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World Wide Wonderland –人形使いのVRMMO冒険記– 作者:星砂糖

第1章 –World Wide(ログイン3日目)-

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痺れたしのぶさん

ワイルドベアが通り過ぎてから1分程経った。
しのぶさんからの返事はなく、本人も戻ってきていない。
隠密行動中だから返事を書く余裕がないのかと考えていたら、僕のステータスプレートの下にあるしのぶさんのプレートの横に稲妻マークが出た。
HPも少し減ってる。

「しのぶさんが麻痺しました!」
「そうだね。急いで助けに行こう!」

ここまで来る途中で麻痺する攻撃をして来るのはパラライビーと痺れキノコだけだ。
蜂の巣に向かったしのぶさんだから、パラライビーに襲われて麻痺したんだと思う。
早く助けに行かないと、大量の蜂に群がられてやられてしまうかもしれない。

「ルート上にはワイルドベアがいます。迂回するにしても索敵なしで大丈夫でしょうか?」
「ワイルドベアと戦うのは大丈夫だと思います。ただ、その時間がもったいないですね。すぐに駆けつける方法があればいいんですけど……」

転移魔法とかないのかな。
あったとしても覚えられるかわからないけど。

しのぶさんが麻痺して直ぐに移動を開始したんだけど、ミニマップ上に表示されているしのぶさんが居る方向は、ハニーベアとワイルドベアが向かった方向と同じだ。
その前のワイルドなハニーベアを追いかけていったんだし、当然なんだけどね。

ワイルドベアとの戦闘だけど、強さはロックゴーレムぐらいだと思ってる。
ロックゴーレムはゴーレム坑道の先だし、ここもヌシ釣りの森の先だから、だいたい同じぐらいの強さじゃないと困る。

もちろん、それぞれに特性があるのはわかってる。
ロックゴーレムの方が防御力はありそうだし、ワイルドベアの方が攻撃力や速さは上だと思う。
それでも、糸で縛ることさえできれば、何とかなるはずだ。

「あの、シロツキちゃんを先行させましょうか?」
「え?ミヤビちゃんはそれで大丈夫なの?」
「はい。周囲の警戒はトバリちゃんがしてくれます。早く助けるためにシロツキちゃんに行ってもらいましょう」
「わかった。ミヤビちゃんにお願いするよ」
「はい!シロツキちゃん!頑張って!」
「きゅー!」

ミヤビちゃんがシロツキを掴み、上に放り投げるとそのまま空へと上がった。
そして、しのぶさんの居る方向に飛んで行った。

今もじわじわHPが減ってるしのぶさんだけど、シロツキが向かってくれるなら何とかなりそうだ。
まだ8割以上残ってるし、ミニマップ上にもアイコンが表示されたからね。

ミニマップの範囲外にパーティメンバーがいる場合、その方向の枠が光る。
ミニマップ内に仲間がいればアイコンが表示されるし、僕達と戦闘中のモンスターは赤い点で表示される。
今しのぶさんの近くにある赤い点は4つだ。
そのうちの1つがワイルド寄りのハニーベアじゃないことを祈ろう。

パーティを組んでいるとシロツキ達も表示されるから、その動きを追えばしのぶさんにどれだけ近づいてるのかはわかる。
僕達は200m程離れてるけど、シロツキはもう30mを切ってる。

「間に合いました!」
「そうだね。さすがシロツキ」
「シロツキちゃんが守ってくれるなら、ワイルドベアと戦う必要はないですよね?安全に近づきませんか。ミヤビちゃん、シロツキちゃんに運んでもらうこともできるよね?」
「うん。できるよお姉ちゃん」

シロツキの点がしのぶさんのアイコンに近づくと、4つの赤い点が消えた。
あとはしのぶさんの麻痺が解けるのが先か、僕達が合流するのが先かになった。

うららさんはワイルドベアとの戦闘に不安があるのか、あまり急ぎたくはないみたいだ。
しのぶさんのところにシロツキがいるとはいえ、ハニーベアやワイルドベアが近くにいるんだから急ぐべきだと思うけど、シロツキが運べるなら大丈夫かな。

