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World Wide Wonderland –人形使いのVRMMO冒険記– 作者:星砂糖

第1章 –World Wide(ログイン3日目)-

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蜂VS熊VS人間

「はにぃぃぃぃぃぃ!!!」

ワイルドベア寄りのハニーベアが、野太い大きな声で鳴いた。
僕達と戦闘状態じゃないので残りHPは見えない。
けど、結構な数のパラライビーに襲われてるから、だいぶ減ってる気がする。
そうなると、今の叫び声は親を呼ぶためのものかもしれない。

テディベアサイズのハニーベアを守りながら戦っているワイルドベアは、その鳴き声に反応しなかったので、別のワイルドベアが来るんだと思う。
正直、これ以上熊は増えてほしくないんだけど。

「グルァ!」
「はにぃ」

周囲にパラライビーが居ないにも関わらず、ワイルドベアが威嚇のするような声で鳴くと、木に隠れていたハニーベアが頷きながら鳴き返した。
そして、踵を返して元の道を進んでいく2頭。
よほど急ぎなのか、ワイルドベアの背中にハニーベアがしがみついていた。

「どうしたのでしょうか?」
「あのハニーベアが鳴いたことと関係がありそうですね」

ミヤビちゃんの疑問にしのぶさんが答える。
僕も同じ考えだ。
たぶん、この後やって来る親と仲が良くないとかそういうのだと思う。
あるいは、群のボスが来るから譲ったとか。

「今なら、簡単に倒せるんじゃないでしょうか?」
「確かに、熊の数が減った今ならパラライビーと一緒に倒せるかもしれませんけど、あとで親が来ますよ?」
「その時までにパラライビーとハニーベアを倒せていれば、数はこっちが有利ですよ?」
「確かにそうですけど……。ミヤビちゃんとうららさんはどう思いますか?」

しのぶさんは戦うのに乗り気みたいだ。
熊が1頭減っただけでも気持ちが楽になった。
思ったより熊と戦うというだけで、プレッシャーを感じてたみたいだ。

それに、パラライビーさえ倒せればなんとかなりそうなのはわかる。
アザレアでファイアストームを連発すれば倒しやすそうだし。
あとは多数決でどうなるかだけど……。

「私は戦ってもいいと思います」
「私も戦ってみてもいいと思います。数が減った今は戦うチャンスだと思います」

ミヤビちゃんとうららさんは賛成らしい。
これならワイルドベアを後ろから攻撃していても良かったんじゃないかと思うけど、あの時はしのぶさんがいなかったからね。
連携も兼ねて戦ってみよう。

「わかりました。やりましょう」
「ありがとうございます!」
「頑張ります!」
「私もです」

しのぶさんとミヤビちゃんのやる気がすごいんだけど、とりあえずどうやって攻めるかを早く決めよう。

「戦い方ですけど、僕がアザレアでファイアストームを放ちます。しのぶさんは火遁で援護してください」
「わかりました!」
「ミヤビちゃんはラナンキュラスと一緒にハニーベアを攻撃してくれるかな?」
「はい!」
「うららさんはミヤビちゃんの援護をしつつ、ファイアストームを受けていないパラライビーを縛っていってください」
「わかりました」
「準備しますね。魔法少女の杖(マジカルチェンジ)(ファイア)

ずっと繰り糸(マリオネット)を繋いだままのアザレアの杖を炎に変え、アザレアを振り回す。
ここからだとファイアストームがうまく当たりそうにないので、広場に向かって投げて、パラライビーの群れに向けてファイアストームを放つつもりだ。

「いきますよ!ストーム!」
「火遁・旋風!」
「シロツキちゃん!トバリちゃん!行きましょう!」
「きゅ!」
「キュー!」
「糸縛り!」

アザレアを投げたと同時にしのぶさんが飛び出した。
空中でファイアストームの位置を指定して発動すると、しのぶさんは水平方向に渦巻く火を吹いた。
ファイアストームでハニーベアの近くにいた塊を、火遁で少し離れていた集団を攻撃した。

その2つの炎を見たミヤビちゃんはシロツキ達と駆け出したので、ラナンキュラスに後を追わせる。
うららさんは炎を受けていないパラライビーに向かって糸を放っている。

「な?!」
「一撃で倒せてないです!」

炎が収まると、ハチミツに濡れたパラライビー達がいた。
どうやらハチミツを被ったことで、ダメージ軽減したらしい。
その分速度が遅くなってるけど、移動すればするほどハチミツが減っていって、元の速さに戻っていってる。

「ストーム!」
「火遁・旋風!」

追撃のファイアストームと火遁を放ったけど、ストームはハチミツを落とし切ったパラライビーに避けられたので、さっき当てた1/3程しか倒せなかった。
代わりにしのぶさんの火遁に巻き込まれたから、結果的に最初の攻撃を受けた殆どを倒せたけどね。

