよ。人形の館(ドールハウス)、アザレア来い」
「アザレアちゃんというと魔法を使える子!うわー魔女っ子だ!可愛い!」

セインには人形の名前と戦い方を教えただけなんだけど、それをしっかりと覚えていたみたい。
アザレアが出てきた瞬間にセインが抱き上げて、またもやいろんな角度から見る。
しっかりとローブの中まで見て「白……」って呟くのはやめてほしい。
損耗具合を見たり着替えさせたから知っているけど、目の前で人形を下から覗いて下着を確認されると何となく恥ずかしくなる。

セインはそんな僕の気持ちに気づかず、ローブ肌着を捲って体に空いた穴を見たり、顔を突っ込んで匂いを嗅いだりしていた。
それも、外ではあまりやらない方がいいと思うけど、匂いに関しては今更かな。
しのぶさん達も外で嗅いでいたし。

「それで、どのモンスターを倒すの?」
「海岸に埋まってる盾のような甲羅を背負った亀のモンスターだよ。あのモンスターは魔法で攻撃するか、ひっくり返してお腹を叩いて倒す必要があるんだけど、セインの属性付与がどれだけダメージを与えられるか確かめるには丁度いいと思ったんだ」

前にここで戦った盾亀は、アザレアの杖で甲羅を殴れば1/3ほど減らすことができた。
それに、マテリアルを使っても結果は変わらなかったから、属性付与とは比較しやすいと思う。

問題だったのが前に来たのが夜だったから盾亀がいるかどうかだったんだけど、砂浜にいる人が盾亀を叩いてるのを見て安心した。
海側は砂が波にさらわれて普通に盾が見えているのもいるから探しやすそうだ。

「なるほどー。付与なしで攻撃した後、付与ありで攻撃して様子を見るってことだよね?」
「そうだよ」
「いぇーい正解!」

アザレアを右手で抱いたまま左手を突き上げるセイン。
潮風に揺れていたサイドテールが大きく跳ねた。
長い髪には目を惹かれるんだよね。
動きがあると尚良いと思う。

「それじゃあ戦ってみるね」
「はーい」

どこまで臨機応変に動いてくれるのか気になったから、アザレアを使った検証の前に騎士人形がどう動くのか確認しよう。
自分で動かせるなら甲羅をひっくり返すんだけど、さすがにそこまで動いてくれるとは思っていない。
モンスターの攻撃から守ってくれて、反撃をしてくれるだけで十分なので、セインからアザレアを返してもらうのはもう少し後でいい。

「うわっ!何かある!」

砂浜を進んで行くとセインが踏んだ場所に盾亀いたようで、いきなり変わった感触に驚いていた。
そして、踏まれた甲羅の色が赤い盾亀が地面から出てくると、騎士人形が僕を守るように間に入った。
どうやら隠れているモンスターは見つけられないようだ。

騎士人形は伸びている首ではなく、甲羅を切りつけた。
ガンと音が鳴って剣を弾かれる。
攻撃が通りやすい場所を狙うこともないみたいだね。
ダメージより当てやすさを優先しているのか、攻撃のパターンが決まっていて、偶々甲羅に当たったのかはわからないけど。

騎士人形が鉄の剣で甲羅を切ったことによるダメージは1割もなかった。
これを見るとアザレアのメイスでの殴打がいかに強いかわかる。
盾亀から距離をとって騎士人形の攻撃を止めてからセインに話しかける。

「セイン。騎士人形に属性付与をしてもらえる?」
「りょうかーい。剣でいい?」
「攻撃するだけだから剣でいいけど……」
「はーい。精霊召喚(サモンエレメント)みーちゃん!属性付与(エンチャント)!」

話の途中でセインがスキルを使った。
最初のスキルで青色に輝くピンポン玉サイズの何かが現れた。
セインが騎士人形の剣を指差して2つ目のスキルを使うと、召喚された精霊が剣に近寄り、溶け込むように消えた。
すると、無骨な鉄の剣が青い色の光で覆われた。

「はい。完了!これの状態で攻撃したら水属性の攻撃になるよ!」
「水属性だね。ありがとう」

一度開けた距離を縮めると、騎士人形が盾亀に向かっていく。
元いた位置から殆ど動いていなかった盾亀に剣が届くところまで移動した騎士人形は、即座に剣を振り下ろした。

今度も同じような音を立てて弾かれたけど、ダメージは1割半ほど与えられていた。
属性付与をしただけなのに上がりすぎな気もするけど、盾亀の甲羅が赤いから火属性なのかもしれない。
もしも赤が火属性だとしたら、水属性で弱点をついたことでダメージが増えたのかもしれない。
前にここで甲羅を叩き割っていた人が戦っていたのも赤い甲羅で、火属性のランスを放ってたからこの予想は合ってると思う。

僕が移動しなかったことで、騎士人形が盾亀を攻撃し続けて倒すことができた。
途中でファイアボールが騎士人形に向けて放たれたんだけど、剣で切り裂いて対処していた。
飛び散る火で赤く照らされた騎士人形はちょっと格好良かった。
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