挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
World Wide Wonderland –人形使いのVRMMO冒険記– 作者:星砂糖

第1章 –World Wide(ログイン1日目)-

しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

16/257

人形の操り方

「それでは性能評価用のお部屋へご案内いたします。そこで、人形操作の基礎をお伝えします」
「わかりました。お願いします」

工房の説明を受けたので、次は人形使い(ドールマスター)としての戦闘訓練だ。
これで繰り糸(マリオネット)で投げる以外の戦い方ができる。
別にあの戦い方が嫌なわけじゃないけど、職業と合ってないからね。
どうせなら職業を生かした戦い方がしたいよね。

「こちらです」

部屋を出た僕達は廊下を進み、簡素な扉の前に立った。
何となく裏口っぽい感じがする一枚扉で、シンプルなドアノブが付いている程度の装飾しかなかった。

「おぉ……」

ゼロワンさんが扉を開けて先に進んだので付いて行くと階段があり、それを登った僕の目の前に闘技場が広がっていた。
コロッセオのような場所の広場に出たらしい。
とても広いので人形の性能を確かめるために暴れても問題ないと思うけど…広すぎると思う。
それに、広場を囲む観客席には誰もいないので少し不気味だ。

「ここは闘技場ですか?」
「そのように認識していただいて構いません。それでは、少々お待ちください」

ゼロワンさんが僕に一礼して、僕から見て右側にある選手入場口のような所に消えて行った。
象でも余裕で通れるぐらい大きな入り口は、よく見ると鉄格子のようなものが下ろせそうだった。
そんな入り口が左側にもある。
何となくだけど、2つの入り口には近づきたくない。
閉じ込められたり、大きなモンスターが出てきそうで怖い。

「ふぅ……」

やることもないので息抜きがてら周囲を見回す。
上には空が広がってるけど、何となくおかしい気がする。
空が近いのかな。
そうなるとこの場所は高い所にあるってことになるけど息苦しくないし……。
ここはどこなんだろう。
右上のミニマップは僕が通った道しか表示されてないから、場所の確認には使えないし。

一応観客席も見たけど、やっぱり誰もいなかった。
やることもないのでアイテムバッグを開いたり、掲示板を見て時間でも潰そうかな。

「お待たせしました」
「いえいえ。大丈夫ですよ」

掲示板を見ているとゼロワンさんが戻ってきた。
右手には大きなトランクケースが1つ。
左手には右手の半分程のトランクケースを持っていた。
片方に人形、もう片方に武器かな?

「オキナ様は人形を持っていないということですので、練習用の人形をお持ちしました」

ゼロワンさんは右手に持った大きいトランクケースを床に置き、留め金を外して開けた。
中には膝を抱えて丸められたデッサン人形みたいな物が入ってた。
デッサン人形自体は見慣れてるけど、ここまで大きいのはないかな。
立たせたら180cmぐらいになるんじゃないかな。

「こちらは操作練習用ですので、武器防具は用意していません」
「あれ?もう1つのトランクケースは何なんですか?」

僕はトランクケースを開けるために置かれた小さい方のトランクケースを指差しながら聞いた。
するとゼロワンさんがトランクケースを持ち上げ、大事そうに抱えた。

「こちらは後ほど使用します。それでは、練習用人形に繰り糸(マリオネット)を使用してほしいのですが、繰り糸(マリオネット)を使用したことはありますか?」
「はい。繰り糸(マリオネット)を使ってブラウンラビットを倒したこともありますよ」
「人形を使わずにですか?ブラウンラビットが複数いたのですか?」

トランクケースを抱いたまま首を傾げるゼロワンさん。
その仕草を無表情でやられても怖いだけだよ。
ゼロワンさんの仕草は置いといて、質問に答える。

「人形は使ってないですね。複数のブラウンラビットとの同時戦闘もしましたが、基本1羽ですよ」
「どのように戦われたのですか?」
「えっと、繰り糸(マリオネット)をつけた状態で振り回して地面に当てたりしました」
「そのような戦い方があるのですね。存じ上げませんでした」
「いや、戦い方がわからなくて試行錯誤した結果そうなっただけですよ!」

ゼロワンさんは無表情のまま感心したように何度も頷いてた。
戦い方がわからなくてそうなっただけなので、逆に申し訳ないよ。

「それでは、練習用人形に繰り糸(マリオネット)をお願いします」
「わかりました。繰り糸(マリオネット)!」

納得したゼロワンさんから促されたので、繰り糸(マリオネット)を使う。
右手の人差し指から魔力の糸が出て、問題なく練習用人形に当たった。
糸が当たった練習用人形は薄っすらとした光に包まれた。
ブラウンラビットの時と一緒だから、人形と生き物で違いはなさそうだ。

一応今のままで動かせるかの確認として糸を引っ張ってみたけど、糸を介して引っ張られた人形が少し動くだけだった。

「その状態で動かそうとするのではなく、人形に指示を出すように意識してください。そうですね…立つ動きを想像するか、対象に意識を集中して命令するようにお願いします」
「想像か命令ですね」

僕は人形が手を付いて立ち上がる様子を想像した。
すると人形がカチャカチャと動いたけど、立ち上がることもなく、トランクケースの中でのたうち回っただけだった。
想像が甘いのかもしれないし、動きも怖いけど動かすことはできたよ!

