挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
World Wide Wonderland –人形使いのVRMMO冒険記– 作者:星砂糖

第1章 –World Wide(ログイン4日目)-

しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

175/257

客室解放と双子人形

昨日は早く早く寝たので朝6時からログインした。
朝が早いにも関わらず、北門から出て行く人や噴水広場に向かう人は多かった。
この中の何人かは徹夜でやっていたり、昼夜逆転しているんだろうね。
僕も気をつけないと。

昨日と同じように北門から出て草原に向かう途中すれ違った人達が、鉄の守護者の話をしていたので早朝アタックを仕掛けたのかもしれない。
すごく疲れた顔をしていたから、徹夜で戦って目当てのアイテムが出なかったのかな。
夜通し戦っては並んでを繰り返した上で目当てのアイテムが出ないのは辛いものがあるよね。
僕には祈ることしかできないけど。

一応北の鉄鉱山へと続く道から離れたところで騎士人形を取り出す。
騎士人形は出てきてすぐに剣を抜き、盾を構えて僕の前方に移動した。
街中で取り出してもこの状態になるのか少し気になった。
何かきっかけがあれば出せるんだけど、さすがに抜剣する人形を簡単には出せないよね。

「お。クリアだ」

騎士人形をブラウンラビットに向かわせること29羽。
職業クエストクリアした。

ブラウンラビットは向こうから襲ってこないので、騎士人形を先頭に草むらを探索していたんだけど、僕が気付いていないブラウンラビットをバンバン倒していってくれたので、結構早く終わった。
これなら集合までに工房のレベルアップもできそうなので、早速騎士人形をアイテムバッグに収納する。

「工房」

いつもの視界の明滅が済むと転移室に出た。
直近はホールに転移していたからか、なんとなく落ち着く感じがする。
いきなりホールに出るより、こっちに転移する方がいい。

「お帰りなさいませ。オキナ様」
「ただいまです」

転移室を出ると案の定ゼロワンさんがいたのでいつもの挨拶を交わす。

「本日はどうされますか?」
「ゼロスリーさんにクエストの報告をします」
「かしこまりました。食堂へご案内します」

ゼロワンさんに用件を伝えると食堂へ案内されたけど、そこにゼロスリーさんはいなかった。
たぶん、厨房にいるんだと思うんだけど、それなら厨房に行けばよかったんじゃないかな。
話しやすい食堂を選んだのかもしれないけど。

「お待たせやでー」

給仕人形の自動行動(オートアクション)がプリセットパターンだとしたら何になるのか、どうすれば手に入るのかを考えていたら、ゼロスリーさんがお盆にサンドウィッチと紅茶のティーセットを乗せてやって来た。

僕の後ろに控えていた給仕人形にお盆を向けると、給仕人形がそれを手に受け取って僕の方に来た。
そして、流れるような手付きで音も立てずにサンドウィッチが乗った皿を置き、紅茶を入れ始めた。
さらに、いつの間にかゼロワンさんが横に居て、フィンガーボールと手巾も用意された。

「食べながらでええでー。ウチは確しとくわー」
「いただきます」

ゼロスリーさんが机を挟んで向かい側の席に座り、ウィンドウを表示して何かを確認しているのをサンドウィッチを食べながらで眺める。
「ふむふむ」と言ったと思ったら「はぁ〜」とため息を吐いたんだけど、何かあったのかな。
クエストの進行状況が表示されて、ブラックドッグとブラウンラビットばかりだから呆れられたとか?

「う〜ん。もうちょっと強いモンスターで練習して欲しかったんやけど、まぁクリアはクリアや。報酬を取って来るわ〜」
「オキナ様申し訳ありません。ゼロスリーは少々自由すぎる性格なので、ご不快になられたと思います」
「個性があっていいんじゃないでしょうか。全然不快じゃないですよ」
「そう言っていただけるとありがたいです」

ゼロスリーさんがため息を吐いたのは予想通りだったけど、クリアと判定されているから問題になるとは思ってなかった。
なるとしたらゼロスリーさん個人の評価に影響するぐらいだろうか。

そして、ゼロワンさんに謝られる必要は全くない。
僕から普段通りに話してほしいと言ったし、ゼロスリーさんの気さくさは嫌いじゃないからね。
何というか、ゼロワンさんやゼロツーさんとは違って友人のような関係になれそうな気がする。
向こうはそう思ってないだろうけど。

