挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
World Wide Wonderland –人形使いのVRMMO冒険記– 作者:星砂糖

第1章 –World Wide(ログイン3日目)-

しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

151/257

もう一度東へ

ナックルと一緒にヌシ釣りの森へ戻ってきた。
パーティメンバーはミヤビちゃんとしのぶさんがログインしているけど、うららさんはまだだった。

「あ!オキナさん……と、テンペストバードの時の怖い人……」
「え?!俺って怖いの?!」
「まぁ、見た目と戦い方は怖いんじゃないかな」

僕を見つけたミヤビちゃんがしのぶさんと一緒に近づいてきたんだけど、ナックルに気づいた瞬間しのぶさんの後ろに隠れた。
見た目は荒くれ者のような服装だし、手にはトゲ付きのグローブ。
戦い方は趣味を活かしたボクシングだけど、相手に肉薄して全力で殴ってる姿は、なかなかの迫力だ。
ミヤビちゃんからすると怖いと感じても仕方ないぐらいには。

「ナックルさんといえば、マサちゃんのお兄さんですか?」
「ん?マサちゃん?あぁ、マサムネのことか。そうだけどマサムネの知り合い?」
「はい。忍者のしのぶです。マサちゃんと仲良くさせてもらってます」
「あー。忍者と知り合ったって言ってたけど、しのぶさんのことか。これからもマサムネをよろしく!」
「はい!」

ミヤビちゃんに怖い人と言われて少し落ち込んでいるナックルにしのぶさんが声をかけると、ナックルは即座に復活して話し始めた。
しのぶさんはマサムネちゃんと仲がいいから、ナックルの話しを聞いていたんだろうね。
2人は掲示板でも有名みたいだから、それもあるんだと思う。

「それじゃあ俺はパーティを抜けるな」
「うん。ナックルはこれからどうするの?」
「んー。鬼のレベル上げだな。とりあえずこの辺か北でやるつもりだ」
「そっか。じゃあ、また何かあったら連絡してよ」
「おう。オキナも頑張れよ!」

ナックルがパーティから抜けて森へ向かいながら、鬼を召喚していく。
赤鬼さんを含め工房で召喚したモンスターを全員出してるんだけど、その姿はモンスターの親玉に見える。
しのぶさんの影に隠れていたミヤビちゃんが「さらに怖くなってます」と呟いた気持ちがわかる。
あの小鬼も赤鬼さんみたいになるとしたら、鬼を統べる魔王みたいになりそうだ。

マサムネちゃんが桃太郎のようにモンスターをテイムしているのは、ナックルを意識してのことなのかな。
ナックルとマサムネちゃんが戦ってる姿は、側から見ると鬼ヶ島の戦いに見えるかもしれない。
もしもこの組み合わせで戦うことがあったら、是非見てみたい。

「あら?私が最後でしたか。お待たせして申し訳ありません」
「いえいえ。特に時間を決めていたわけではないので問題ないですよ」
「ありがとうございます」

ナックルを見送って少しするとうららさんが現れた。
特に時間を決めていたわけじゃないから気にしなくてもいいと思うけど、自分が集まりの最後だったら謝っちゃうよね。

「あの、オキナさん。さっきのナックルさんはどうしてパーティの入ってたんですか?」
「職業クエストを手伝ってもらってたんだ。工房に10人連れていくっていうクエストだったんだけど、ナックルの召喚モンスターもカウントされたからクリアできたんだ。おかげで工房のレベルが上がって使える部屋が増えたんだ」
「ということは、客室が解放されたんですか?」

部屋が増えたということにうららさんが反応した。
設備を使った側からすると、早く使えるようになって欲しいんだろうけど、残念ながら違うんだよね。

「いえ、解放されたのはキッチンと食堂です」
「そうですか。ちなみに、次の職業クエストはどのようなものなのですか?」
「えっと、どう説明すればいいのかな……。まだ使ったことのないスキルを使ってモンスターを倒すクエスト……ですね。そのスキルは少し面倒そうなので、時間があるときにブラウンラビット相手にやりますよ」
「わかりました。何か手伝えることがあれば言ってください」
「はい。ありがとうございます」

このクエストに関して手伝ってもらえるとしたら、モンスターの動きを止めてもらうぐらいかな。
でも、これは僕でもできるからうららさんに何か頼むことはないと思うけど。

「あのー、オキナさん。キッチンと食堂が増えたということは、あの洋館で食事ができるようになったということですよね?」
「そうですね。食材を渡すと料理を作ってくれます。あと、食材にもよるみたいですけど、ステータスアップする料理も作れるらしいです」

しのぶさんからキッチンと食堂について質問されたので、ゼロスリーさんから聞いた内容を答えた。
ステータスアップする料理の食材については何が必要なのかはわからないから答えようがないんだけどね。

「ステータスアップというと高級料理ですね!それもすごいんですけど、オキナさんに頼んで洋館に連れて行ってもらえば、遠征中でもしっかりとした料理が食べれるということになりますよね?」
「そうなりますね。でも、アイテムバッグの中に入ってる料理は腐らないですよね?」

