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World Wide Wonderland –人形使いのVRMMO冒険記– 作者:星砂糖

第1章 –World Wide(ログイン3日目)-

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リトルアイアンゴーレム

リトルアイアンゴーレムはリトルロックゴーレムと違って形が整っていて、体もシュッとしている。
指もゴツゴツしていなくて尖っているし、角が立っているから手刀で切ってきそうだ。

後は動きの速さもリトルロックゴーレムとは違う。
しのぶさんとミヤビちゃんの攻撃を受けて吹き飛ばされた後、立ち上がって走って来たんだけど、体が鉄でできているはずなのにリトルロックゴーレムより速い。

それに、腕や足の形が整えられているせいで、リトルロックゴーレムとは違い可動域が広くなっている。
リトルロックゴーレムは体の出っ張りに腕の出っ張りが引っかかって動きが制限されていたんだけど、リトルアイアンゴーレムはその出っ張りが無いから、動きは制限されないようだ。

「螺旋槍!え?!」

真っ直ぐ向かってきたリトルアイアンゴーレムに、ミヤビちゃんが貫通攻撃の螺旋槍を放った。
回転しながら迫る槍先を、リトルアイアンゴーレムは左手の甲を内側から当て、外側へ受け流した。

リトルアイアンゴーレムは受け流した体勢のまま右足で地面を蹴って踏み込み、右手を掌底のように突き出す。
螺旋槍は槍を突き出すスキルだから左手で持っている盾は構えていないので、外側を向いている。
ミヤビちゃんはスキルを放っているので当然動けない。
しかも、受け流されているということはスキルを放っている途中(・・・・・・・)なので、シロツキのスキル硬直したミヤビちゃんを強制的に動かす連携は間に合わない。
当然攻撃を受けてしまう。

「ぐっ!」

ミヤビちゃんはHPをMAXから1/2まで一気に減らしながら、攻撃の勢いで数歩下がる。
これを僕とうららさんが受けたら一撃で倒れることになる。
しのぶさんならギリギリ耐えるかもしれないけど。

「ストーム!突き抜ける槍(ライトニングスピア)人形の館(ドールハウス)!クローバー来い!繰り糸(マリオネット)!」
「糸縛り・雁字搦め!」

アザレアのストームとラナンキュラスの槍を放ちながらクローバーを取り出し、糸を繋いでミヤビちゃんの所に移動させる。
うららさんも糸を放って援護してくれたんだけど、リトルアイアンゴーレムはその糸を指で切り裂いた。
ラナンキュラスの槍は避けられて、ストームは直撃したにもかかわらず平然としている。

だけど、その間にクローバーをミヤビちゃんの元へ向かわすことはできたし、慈愛と救済の右手(癒しましょう)で回復もできた。
本当ならクローバーを投げたかったんだけど、リトルアイアンゴーレムから目を離せないから、向かわせるしかなかった。
それでも、クローバーの性能のおかげか、だいぶ早く移動させれたけどね。

「オキナさん。リトルアイアンゴーレムを糸で縛ることはできないみたいなので、私は壁や天井に糸を張り巡らせます。後はアイテムで援護します」
「わかりました。うららさんは下がっていてください」

リトルアイアンゴーレムのHPは残り8割。
ミヤビちゃんの螺旋槍は受け流していたけど、回転によるダメージがあったみたいで、ストームと合わせて1割減っていた。
受け流しただけで通常攻撃と同じぐらいダメージがあるなら、直撃させることができれば大ダメージを与えることができそうだけど、問題はどうやって当てるかだ。

正面から放てば受け流されるだろうし、さっきみたいに同時攻撃をしても、判断して受ける攻撃を選んでる気がする。
ミヤビちゃんとラナンキュラスで正面と側面から貫通攻撃をすれば当てられるかもしれないけど、受け流した槍がもう片方の攻撃に当たって軌道をそらされるかもしれない。
このリトルアイアンゴーレムならやれそうだ。

囲む場合はしのぶさんに注意を引いてもらって左右からの方がいいと思うけど、まずは繰り糸(マリオネット)で縛れるか試してみよう。

「ストーム!繰り糸(マリオネット)!」

放った2本の糸はストームを受けたリトルアイアンゴーレムにくっ付いた。
だけど、光が体を覆うことなく千切れた。

千切れたということは本数が増えれば縛ることができるかもしれない。
そうなると本数を増やす必要があるんだけど、今はクローバー、アザレア、ラナンキュラスの3体を操作しているので、放てる糸は2本。

ロックゴーレムが3本で縛れたから、できれば3本飛ばしたかったんだけど、アザレアとラナンキュラスは攻撃のために必要だし、クローバーはいつダメージを受けるかわからないから繋いでおきたい。

人形の館(ドールハウス)を起点に出し入れしながら戦うのが正解かもしれないけど、その戦い方を思いついたのは今だから、上手く使える気がしない。
状況に合わせて使う人形を変えて、それ以外の糸で相手を縛ることができれば戦いが楽になるんだろうけど、今の僕にはできそうにない。

繰り糸(マリオネット)!ストーム!繰り糸(マリオネット)!」

アイテムバッグから石の右腕を取り出して糸を繋ぎ、ストームで牽制しながら糸を放つ。
この間にもしのぶさんとミヤビちゃんが攻撃をしてくれているんだけど、相手が硬すぎるせいでダメージがほとんど入っていない。
まだ6割以上残ってる。

