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World Wide Wonderland –人形使いのVRMMO冒険記– 作者:星砂糖

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ミヤビちゃんと合流

HPバーの減り方を意識して確認しながらウォークウッドを攻撃していると、ウォークウッドが足を地面に付けている時に、攻撃していないにも関わらずHPが減っていることがあった。
ミヤビちゃんが攻撃してくれているんだろうけど、それはつまり、ミヤビちゃんが根っこに襲われているということになる。

洞窟の中だから壁や天井があるので、シロツキに乗って機動力を活かして戦うのは難しいはずだ。
ミヤビちゃんのHPバーは減ってないからまだ大丈夫だけど、いつ苦戦するかわからない。
どうにかしてミヤビちゃんが地上に戻れたらいいんだけど、攻撃のタイミングを合わせたらできないかな。
と言っても合わせるための打ち合わせができないんだけど。

「全然HPが減りませんね。火遁・(ぎょく)!」
「そうですね。今の所ミヤビちゃんは無事ですけど、早く倒すに越したことはありません。糸縛り!糸縛り・縫い合わせ!」

しのぶさんとうららさんは、ウォークウッドの腕が当たらない位置まで距離をとってスキルを使っている。
チマチマと攻撃しているんだけど、中々体力が減らない。
火力不足もあるんだろうけど、その原因はウォークウッドが強いんだと思う。

一撃の破壊力が高い上に体が大きくて体力もありそう。
極め付けは槍を抜けなくするほど硬くなることだ。
幸い、歩く速度も攻撃の速度もそこまで早くないので、追い詰められたり追加のウォークウッドが来なければ時間がかかっても倒せると思う。

「ようやく半分です!」
「ボォォォォ!!!」

チクチクと攻撃してようやくHPを半分減らすことができたんだけど、ウォークウッドが吠えて足踏みし始めた。
すると地面から沢山の根っこが生えて、移動しづらくなった。
しのぶさんにとっては足場ができて楽になったかもしれないけど。

「ボォォォォ?!」

足踏みして根っこを生やしたと思ったら、今度は体を左右に振り始めるウォークウッド。
よく見るとHPバーが2割以上減って、残り2割半ぐらいになっていた。

ミヤビちゃんが根っこに向けて攻撃したんだろうね。
もしかしたら地中にも同じように根っこが生えていて、沢山の根っこをブレスで焼き払ったりしたから大ダメージになったんじゃないかな。

今のダメージで、うららさんとしのぶさんがミヤビちゃんも根っこと戦っていると気づいたみたいだ。
2人の中では捕らわれていることになっていたのかな?

「ボォォ……ボッ!」

ウォークウッドが揺れを止めると、次は当たらない距離なのに腕を振った。
すると、腕に生えていた葉っぱが勢いよくこちらに飛んできて、近くに生えていた根っこに突き刺さった。

ハピネスは近かったおかげで範囲外だったし、アザレアとクローバーは根っこの陰に隠すことができた。
だけど、ラナンキュラスは飛んでいたのもあって回避が間に合わなかった。
鏡写しの盾(ミラーシールド)を発動した盾を構えさせたおかげで1枚は跳ね返せたんだけど、押し寄せてくる葉っぱの数に飲まれそうになった。
それでも盾を構えていたし、繰り糸(マリオネット)によって強化されていた上に、ラナンキュラスの装備が鎧だったので目立った傷はなかった。
それでも後で確認する必要はあるけど。

「ボッ!」
「痛っ!」
「うっ!」
「痛いですね」

今度は逆に腕で葉っぱを飛ばしてくるウォークウッド。
だけど、一度見ているので全員根っこの陰に隠れることができた。
だけど、今度のは一部が根っこを貫通してきて全員ダメージを受けた。
ステータスや防具の性能差のせいで僕とうららさんが6割、しのぶさんは数が当たったので7割も減っていた。

ミヤビちゃんのHPを見ながらポーションを使いつつ、しのぶさんの元へクローバーを向かわせる。
僕とうららさんはHPの最大値が低いので、互いにまだ残っていた固定値を回復させる初心者用ポーションで回復できたけど、しのぶさんは普通のポーションしか持ってなかったみたいなので向かわせたんだ。
持っていたとしても2個は必要だから、早く回復するために向かわせたけど。

「この葉っぱは厄介ですね!根っこを出してきたのはこの油断を誘うためでしょうか?」
「たぶん、もっと根っこを出して逃げ場を減らそうとしたんじゃないでしょうか。そして、そこを腕で叩いて倒すつもりだったんだと思います」
「なるほど。それをミヤビちゃんが攻撃したことで次の攻撃に移ったわけですね」
「あくまで予想ですけどね」

