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World Wide Wonderland –人形使いのVRMMO冒険記– 作者:星砂糖

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とりあえず慣れた場所へ

警戒しつつヌシ釣りの森へと向かう道中、パラライスピアビーとパラライソードビーの混成部隊?と遭遇した。
それぞれ8匹ずついたので、全員が切られたり突かれたんだけど、誰も麻痺しなかった。
倒したことで見れる情報が増えたうららさんによると、お尻の針を刺さない限り麻痺しないらしい。

剣と槍で攻撃してきているせいで、痺れさせることができないのなら宝の持ち腐れじゃないかな。
一応連携攻撃の最中に突き刺して来るらしんだけど、それよりも追い詰めたことでの捨て身の攻撃で使うことの方が多いらしい。
理由はそこまで体力がないせいで、すぐに追い詰められるという悲しい理由だ。

他にもクローククロウ4羽と3回戦ったけど、このぐらいの数なら繰り糸(マリオネット)で縛る必要もなく簡単に倒せた。
しのぶさんが木を蹴って飛び回り、クローククロウの羽を傷つけたおかげで飛べなくなったのが原因だ。

戦いが終わったあとは繰り糸(マリオネット)が人形の操作だけではなく、モンスターを縛ったり移動にも使えたりと結構万能なので、全員で他に何ができるか考えるという雑談をしたんだけど、特にいい案が思いつかなかった。

唯一使えそうなのは、糸でモンスターの首を絞めたりする暗殺技っぽい物と、関節部分に引っ掛けて動きを制限する物なんだけど、木に試してみたら僕よりうららさんの方が向いていた。
できなくはなかったけど、僕の場合は糸を引っ掛けるより直接繋いだ方が早い。
もちろん糸が繋がらないモンスターもいるんだけど、そんなモンスターが相手なら引っかかることなく千切られると思う。

あと、糸使いの操糸(そうし)スキルで実際に首を絞める技があるらしい。
まさに仕事人。

うららさんのスキルはあくまで縫うことに特化しているので、今の所相手を縛る技はあっても、倒す技がないらしい。
だから僕の戦い方を参考にして、縛ったあと振り回すことになったんだね。

「それで、この後どうしますか?」
「魔法使いもしたいですけど、レベル上げもしたいです!」
「そうなると魔法が無くても戦いやすい相手の方がいいですよね。うーん。といっても知ってる場所が少ないんですよね」

東の森方面を除くと北の鉄鉱山と内部のゴーレム坑道にその先の森、西の海岸ぐらいだ。
聞けば他の全員も同じらしく、うららさんに至ってはゴーレム坑道に入ったこともない。

魔法を使うモンスターが多いため西に行くのは無しになり、南は船の手配ができないので諦めることになった。
というわけで北に向かうことになったんだけど、森はベタベタになるのが嫌なミヤビちゃんが却下した。
ミヤビちゃんが陥った状態を聞いたしのぶさんとうららさんが一瞬で納得したので、残ったゴーレム坑道に向かうことになった。

ゴーレム坑道の説明をしたんだけど、しのぶさんの火力不足とうららさんの糸が刺さらないことが問題になった。
話し合いの結果、うららさんは糸紡ぎというスキルで頑丈な糸を作り、それでロックゴーレム達の行動を邪魔することになった。
糸紡ぎは素材から糸を作るスキルなんだけど、自分で作った糸に限り組み合わせることがdrきるらしい。
毒持ちのモンスターから糸を作れば毒の糸が作れるらしいんだけど、今のスキルレベルではまだできないとも言われた。
うららさんの糸なら状態異常にできるんだ。

岩に針が刺さらない可能性については、硬い物を縫う用のスキルでどうにかするそうだ。
ただ、それは対モンスター用じゃないので、地面と壁で糸を張ることになった。
場所を選んで張らないと意味がなくなるね。

しのぶさんは速さを活かして囮になり、その間にミヤビちゃんとラナンキュラスの貫通攻撃でゴーレムを攻撃することになった。
ミヤビちゃんのスキル使用後の硬直状態は、アイアンゴーレムの時と同じようにシロツキが掴んで回避することになった。

「それじゃあ、街に寄ってクエストを見て、消耗品を補充してからいきましょうか」
「わかりました」
「はい!」
「了解です!」

うららさんの提案で消耗品を補充することになった。
道具の精算についてはイベント後に行うことになっていて、購入したアイテムの数と金額、使った数はうららさんがメモ帳に書き込んでいた。
羽ペンで。

羽ペンは一緒に買ったインク瓶から自動的にインクを消費して、いちいち付けることがなくていいように作られていた。
もちろん、その機能がないバージョンもあって、そっちの方が1/10の値段らしい。
自動補充される羽ペンは魔道具で、作った魔道具職人が売り出したことでメルカトリア人の中で密かにブームになっているらしい。
他にも便利グッズ(・・・・・)を色々作ってお金を稼いでいるらしいんだけど、僕は作られた物より作った本人に興味がある。
人形用の魔道具を作ってくれないかな。

そういえばきの子さんから木材についての連絡が来ていなかったので、ヌシ釣りの森を通る際に木工所に寄ってみた。
軽く見渡してみてもきの子さんは居らず、別の人が木工所の近くにあるベンチに座っていただけだった。
フレンドメニューを開いてきの子さんの状態を確認してみたらログインしていなかった。