「うぁ!」
「これは、動き辛いです!」

ミヤビちゃんとうららさんが、広場に広がったハチミツに足を取られていた。
僕は森からアザレアを投げてファイアストームを放ち、しのぶさんも木を足場にしながら火遁を放っていたから地面のハチミツを踏むことがなかった。

だけど、ワイルドベア寄りのハニーベアに向かったミヤビちゃんと、ミヤビちゃんを援護するために広場に足を踏み入れたうららさんはハチミツを踏むしかなかった。
その結果、粘ついたハチミツに足を取られ、パラライビーに囲まれてしまう。

「ストーム!」

ミヤビちゃんとうららさんの間に炎の竜巻が発生させ、2人に向かったパラライビーにダメージを与える。
味方にダメージは入らないからできる戦法だ。

倒しきれなかった奴にはシロツキとトバリが、それぞれライトボールとダークボールを放ったり、ブレスを吐いて倒してくれた。
ボールはスカーフの効果だね。
アザレアみたいに詠唱必要ないみたいだけど、スカーフが仄かに光ってる間はもう一度使えないらしい。
光が収まるともう即座に放ってたから、この予想は合ってると思う。

「はにぃぃぃ!!」

ハニーベアもパラライビーの数が減ったからか、積極的に攻撃しはじめた。
今のところパラライビーしか攻撃していないけど、ハニーベアとは敵対関係になってるから、次は僕達なんだろうね。

「オキナさん!パラライビーが増えます!」

しのぶさんが叫ぶと同時に、木々の合間からパラライビーが20匹ほど出てきた。
もしかして、アイアンゴーレムの時のリトルロックゴーレムみたいに減ったら増えるのかな。
でも、今回はボスモンスターはいないし、ハニーベアはパラライビーと戦ってるから関係ないと思う。
そうなると、怪しいのは巣ぐらいだね。

「ボール!」

ファイアボールを巣に向けて撃つと周囲を飛んでいたパラライビーが間に入り、その身を呈して防いだ。
これは当たりかもしれない。

「ボール!ボール!ボール!ボール!ボール!」

ファイアボールを5連射すると、5匹のハチミツを纏ったパラライビーが防いだ。
ハチミツのせいでそこまでダメージはないし、飛んでハチミツを落とさないから、ずっと守るつもりなんだと思う。

「ストーム!ボール!」

動きが遅いからストームでまとめて倒せたんだけど、次のボールは別のパラライビーがハチミツを纏って防いだ。
こうなったら蜂の巣に直接ストームを当てるしかない。

「うぉぉぉ?!」
「オキナさん?!トバリちゃん!」

巣に近づくために広場を迂回して森の中を進むと、パラライビーの大群に襲われた。
いきなりのことで、ストームを放つ余裕もなかったけど、ミヤビちゃんの指示で飛んできたトバリのおかげで、少しダメージを受ける程度で済んだ。

パラライビーの大群は巣の近くまで行くと、こっちとハニーベアの2手に分かれて攻撃してきた。
ハニーベアの方は、いつの間にかシロツキに乗っていたミヤビちゃんが戦っていたんだけど、パラライビーが来ると戦い辛そうだ。
パラライビーも飛べるせいで、ミヤビちゃんを追うからね。

しのぶさんはパラライビーの対処、うららさんはパラライビーを縛りつつハニーベアも縛っていた。
けど、ハニーベアはすぐに糸を引きちぎってるから、あまり意味はなさそうだ。

「あぁ!ハニーベアがハチミツを食べて回復してます!」

パラライビーに追いかけられているミヤビちゃんが叫んだのでハニーベアを見ると、地面に落ちたハチミツを掬い取って食べていた。
ミヤビちゃんの言う通り、半分近くまで減っていたHPがほぼ満タンになっている。

増えるパラライビーと回復するハニーベア。
どちらかを一気に倒さないとジリ貧になりそうだ。

ファイアストームを当てるために、アザレアを振り回して巣の近くに投げてみたけど、パラライビーが糸に引っかかって軌道を変えてきた。
そこまでして巣を守るのか……。

こうなったらMPの消費度外視だ!

「ストーム!ストーム!ストーム!ストーム!」

ストームを少しずつズラして放つ。
ハチミツを纏っていても2発当てれば倒せるので、これで大体削れたはず。
あとは追加が来るまでに巣を破壊できれば!

「ストーム!ストーム!」
「火遁・旋風!」
「シロツキちゃん!トバリちゃん!ブレス!」
「皆さんファイトです!」

巣への道がひらけたので、しのぶさんとミヤビちゃんも巣に攻撃してくれた。
僕達の攻撃が当たると蜂の巣にもHPバーが表示され、それがガンガン削れていき、砕け散った。
1番ダメージを与えたのはシロツキとトバリのマーブルブレスだった。

蜂の巣が崩れたあと光になったので、あとは残ったパラライビーとハニーベアだけだと思ったら、大きな羽音が上から聞こえてきた。
見上げると3mぐらいあるパラライビーのようなものが居た。
この巣からハチミツを取る場合、武器を使わずに壊せば問題ありません。
家を壊されると誰だって怒りますよね。
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