「な?!」

石の右腕から放たれた3本の糸は、ストームを受けたリトルアイアンゴーレムに向かって伸びていった。
だけど、糸が当たる直前、リトルアイアンゴーレムが腕を振って尖った指で切り裂いた。

以前ロックゴーレムが糸を殴って鉄の腕を逸らしたから、物理攻撃の影響を受けるのはわかっていたけど、うららさんの糸と同じように切れるとは思っていなかった。
せいぜい、弾かれる程度だと思っていたんだけど。

「オキナさん!私が盾で押さえ込みます!その隙に糸を!」
「わかった!お願い!」

ミヤビちゃんが盾を構えながらリトルアイアンゴーレムに向けて走り出した。
しのぶさんはそれを援護するためにミヤビちゃんより早くリトルアイアンゴーレムに接近して攻撃を加える。

「えいっ!今です!」

しのぶさんの攻撃を受けながら反撃もしてくるリトルアイアンゴーレムに、ミヤビちゃんの盾がぶつかり鈍い音が響く。
ぶつかった勢いをそのままに相手を全身で押さえ込むミヤビちゃん。
リトルアイアンゴーレムよりミヤビちゃんの方が大きいからできるけど、これがアイアンゴーレムだったら無理だね。

繰り糸(マリオネット)!」

押さえ込まれたリトルアイアンゴーレムに向けて、再度糸を3本飛ばす。
放ってから気づいたんだけど、押さえ込まれているのは体なので、腕は多少動く。
このままだとまた切られる可能性があったんだけど、それに気づいたしのぶさんが腕を踏んで援護してくれた。

しのぶさんのおかげで3本の糸は問題なくリトルアイアンゴーレムにくっ付いた。
光が徐々に体を覆っていったんだけど、いつもより遅かった。
そこに疑問を抱いた瞬間、糸が千切れた。
まだ本数が足りないようだ。

「ミヤビちゃん!まだ大丈夫!?」
「はい!まだ!大丈夫です!」
「わかった!すぐに準備するよ!……繰り糸(マリオネット)繰り糸(マリオネット)!」

追加でアイテムバッグから石の右腕を取り出して糸を繋ぎ、2本の石の右腕から合計6本の糸を放つと同時にマナポーションを飲む。
今はリトルアイアンゴーレムを縛ることを優先した。
何本必要なのかはおいおい確かめるよ。

「よし!もう押さえ込まなくても大丈夫だよ!」
「わかりました!」
「ふぅ……。こうなったらあとは倒すだけですね」
「そうですね」

6本の糸はリトルアイアンゴーレムにくっ付くと、千切れることなく光が体を覆った。
ミヤビちゃんが押さえ込みを解いたので、リトルアイアンゴーレムを立ち上がらせて飛び跳ねさせたり、何もないところに向けてパンチやキックをさせた。

「それじゃあ、貫通攻撃をしてみようか」
「はい!螺旋槍!」

ミヤビちゃんが棒立ちになったリトルアイアンゴーレムに貫通攻撃を放つ。
確かめたいことがあってラナンキュラスにも普通に攻撃させた。

その結果、繰り糸(マリオネット)で操作中のモンスターに貫通攻撃が有効だということがわかった。
ラナンキュラスの攻撃はほとんどダメージがなかったのに対して、ミヤビちゃんの螺旋槍は4割減らしていた。

たぶん、糸で操られている時の光が防御力アップの役割があって、通常攻撃や魔法攻撃に強くなっているんだろうけど、貫通攻撃には効果がないんだと思う。
源さんとロックゴーレムの大群と戦った時に、しのぶさんが操っているロックゴーレムに攻撃をしていたけど、ダメージが少なかった。

今回、貫通攻撃が有効だとわかってよかったけど、貫通攻撃のダメージも少なくなっていたらチマチマと削るしかないし、今後の戦い方を考えないといけないところだった。

「螺旋槍!」

スキル後の硬直が解けたミヤビちゃんがもう1度スキルを使ってリトルアイアンゴーレムを倒した。
ラナンキュラスの機巧(ギミック)で倒してもよかったんだけど、そろそろMPが危ないので任せた。

「何とかなりましたね」
「そうですね。ただ、真ん中の通路を進んだ先にリトルアイアンゴーレムがいるとしたら、今の装備では厳しいです。せめて忍刀(しのびがたな)が欲しいです」
「私も螺旋槍を当てるために工夫しないとダメです」
「私は……もう少しいい糸を作れるようにならないとダメですね。レベルを上げれば糸紡ぎで鉱石から糸を作れるようになるらしいので」
「僕も色々とレベルを上げる必要があります」

スキルのレベルもそうだけど、僕自身のレベルもね。
できればもう少し糸の数を増やしたい。

「とりあえずこの先に行くのは止めましょう」
「そうですね。私も1人で索敵しますと言えません。見つかったら負けると思います」
「そうですね。ロックゴーレムでレベル上げをしましょう」
「それがいいと思います。ロックゴーレムであれば私の糸も多少は通じます」

全員の意見が一致したので、段になっている空間に戻ることにした。
リトルアイアンゴーレムがいるということは、真ん中の通路の先にはリトルじゃないアイアンゴーレムがいる可能性もある。

もしいたとしたら鉄の守護者のような鉱石が寄り集まった形じゃなくて、リトルアイアンゴーレムのように整えられていそうだ。
となると、鉄の守護者より強いと思う。
少なくとも速くはなっていて、可動域も広いはずだ。

リトルアイアンゴーレムに苦戦する今の僕たちでは勝てない。
まずは勝てるモンスターを倒してレベルを上げよう。
+注意+
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