うららさんの予想は当たってるんじゃないかな。
ミヤビちゃんが攻撃した時は、まだ足踏みをしようとしていたからね。
まだ根っこを生やすつもりだったんだと思う。

根っこで逃げ道がない状態で殴られるとなると、堅守で防ぐ以外の手段がないから、まだ一撃で倒されない分葉っぱの方がいいかもしれない。
向こうも近づいてこなくなったし。

「やられる前にやりましょう!火遁・()!火遁・旋風!」
「そうですね!ランス!ランス!ランス!」

クローバーをホラーモードにして麻痺を使うか迷ったんだけど、木が麻痺するかわからなかったのでやめておいた。
普通の生物なら麻痺するかもしれないけど、木だからね。
スプラッシュマッシュから受けたステータスダウンなら与えられそうだけど、選べるわけではないから麻痺が邪魔になる。
いざとなったらダメ元でやってみよう。

「な?!葉っぱは壁の役割も果たすんですか!」
「これは面倒ですね……」

しのぶさんと僕が放った火は、また振られた腕から飛んできた葉っぱに当たって、ウォークウッドまで飛ばなかった。
火遁とランスのおかげで僕たちに向かってきた葉っぱが燃え尽きたので、ダメージを受けなかったから結果的に良かったけど、このままだとハピネスの攻撃だけで戦うしか無くなるかもしれない。

アザレアを前に出して至近距離で魔法をぶつけることも考えたんだけど、さっきの葉っぱを燃やすところを見て迎撃に回すことにした。
攻撃も大事だけど、ウォークウッドの場合は防御の方が大事だと思う。
一撃が重いからね。

「ボォォォ!」

ハピネスの攻撃と地中のミヤビちゃんの攻撃でHPが2割を切ったら、今度は腕ではなく幹自体を後ろに仰け反らせて、勢いよく頭を振ってきた。
腕の比じゃない量の葉っぱがこっちに飛んでくる。

「これはやばいです!火遁・旋風!」
繰り糸(マリオネット)!堅守!」

しのぶさんが迎撃のために火を吹く。
僕もアザレアにストームを5つ、僕たちを正面の葉っぱから守るように使った。
それに加えてラナンキュラスの鏡写しの盾(ミラーシールド)も使っておく。
今は声を出して知らせるよりも、少しでも多く対処法を用意する方が優先だ。

「オキナさん!うららさんを背中にかばうようにお願いします!」
「わかりました!でも、これも使っておきます!拒絶の壁(嫌い……)

しのぶさんは回復アイテムを多く持っているうららさんを守るつもりでいるんだと思う。
全員うららさんからポーション類や復活アイテムの天使の涙を渡されているけど、天使の涙については1つずつしか受け取っていない。
1つあたりの値段もあるけど、前衛が復活アイテムを持っておくのは保険だし、僕が持つのも人形を複数操作する以上、助けに行く余裕がないかもしれない。
なので、結果としてうららさんが1番持つことになった。

そして、しのぶさんの足元にアザレアを移動させて、MP200の壁を作った。
もう少し多く使いたかったんだけど、残りMP的に厳しい。
これ以上つぎ込むと葉っぱをやり過ごしたと同時にMPが切れる。
そうなるとウォークウッドの足元で戦っているハピネスが無防備な状態で取り残されてしまって、再接続までに踏みつけられて壊される可能性がある。
今すぐ手元に戻したとしても間に合わないし。



「ぐっ!うぁ!」
「しのぶさん!ぐぅ!」
「オキナさん!」
「大丈夫です!クローバーで回復しながらなので!」

なんとか準備は間に合ったけどアザレアが作った壁は砕け散り、ラナンキュラスの盾が小さいため後ろにいたしのぶさんに葉っぱが当たり、HPが0になった。
そして、僕にもダメージがあったけど、クローバーで回復しながら受けたのでどうにか持ちこたえることができた。

「しのぶさん!」
「あ、ありがとうございます」

葉っぱの嵐がやんだ瞬間うららさんが天使の涙を持ってしのぶさんに駆け寄り復活させる。
HP1なのでポーションとクローバーで急いで回復して何とか整えた。
だけど、これが続くならアイテムが尽きて全滅すると思う。
クローバーを試すしかないか。

そう思った瞬間、最初にミヤビちゃんが落ちた穴から何かが飛び出してきた。
それはそのままウォークウッドまで近づき、白と黒の閃光を放った。
しっかり見なくてもわかる。
ミヤビちゃんとシロツキ達だった。

「ボォォ……」

ウォークウッドに向けて放たれたマーブルブレスは、残りHP吹き飛ばしてHPバーを砕け散らせた。
どうやら根っこよりも幹の方がダメージを受けるみたいだ。
そして、HPが0になったウォークウッドは、その巨体を光に変えて消えていく。

量が量だけにとても綺麗だったけど、それを成し遂げたミヤビちゃんはボロボロだった。
パーティで1番HPがあるのに、今は2割を切っている。
どうやら僕たちを助けるために無茶をしたようだ。
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