「お待たせ〜」

ゼロスリーさんがいつもの報酬用のお盆を持って戻って来た。
お盆には小さなクッションが2つあり、それぞれ鍵と透明な玉が乗せてあった。
工房レベルアップ用の鍵とスキルスロットオーブだ。

鍵に手を触れてお盆の上のアイテムを受け取る。
クッションがどんどん溜まっていくんだけど、ハピネス達が座るのに丁度いいサイズかもしれないから、今度座らせてみようかな。
上手くいけば人形の館(ドールハウス)に設置してみよう。

アイテムバッグから鍵とスキルスロットオーブを取り出して、まずは鍵を胸に差し込み、回す。
カチッという音がなった瞬間、アナウンスが流れる。

『工房のレベルが4になりました。
西棟と東棟の客室、そこに続く廊下が解放されました。
詳しくは担当に確認してください』

客室が解放された!
これでうららさんと源さんに設備を使ってもらって色々作ってもらえる!

ただ、西棟と東棟があるみたいなんだけど、階段を上がって左右それぞれに客室があるのかな。
だとしたら男性と女性で分けるべきかもしれない。
振り分けは担当の自動人形(オートマタ)に相談しよう。

続けてスキルスロットオーブを手に取り、胸に当てる。
光になったスキルスロットオーブは僕の胸に吸い込まれて消えた。
これでスキルスロットオーブが増えたけど、まだ取得したいものが決まってないからしばらく放置することにした。
空いてて困るものじゃないからね。

「それじゃあ客室の方に行こかー」
「お願いします」
「こっちやでー」

僕がサンドウィッチを食べ終わるのを待って、ゼロスリーさんが声をかけて来た。
途中、紅茶がなくなるたびに給仕人形が入れてくれたんだけど、声をかけられないせいでビックリしたのは内緒だ。
たぶん、バレてると思うけど。

ゼロスリーさんの後を追ってホールに戻り、階段を上がっていく。
すると、途中にある左右へと続く踊り場に見たことがない2人が立っていた。

「「初めまして未来のマスター」」
「ゼロフォーです。西棟の客室を担当しています」
「ゼロファイブです。東棟の客室を担当しています」
「「これからよろしくお願いします」」
「オキナです。こちらこそよろしくお願いします」

踊り場に立っていた2人は、僕に気づくと同時に口を開き自己紹介をして頭を下げた。
僕から見て左に立っている方がゼロフォーさんで、右がゼロファイブさんだ。

2人の見た目は全く一緒で、緑がかかった黒いロングの髪に、エメラルドのようにキラキラして瞳で、ゼロワンさんと同じようなロングスカートのメイド服に黒いブーツを履いているんだけど、全体的に小柄だ。
ゼロワンさんがメイド長だとしたら、この2人は中堅ぐらいの雰囲気がある。

違いはネクタイぐらいで、ゼロフォーさんがリボンタイ。
ゼロファイブさんがクロスタイだけど、色は2人ともモスグリーンだ。
2人を見分ける方法がネクタイだけってどうなんだろう。
いつか入れ替わって何か仕掛けられたりするのかな。
パッと見た感じイタズラを仕掛けてくるようには見えないけどね。

「2人は双子なんですか?」
「「そうです」」
「私が姉で」
「私が妹です」

名前の通りゼロフォーさんが姉で、ゼロファイブさんが妹らしい。
だけど、人形で双子ってどういうことなんだろう。
同じ素材から作られたとか、大きな魔石を2つに割って、それをコアにしているのかな?
あるいはただのコンセプトかな。

「「人形で双子ということに疑問があるようですね」」
「え?はい。気になってます」
「「私達は同じ素材から作られました。また、コアに使っている魔石も大きな物を2つに割って使用しています。まさに2人で1つなのです」」
「そうなんですか」

予想した内容が両方当たってた。
それはそれで嬉しいんだけど、2人同時に話されるのに慣れない。
時間が経てば慣れるんだろうか……。
双子っていいですよね!
見た目が同じ双子、左右対称の双子、髪型で変化をつける双子、見た目が同じなのに性格が真反対な双子、姉妹愛が強い双子。

左右から同じ言葉を同時に言ってもらったり!
交互に話してもらったり!
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