挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
World Wide Wonderland –人形使いのVRMMO冒険記– 作者:星砂糖

第1章 –World Wide(ログイン3日目)-

しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

160/257

ロックリザードを越えて

今から向かおうとしていた段になっている場所。
その1番下の地底湖に面している所にいたロックリザードが、突如水面から現れた長い首のモンスターに噛み付かれて水中へ引きずりこまれて行った。

周囲にいたロックリザード達は慌てて散開して、段を登る奴もいれば、地面をあっちこっちに逃げ惑っている奴もいるし、混乱しているのか自ら地底湖に入っていく個体もいる。
体表が岩だから重そうなんだけど泳げるのかな。

しばらく見ていたけど浮いてこなかったので、沈んだのか首長竜に食べられたんだと思う。
やっぱり地底湖は入らない方がいい場所のようだ。

「あれとは戦いたいとは思わないですね!見えた部分だけでも6、7mはありましたよ!」
「水中には残りの首と体があるはずなので、10mは超えると思います」
「ますます戦いたくないですね!」

まだ距離があったのでフルレイドボスは僕達に気づいていなかったけど、もう少し近くにいたら危なかったかもしれない。
それに、段の1番下で戦闘をしたら見つかる可能性が高いんじゃないかな。

しっかりと見ていたわけじゃないけど、食われたロックリザードは尻尾で水面をパチャパチャしていた気がする。
なので、戦闘時に水面を揺らしたりすれば襲われるんじゃないかな。
だからこれ以上進むとしたら、まず段の上に登ってから戦うべきだと思う。
できればもう近づきたくないけど。

「さっきのモンスターがフルレイドボス……。他の竜騎士団の人が連れていた水竜に似ている気がします。大きさは違いますけど」
「ミヤビちゃん、その竜のことはわかる?」
「ごめんなさい。水竜は海の防衛担当なので、シロツキちゃん達の飛竜とは別部隊なんです。なので水のブレスを吐くことと、水中の索敵能力がすごいということしかわかりません……」
「その情報で十分だよミヤビちゃん。ありがとう」
「そうですか?お役に立てたなら良かったです」

ミヤビちゃんが竜騎士団で見た竜とフルレイドボスが同じかはわからないけど、同じだと思って考えることにした。
水面に対して何かすると襲われるなら、地底湖から離れて戦えばいいだけだ。
同じじゃないとしたら戦闘音に引き寄せられて襲いかかってくるかもしれないけど、その時になったら考えよう。
逃げられるかもしれないし。

他の場所でレベル上げをするにしても、候補は北の森ぐらいしかないから、できればまだ戦いやすいここがいい。
ロックゴーレムの復活を待ってもいいけど、待つ時間が勿体無いからね。

「ミヤビちゃんが竜騎士団で見た竜と同じだという前提で話しますけど、地底湖から離れたロックリザードを倒そうと思います。水中の索敵に長けているなら、水面に攻撃が当たらなければいいと思うんです」
「えっと、同じかどうかわかりませんよ?」
「うん。でも、ここ以外にレベル上げをしに行く場所がないんだよ。北の森に行ってもいいけど、ミヤビちゃんは嫌だよね?」
「うぅ……ベタベタは嫌です……」
「だから、フルレイドボスが出て来て戦闘になったらその時考えよう。まぁ、逃げるしかないけどね」
「そうですね……。わかりました。私はロックリザードと戦います」

ミヤビちゃんは僕の考えに賛成してくれた。
テンペストバードの時もイベント発生時に山頂から出れば逃走可能って書かれていたし、それがバトルエリアから出ることなのはわかる。
最後の方にバトルエリアが赤くなった時は出られなくなったけど、突発レイド発生時は黄色だったから、赤くなければ逃げることはできると思う。

「私もロックリザードと戦います。どうせ倒されても死に戻るだけです。それに、段の上に行くなら私が先行して注意を引く必要がありますよね!」
「ありがとうございます」
「いえいえ。礼には及びません!オキナさんのおかげで戦闘が楽ですし、可愛い人形と一緒に戦えるんですよ!いつか私のために忍者型自動人形(オートマタ)を作ってもらえれば!」
「それは……考えておきます」
「はい!お願いします!」

