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World Wide Wonderland –人形使いのVRMMO冒険記– 作者:星砂糖

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小さな鉄人

石の右腕を駆使しながら、残りのロックゴーレム10体も何とか倒すことができた。
やっぱり一度にたくさんのモンスターと戦うと、どうしても攻撃を受けてしまう。

しのぶさんが殴られた時はHPが1/3になり、ミヤビちゃんの時は3/4だった。
装備とステータスの差だね。

僕とうららさんは攻撃を受けた時点で終わりだと思ったので、できるだけ離れて糸を放った。
僕の場合はアザレアを出したことで、ラナンキュラス以外の攻撃ができるから、いい援護ができたと思う。

ワラワラと現れるリトルロックゴーレムからは、手に持った石を投げられたりしてダメージを受けたけど、そこまで強くなかったのでタイミングを見計らって回復した。
石を投げ終わったリトルロックゴーレムは接近戦をするしかないので、うららさんの糸で簡単に縛ることができる。

縛られたリトルロックゴーレムは、隙を見てうららさん以外で倒した。
と言っても基本的にしのぶさんが距離を取るついでに倒したんだけどね。

全部でロックゴーレム10体、リトルロックゴーレム47体だった。
この戦闘で僕以外のみんながレベルアップしたんだけど、ミヤビちゃんが16、しのぶさんが17、うららさんは14になった。
☆の数が多いと上がりにくいとはいえ、生産職のうららさんより低かった。

ちなみにアイテムを作成しても経験値がもらえるので、生産職は基本的に戦わずにレベルを上げているんだけど、うららさんはミヤビちゃんと一緒に戦って上げていたらしい。

「あと1つで新スキルです」
「15でスキルが増えるんですか?」

10でスキルスロット、15でスキルが増えるということは20でも何かあるのかな。
レベル5の時は何もなかったから、必ず5刻みじゃないかもしれないけど。

「はい。裁縫師は『はさみ術』という裁断スキルのはさみ特化版です」
「はさみ術……。ちなみに既に裁断スキルを取っていたらどうなるんですか?」

特化版だから互いに干渉しないのかな。
はさみを使っている時ははさみ術で、裁断機みたいなものを使っている場合は裁断スキルとか。
あるいははさみ術が裁断スキルによって強化されるのかもしれない。

「相乗効果とは言いませんが、両方持っているとはさみ術が強化されます。ただ、裁断スキルがあれば布が切りやすいんですけど、最初のうちは特に必要ではないので取ってない裁縫師が多いですね。と言うよりも、今の素材で裁断スキルが必要になる物がないので取る必要がありません」
「なるほど」

それでも強化されるという情報が出回っているのは実際に取った人がいるわけだ。
裁断スキル必要になる素材を手に入れたのか、裁縫師だから取得したのか、興味本位で取得したのかはわからないけどね。
他にもこういった強化されるスキルはありそうだから、そこからヒントを得て取得したのかもしれない。

「次は予定通り左の道でいいですか?」
「はい。さすがにフルレイドボスとは戦いたくないです」
「今の私たちでは勝てません」
「もっと強くなってからですね」

ミヤビちゃんとうららさんにロックゴーレムの説明をする時に、地底湖とフルレイドボスの首長竜のことも話している。
当然だけど、誰もフルレイドボスと1パーティで戦いたいとは言わなかった。

なので、源さんと来た時に見つけて行かなかった左側の道を進むことになる。
道の先には空間があって、そこにリトルロックゴーレムとロックゴーレムがいたことは覚えている。
今の僕たちなら大丈夫だと思うけど、問題はモンスターの数だ。

「道がいくつかありますが、特に変わった所は無いです!」
「そうですね。リトルロックゴーレムが5体と、ロックゴーレムが3体なら一度に戦っても大丈夫ですよね?」
「はい。私がリトルロックゴーレムの動きを封じます。その間にロックゴーレムをお願いします」
「さっきと同じ戦法ですね。ミヤビちゃんも準備はいい?」
「はい!大丈夫です!」
「では、行きましょう!」

通路を進み、空間に出る手前の壁際から覗くとリトルロックゴーレムとロックゴーレムがいたんだけど、特に採掘をしているわけでもなく、ウロウロしているだけだった。
数もそこまで多く無いので、さっきと同じように戦うことにした。

ロックゴーレム3体なら1体をミヤビちゃんとしのぶさん。
もう1体を縛っている間にラナンキュラスで倒せる。
リトルロックゴーレムはうららさんが糸で縛って転がしてくれるはずなので、隙を見て誰かが倒せばいい。