次は人形を見ながら『立て!』と心の中で命令してみた。
今度はガチャ!っと勢いよく立ち上がり、直立した状態になった。
立った!
人形が立った!
動かせたよ!

「やった!立った!」
「おめでとうございます。次はトランクケースから出してみましょう。その後は周囲を歩かせてください」
「わかりました!」

足を上げてトランクケースを跨ぐ様子を想像したけど、片足を上げた瞬間にバランスを崩してケースの中に戻っていった。
立たせる時も想像してみたんだけどうまくいかない。
想像だと難しいな。

命令するように意識すればすぐに立ち、トランクケースも跨がせることができた。
この状態で戦闘する場合『切れ』とか『殴れ』って意識しないとダメなんだよね。
それは要練習かな。

「難しい……」

トランクケースから出した後『歩け』と命令したら一歩だけ歩いた。
確かに何歩歩けとか、ここまで歩けなんて意識してなかったけど、まさか一歩だけとは…。
あと、歩き方が怖い。

酔っ払ったサラリーマンみたいに両手をだらっと下げて、上半身もすごく傾いてる。
しっかり意識しないとダメなのかな。

「動かす際に動かし終わった時の姿も意識してみてください。今は動きだけを意識されているように思えます」
「動かし終わった時の動きですか。わかりました」

確かに歩かせる時は足を前に出させることしか考えていなかった。
今度は歩き終わった後の体制も意識しよう。
『3歩進んで直立』するように心の中で命令すると、酔っ払ったサラリーマンがよたよたと三歩進んでシャキッと直立した。
急に酔いが覚めたのかな?

「次は細かく動くように意識してみてください。足をどのように上げ、どのように前に出し、どのように下ろすかです。その時に背筋を伸ばすことも心がけてください」
「わ、わかりました」

ゆっくりと足を上げさせ、上げた足を前に出させ、踵から下ろす。
体勢も意識していたので、大分見られる動きになってきた。

「その調子です。次はトランクケースを閉めてみましょう」
「アレを閉めればいいんですね」

トランクケースは練習用人形を出すために開けたままだった。
ゆっくりでも確実にトランクケースの前に進ませて、開いたままの上蓋を掴ませようと手を伸ばさせたら、バランスを崩してトランクケースの中に入ってしまった。
また、中に落ちたよ。

その後も前から閉めることに苦戦したので、後ろから閉めようと押させたら、トランクケースは閉めれたけど勢い良すぎたのか、上蓋を乗り越えて顔から地面に落ちた。
人形だから首も骨折したような角度に曲がっていた。
まぁ、球体関節のせいでよく曲がるだけなんだけどね。

「あのサイズは慣れるまでバランスが取りづらいのです。そこで、オキナ様にはこちらの人形を差し上げます」
「え?あ、ありがとうございます」

ゼロワンさんが胸に抱いていたトランクケースを渡してきた。
小さい方には武器じゃなくて人形が入っていたんだ。
渡されたトランクケースを開けると、紺色の髪が肩ほどまであり、ゼロワンさんと同じ素材を使ったのか白い肌で、真っ赤なドレスを着た人形が入っていた。
ドレスは前部が膝上、後ろはふくらはぎに程度の長さのドレスで、真っ赤な生地の下には白い生地のふりふりが見えた。
靴は少しヒールのある編み上げブーツだった。

「そちらの人形は、残っている先代の人形使い(ドールマスター)の作品の中でも比較的扱いやすい物となっています。タイプは殺戮人形(キリングドール)です」
「は?」

キリングドール?
殺すための人形?
どういうこと?
ステータス(操作練習でMP消費)

名前:オキナ
種族:人族
職業:人形使い(ドールマスター)☆5
Lv:1
HP:84/100
MP:343/500
ST:110/110
STR:10
VIT:10
DEF:10
MDF:100
DEX:300
AGI:10
INT:200
LUK:50
ステータスポイント:残り10

スキル
繰り糸(マリオネット)Lv:1〕〔人形の館(ドールハウス)Lv:1〕〔同期操作シンクロアクションLv:1〕〔工房Lv:1〕〔人形作成ドールクリエイトLv:1〕〔自動行動オートアクションLv:1〕〔能力入力スキルインプットLv:1〕〔自爆操作(爆発は主人のために)Lv:1〕〔〕
スキルスロット:空き1
スキルポイント:残り10

職業特性
通常生産系スキル成長度0.01倍
通常魔法使用不可
武器装備不可
重量級防具装備不可

装備
・武器1:装備できません
・武器2:装備できません
・頭:なし
・腕:なし
・体上:冒険者のローブ
・体下:冒険者のズボン
・足:冒険者の靴
・アクセサリー1:なし
・アクセサリー2:なし
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