「もしかしてオキナさんか?」
「はい。そうですけど、どちら様でしょうか?」
「あー。俺は座敷童子(ざしきわらし)だ。きの子から木材を渡してくれと頼まれたんだ」

座敷童子って名前なのはわかるんだけど、妖怪の方のイメージが強すぎて変な感じがする。
座敷童子に自己紹介されるってことは「この家に住まわせてください!迷惑はかけませんし、幸せにしますから!」ってことだよね。
想像したら笑いそうになるから話を進めよう。

「そうなんですか。きの子さんはどうしたんですか?」
「脳波検知によ強制ログアウトくらったんだ。ログアウトまで30秒あったから加工した木材を俺が受け取ったというわけさ」
「え?何ですかそれ?」
「身体の内部に異常が見つかった系の強制ログアウトだ。きの子は寝ずにずっとプレイしていたからそれが原因だろう」
「そ、そうですか……」

きの子さん、もしかして3日間徹夜したのかな。
さすがにそれをしたら強制ログアウトになるよ。

「他にも何人かが強制ログアウトしてるみたいだな。さて、それじゃあ取引を申請してくれ」
「わかりました」

座敷童子さんとの取引で木材を85個受け取った。

「お詫びはきの子から直接受け取ってくれ。ログインしたらメッセージを送るそうだ」
「そうですか。ありがとうございます」
「おう。じゃあ頑張れよ!」

お詫びをもらわないといけないほど急いでいたわけではないけど、断るのも失礼だしね。
気になったらラナンキュラスの駆け抜ける翼(ヴァルキリーウィング)で木を切って渡せば互いにいい感じになると思う。

「お待たせしました」
「きの子さんはいませんでしたが、受け取れたんですか?」
「強制ログアウトを受けたみたいです」
「あぁ〜。なるほど、あり得ます」

戻るとしのぶさんにきの子さんのことを聞かれたので答えた。
そこからは強制ログアウトについて色々話しながら街へ向かう。

道中のブラウンラビット達はシロツキとトバリが見つけ次第倒したので、僕たちが戦うことはなかった。
シロツキ達は森から出て自由に飛べることに喜んでいたみたいで、いつもよりアクロバティックな飛行を見せてくれた。

街に戻ると最初に冒険者協会に向かい全員で魔力水を煽る。
その後クエストを見たけど、やっぱりロックゴーレムや地底湖のモンスターを討伐するクエストはなかった。
だけど、鉄鉱石の納品クエストが結構あったので、要求数が少ない物を中心に少しだけクリアして3000ゴールド稼いだ。
稼いだお金は全部マナポーションになったけどね。

ポーションやマナポーション、他にもいろいろな雑貨を買ったけど、【雑貨屋グスタフ】ほどインパクトのある店員はいなかった。
あえて上げるとすればプレイヤーがやってる店で、少しファンシーすぎたぐらいかな。

そのお店で売ってるものは、爆薬とか毒薬とかそういう物騒な物で、可愛くラッピングされていたり、ケースのデザインに凝ってるのが印象的だった。
店主は箱や瓶を作っているだけで、中身は別の人が担当らしい。
売れれば何でもいいという人と、売るためにはデザインにこだわるべきという人が組んだ結果だそうだ。

ぱっと見はおしゃれな香水に見える毒薬、オルゴールのような箱に入っておる小型爆弾、飴玉のような痺れ薬、鉄でできたロリポップなど、置いている物のデザインはよくわからないけど、ロリポップが人形に持たせやすそうなサイズだったので一応2つ購入した。
しのぶさんも色々買い込んでたけど、殆どが毒薬系だった。

全員でお店を回った後は、北門から出て鉄鉱山を目指した。
その間のブラウンラビット狩りはシロツキ達が張り切ってやってくれた。

またもや僕たちが戦うことなく北の鉄鉱山についたんだけど、ゴーレム坑道に入るためのトンネルは異様な光景だった。
右側にアイアンゴーレムと戦うための列があり、左側が戦わない人用の通路になっていた。
なぜ分かったかというと、トンネル入り口の上に説明用の看板が付けられていたからだ。
ご丁寧にトンネルの中央にはロープまで貼られている。

「まさかたった半日でここまで変わるとは思ってなかったよ」
「これは予想外です」
「人が多いです」
「あらあら。大丈夫大丈夫」

アイアンゴーレムの列はトンネルの外まで伸びていたけど、戦わない人用の通路は空いていた。
と言っても人がいないわけではないので、北の森に行くために使ってる人もいるのかもしれない。
全員が鉄鉱石やロックゴーレム目当てだとは思えないからね。

ミヤビちゃんは人の多さに少し緊張したみたいだけど、うららさんが頭を撫でたら落ち着いたようだ。
僕も武器を持った人達が綺麗に2列で並んでる姿は、少し怖い。

「それじゃあ行きましょう」
「はい」

東の森と同じように、しのぶさんの先導でトンネルに入った。
きの子さんは睡眠欲求によって、意識が途切れ途切れになったため、強制ログアウトがかかりました。

強制ログアウトは連続プレイ時間より、体の発する信号で判断します。
でないと、お風呂や食事で1、2時間ログアウトしたことが休憩とみなされてしまう可能性があるからです。(休憩といえば休憩ですが……)
+注意+
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