ということで戦ったんだけど、想定通り苦戦することなく勝つことができた。
しのぶさんも余裕があったのか、攻撃をギリギリで避たり、攻撃後の硬直した体を駆け上がる練習をしていた。
ゴーレムの腕を利用した三角飛びからの苦無を突き刺した動きは、芸術だったね。

ミヤビちゃんも同じくロックゴーレム相手に立ち回りの練習をしていて、シロツキに掴まれて空を飛びながら突いたり、肩に運んでもらって頭を横から突いたりしていた。
最後にはシロツキとトバリを交互に足場にしてロックゴーレムの上半身を螺旋槍で突くという戦い方を編み出した。
スキル使用後の硬直は、足場となったシロツキ達が飛んでいることで、攻撃即離脱ができていた。

うららさんはリトルロックゴーレムを縛ったらやることがなくなったのか、縛った糸に更に糸を繋いで振り回し、地面や壁にリトルロックゴーレムを叩きつけて倒していた。
僕がブラウンラビットを振り回して倒していたのはこんな風に見えるんだね。
ちょっと攻撃的すぎるというか、インパクトのある戦い方だ。
止めるつもりはないけど。

「この後はどうしますか?」
「そうですね……。とりあえず通路を覗いてみましょうか」
「わかりました」

周りには通路が3つあった。
遠くから見ただけだとどれも同じに見えるので、入り口から近い順に回ることにした。

1つ目の通路の先は採掘ポイントが2つあるだけの行き止まりだったので、全員で交代しながら掘った。
手に入るアイテムが石ころばかりなのは相変わらずだ。

「私には見えますけど、皆さんには暗くないですか?」
「はい。急に暗くなりました」

戻って2つ目の通路に入ると一気に暗くなった。
さっきまでの場所は洞窟なので薄暗かったけど、ランタンの光が無くても多少は見ることができたし、モンスターの動きもわかった。
原因は苔が薄っすらと光っているからだったんだけど、この先にはその苔がないみたいだ。

しのぶさんは『夜目』というスキルを持っていて、少ない光でも周囲を見ることができるらしい。
なので、この通路が遠くまで伸びていることと、その先が広場になっていることがわかるそうだ。

ミヤビちゃんは暗くて怖いのか、無言でうららさんの服を握っていた。
それを優しく解き、手を握るうららさん。
それで落ち着いたのか、ミヤビちゃんの緊張が解けたみたいだ。
さすが姉妹だね。

「とりあえずここは後回しにしましょう」
「わかりました。では、残りの通路に行きましょう」

ミヤビちゃんの様子もあるので、しのぶさんに伝えて一度戻り3つ目の通路を探索することにしたんだけど、ここも暗かった。

「この先は行き止まりになっているように見えます。すぐ済むので待っていてください」
「えっと、お願いします」
「では、行ってきます」

まだしのぶさん1人に探索を任せるのは少し抵抗があるけど、行き止まりになっているならすぐに駆けつけられるから大丈夫だと思う。
うららさんが予備のランタンを取り出して火をつけているので、それが終われば僕たちも入れる。

「モンスターがいました!1体だけです!来ます!」
「わかりました!」

しのぶさんが通路から出て来ながら伝えてきたので、僕は急いでラナンキュラスをうららさんの近くに移動させ、ミヤビちゃんが僕の前で槍と盾を構える。
しのぶさんはミヤビちゃんの横に少し距離をとって苦無を逆手に持ち、いつでも飛び出せる体勢で構える。

5秒ほど待つと通路からモンスターが出てきたんだけど、黒いリトルロックゴーレムだった。
ただ、不揃いな石を組み合わせたリトルロックゴーレムと違って、角を削ったりしたのか、ある程度同じ形の石を組み合わせたみたいで、しっかりとした作りだ。

「行きます!」
「やぁ!」

しのぶさんが飛び出して苦無を叩きつけ、それに合わせてミヤビちゃんが槍を突き出す。
黒いリトルロックゴーレムはその勢いで吹っ飛んだんだけど、HPは1割も減っていなかった。

「気をつけてください!硬いです!」

苦無や槍が当たった時の音はアイアンゴーレムに攻撃した時と同じだった。
もしかして、このモンスターの体は鉄でできているのかな。

「鑑定しました!リトルアイアンゴーレムです!」

予想通りだった。
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