忍者型自動人形(オートマタ)は置いといて、しのぶさんも賛成してくれた。
これで、段の上のロックリザードの注意が弾きやすくなる。
僕が糸で壁からぶら下がった状態でアザレアの魔法を放てば注意は引けると思うけど、正直そんなアクロバティックなことはしたくない。
ロックリザードは壁に張り付くことも可能だから、壁伝いに糸までたどり着かれる可能性もある。
そうなると、糸を切断されてロックリザードの集団に落ちるしかない。

「私はミヤビちゃんが賛成なら問題ありません」
「わかりました。これで、全員賛成ですね」

うららさんはミヤビちゃんが賛成した時点で戦うことは決めていたらしい。
素材からたくさん糸を作って準備していた。
素材から大量の糸を作り出し、その糸を複数持って1つの糸に集約する。
それを何度も繰り返して強靭な糸を作っている。
レベルが上がると鉱石から糸が作れるようになるので、時間があれば糸を作ることにしたそうだ。

「首長竜のおかげでロックリザードが散ったので、地底湖から遠い所に居る集団を倒して、そのあと段の上に登ろうと思います」
「地底湖周辺のロックリザードは無視して壁を登って、上にいるロックリザード達の注意を引けばいいんですね?」
「そうです。苦無や魔法で刺激することもしません。万が一地底湖に当たってフルレイドボスが出てきたら困るので」
「わかりました。お任せください」

想像の中でだけど、しのぶさんが投げた苦無が地底湖に入り、そこから首が出てきて僕が食べられてしまった。
万が一そんなことを起こさせないためにも、僕もアザレアの魔法を地底湖側にいるロックリザード達に撃たないし、糸も飛ばさない。

ミヤビちゃんもそれはわかっているみたいで、シロツキとトバリに地底湖に近づかないように言い聞かせていた。
2頭は水に飛び込みたかったのか、少しションボリしていた。
そういえばヌシ釣りの森の湖にも飛び込んでたっけ。
ここでそんな事をしたら、逃げ切る前に食べられると思う。

「うららさんは近づいてくるロックリザードの動きを封じてください。数が多い時は僕も縛ります。僕が縛ったロックリザードはラナンキュラスの機巧(ギミック)で倒すので、ミヤビちゃんはうららさんが縛ったロックリザードをお願い」
「わかりました」
「はい!」

ミヤビちゃんに貫通攻撃で倒してもらうには数が多い。
なので、クローバーを収納してアザレアとラナンキュラスの2体を操り、空いた3本でロックリザードを縛る。
これなら、多少数が多くても何とかなると思う。
無理そうなら石の右腕を出して糸の数を増やばいい。

「よし!行きましょう!」

戦法を決めたので手近な集団から倒していった。
予定通り地底湖の近くにいるロックリザードは無視したんだけど、段の上で戦っていたら登ってきたので、攻撃が地底湖に向かないように操って移動させた後、ラナンキュラスの突き抜ける槍(ライトニングスピア)で倒した。

上にいるロックリザードはしのぶさんが注意を引いて、隙をみて口を攻撃したりまとめて火遁で焼いていて、それをシロツキとトバリが援護して倒していた。
シロツキ達がしのぶさんの援護に回った事で、ミヤビちゃんが段を登る時に苦戦していたけど、壁に糸を貼り付けて引っ張り上がる僕に捕まって何とか登ることができた。

段には僕達に見える採掘ポイントはなかったんだけど、花が咲いていたので根を残すように刈り取ったぐらいで、それぞれ多少攻撃を受けたけど、問題なく1番上までたどり着けた。
そして、登った先の壁に通路があった。

「次はここですね?」
「そうですね。とりあえず回復しましょう」

通路を前にして進む前に回復することにした。
回復しながら段の下を見ると、戦闘に参加しなかったロックリザードが数匹いた。
うららさんが戦局を見ながら数えていたんだけど、倒したロックリザードは25匹だったらしい。
結構な数が居たんだね。

「それでは行きましょう!」
「索敵よろしくお願いします」
「お任せください!」

張り切っているしのぶさんを先頭にして、通路に足を踏み入れた。
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