「あ、しのぶさんからメッセージが届きました。麻痺も解けたみたいですね。内容は蜂の巣を見つけた後に戻ろうとしたら、パラライビーに襲われたみたいです。今は木の上で様子を見ているみたいですが、身動きが取りづらいそうです」

考えている間に麻痺が解けたみたいで、しのぶさんからメッセージが届いた。
内容は伝えた通りなんだけど、何で身動きが取れないんだろう。
パラライビーが多いのか、ハニーベアとワイルドベアが見えたからかな。

「そうですか。良かったです」
「しのぶさんは回復する余裕もあるみたいです。これならゆっくり近づいても大丈夫そうですね。メッセージも送っておきます」
「よろしくお願いします」

しのぶさんはポーションを飲んだのか、HPが全快した。
マップ上には赤い点がないし、回復する余裕があるなら無理して合流する必要はないと思う。
いざとなったらこっちに逃げてくるようにメッセージにも書いたからね。

「あ、しのぶさんです」
「皆さん申し訳ないです。ミヤビちゃん。、シロツキちゃんを送ってくれてありがとう」
「しのぶさんが無事で良かったです」
「はい。パーティなんですからお互い様ですよ」

しのぶさんのアイコンを目指して進んだので、無事合流することができた。
木の上から飛び降りてきたしのぶさんが謝ったあと、ミヤビちゃんにお礼を言った。
けど、僕達もしのぶさんの索敵に助けられているからお互い様だ。

ちなみにシロツキは木の上に止まったまま、さらに奥を警戒するように見ていた。
向いてる先に蜂の巣があるのか、あるいはモンスターがいるのかな。

「この先に蜂の巣がありますが、注意してください。パラライビーとハニーベアとワイルドベアが戦っています」
「蜂と熊が戦ってるんですか?」
「はい。あの成長したハニーベアが巣を壊してハチミツを食べ始めたら、パラライビーが大量に戻ってきたんです。私は離れていたんですけど、戻ってきたパラライビーと遭遇してやられたんです」
「なるほど。巣を壊されたから戻ってきたんでしょうか」
「そうみたいです。それで、これからどうしますか?蜂と熊の戦いに横から入りますか?あるいは撤退しますか?」
「うーん。ミヤビちゃんとうららさんはどう思いますか?僕はとりあえず様子を見てからで考えるべきだと思います」

モンスターがどれだけいるのかわからないけど、パラライビーとハニーベア達が戦っている横から入ると、同時に襲われる可能性が高い。
できればどちらかの決着がついてからにしたいけど、経験値を考えるなら戦ってもいいと思う。

「オキナさんに賛成です!」
「私も様子見をしてからでいいと思います。あまりにも数が多いなら逃げた方がいいかもしれませんけど」
「わかりました。まずは皆さんにも見てもらいましょう。こっちです」

僕達が様子見をすると決めると、しのぶさんが警戒しながら先導してくれた。
シロツキが見てる方向を大きく迂回する動きだ。
まっすぐ行くと戦ってるところに出てしまうのかもしれない。

「ここからなら安全だと思います」
「うわぁ……」
「たくさんいます」
「この数は予想外ですね……」

しのぶさんに連れられてきたのは、戦闘が行われている逆側だった。
蜂の巣は小さな広場にある大きな木に寄り添うように作られていて、その大きさは5m超えていた。

巣とは離れた木の陰には、テディベアサイズのハニーベアが隠れていて、そのハニーベアを守るようにワイルドベアが戦っている。
ハニーベアをチラチラと見ながら戦う余裕があるみたいだ。
もう一匹のワイルドベア寄りのハニーベアは、巣の近くで戦っているんだけど、こっちは劣勢だった。

それもそのはず、パラライビーは軽く数えただけでも50匹以上はいて、そのほとんどが巣の近くにいるハニーベアに向かっている。
パラライビー達は攻撃するたびに離れるので、ハニーベアが攻撃するのは攻撃されるタイミング以外だと自分から近づくしかない。
だけど、数の多さで攻撃密度を上げてるのか、そのチャンスがなさそうだ。

「今すぐ攻撃するのはなしですね」
「ですね」
「はい」
「これはちょっと無理です」

もう少し様子を見ることになった。
可能なら弱ったところで攻撃して、アイテムが欲しいな。
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