問題になるとすれば入れ方だ。
アイテムごとで判定されるから、スープ、パン、サラダ、メイン、デザート、ドリンクだと6マス使うことになる。
だから、遠くに行く場合使用するマスを減らすために同じ物を複数買うことになる。
それだと飽きそうだ。

お盆に乗せて入れれば1つと判定されるかもしれないけど、密封された容器じゃないとダメな可能性もある。
そうなると岡持ちみたいなものになるのかな。
僕は料理をしないから試す機会が無いんだけど、ゼロスリーさんに聞けばわかるかな。
覚えていたら聞いてみよう。

「そうですけど、新しく手に入れた食材をいち早く楽しめるんですよ!冒険する楽しみが増えるじゃないですか!美味しいものは正義です!」
「あぁ。それなら納得です」

新しい素材で美味しい料理が食べられるなら、その都度工房に行くのはアリだ。
それに、強いモンスターの素材とか、山奥にある珍しい食材からステータスアップする料理が作れるかもしれない。

そう考えると工房にキッチンがあって、ゼロスリーさんが料理をしてくれるのは凄いことだと思う。
ミヤビちゃんは、うららさんから貰った持ち運びできる調理器具を持ってるけど、それでも厨房にある設備と比べると全然違う。
作れる料理の種類が変わるから、それが原因でステータスアップ料理が作れなくなる可能性もあるかrsね。

「そういえば、皆さんはゼロワンさんのメイド服や、ゼロツーさんの執事服についてどう思いますか?」
「え?似合ってていいと思います」
「メイドさんと男装の麗人ですよね!すごく似合ってました!」
「特に変だとは思いませんでしたが、どうしました?」
「ゼロワンさん達は出会った時からあの格好だったんですけど、ナックルに僕の趣味かと言われたんです」
「オキナさんの趣味じゃ無いんですか?」
「え?!そう思われてたんですか?」
「はい。工房のために雇ったメルカトリア人ですよね?」

うららさんは僕の趣味だと思ってたらしい。
メルカトリア人を雇って、あの服を着せたという認識みたいだね。
メルカトリア人を雇えることすら知らなかったけど、説明されなければそう思われるのも仕方ないか。

「ゼロワンさん達は人形ですよ。自動人形(オートマタ)という、自立思考する人形です」
「自立思考する人形……もしかしてハピネスちゃんも動くんですか?!」
「ハピネス達は動かないね」
「残念です……」

しのぶさんはハピネス達が動く姿を見たかったらしい。
確かにゼロワンさん達だと、綺麗な人ぐらいの感覚しかないから、ハピネスサイズの人形が動いてる姿を見たいのはわかる。
自動人形(オートマタ)が作れるようになったら、ハピネスサイズで作ってみようかな。

「ゼロツーさんが人形ということは、オキナさんの命令を聞いて戦うんですか?」
「どうなんでしょうか。それについては話したことがないですね」
「そうですか。わかりました」

戦ってくれるとしたらパーティメンバーとして連れてきて欲しかったのかな。
あるいは、裁縫について聞きたいことがあったのかもしれない。
今度工房に行った時に聞いてみよう。

「それで、今からどうします?もう一度東へ行きますか?それとも、場所を変えますか?」
「できればもう一度東に進みたいですね。ワイルドベアの毛皮でオキナさんの防具を、クイーンパラライビーの甲殻でしのぶさんの防具を作れそうなんですけど、失敗する可能性があるのでもう少し素材が欲しいです」
「うーん。勝てるでしょうか?」
「ワイルドベアは囲めばなんとかなりそうですけど、クイーンパラライビーは難しくないですか?貫通攻撃をしても全然ダメージが入らなかったんです」
「クイーンパラライビーの甲殻には貫通無効があるみたいです。だから、甲殻以外に当てればいいはずですよ」
「なるほど。その効果を防具につけたいんですね」
「そうなります」

クイーンパラライビーにラナンキュラスの突き抜ける槍(ライトニングスピア)を使ってもダメージが入らなかったのはそういうことなのか。
ワイルドベアにもダメージが少なかったのは同じ理由なのかな。

「ワイルドベアも貫通無効なんですか?」
「ワイルドベアは体力上昇が付いてますね。なので、防御は貫通していたみたいですけど、体力が多くてダメージが少く見えたんだと思います」
「そうだったんですか。ということは、ワイルドベアには魔法で攻撃して、クイーンパラライビーは攻撃する場所を意識すればいいというわけですね?」
「そうなりますね」

ワイルドベアには体力上昇、クイーンパラライビーには貫通無効。
それを僕としのぶさんの防具にするのは賛成だ。
ちなみにミヤビちゃんの装備はうららさんには作れないから話に上がらなかった。

「ミヤビちゃんとしのぶさんはもう一度東でいいですか?」
「はい!大丈夫です!」
「私もです!防具を作る素材集め頑張ります!」

ミヤビちゃんとしのぶさんはやる気満々だった。
今度は逃げることなくワイルドベアを倒したいな。
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