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World Wide Wonderland –人形使いのVRMMO冒険記– 作者:星砂糖

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生産職から見た工房の設備

全員で冒険するのは明日からにして、今日のところはうららさんに工房の設備を見せて解散することになった。
買い物は今日のうちにある程度揃えて、冒険しながら必要な量を決めていくらしい。
とりあえずある程度の量を買えばいいと思ったんだけど、そういうことじゃないみたいだ。

薬は回復役が見つかれば無駄になるかもしれないし、採取アイテムは一つでどれだけ使えるかもわかってなかった。
なので、いろんな採取をすることもやることの追加された。

薬も採取アイテムいつかは使うから、多めに買えばいいんじゃないかと言ったら、無駄遣いはダメだと怒られたから、買い物に関しては口を出さないことにしたよ。
アイテムバッグのおかげで荷物持ちは不要になるから買い物は楽かもしれないけど、少しでも安いものを探しそうな気がする。

ちなみに、うららさんは贔屓にしている店があるそうで、そこで大量購入すれば割り引いてくれるようになったらしい。
僕だとあのおじさんの店になるのかな。
見た目は割り引いてくれそうにないけど、色々よくしてくれる人だから、今後もあのお店で買うつもりだったから楽しみだ。

「それでは、ご案内いたします」

会話がひと段落したところで、ゼロツーさんに声をかけられた。
方針が決まってからハピネス達の話や、竜騎士団の話、忍者の職業クエストや生産職の話をして盛り上がってたんだけど、カップが空になるとそっと注いでくれてたんだけど、そのタイミングが絶妙過ぎてびっくりした。
何というか会話を壊さずにスッとしてくれるんだ。
ファミレスとかで水を注いでもらった時に頭を下げるんだけど、それを雰囲気だけでやんわりと断わられた感じだ。
気配を断ったりしてるのかもしれない。

「そういえば、入ってきたのはホールですけど帰るのはいつもの転移室でいいんですか?」
「はい。なので、工房にいる者に声をかけていただければ、私達がご案内いたします。今のゼロワンのように」
「わかりました。ちなみに客室が解放されるとそこで出入りできるようになりますか?」
「はい。その時は割り当てられた客室で出入りすることが可能ですが、現時点では工房エリアの転移室しか使用できないため、説明しませんでした」
「そうなんですね。解放された時にまた教えてください」
「承知しました」

工房エリアへの転移室に向かっていると帰り方が気になったので、ゼロツーさんに聞いてみた。
どうやら今の出口は工房エリアにある転移室になるらしいけど、客室が解放されたらそこで出入りできるようになるらしい。
そうなればいちいち工房に移動する必要は無くなるんだけど、客室解放のレベルがわからないから地道にやっていくしかない。

「それでは、こちらの転移陣にお乗りください」

ゼロツーさんに促されてうららさん達が転移陣に入っていく。
いつも転移する側だったから、転移する人を外から見るのは初めてなんだけど、どうやら体が転移陣の範囲に入ったら転移されるみたいだ。
これなら個人で移動できるから、使い勝手が良さそう。

「では、炉のある部屋にご案内いたします」
「あの、私は織り機を見たいのですが……」
「同じ部屋にありますので、問題ありません」
「そうなんですか。総合生産施設と同じですね」

炉のある部屋に織り機が置いてあることに違和感がないのは総合生産施設も同じだかららしい。
うららさんに詳しく聞いてみると、部屋をレンタルして使う場所で、部屋の中には様々な生産設備が置かれていて、パーティで使用することも可能。
各設備は隣り合っていても干渉はしないが、作成した物を不用意に近づけると場合によっては何かが起こることもあるみたいだ。

薬品を炉に近づけて爆発させたり、作った布を持ってウロウロしてたら、木工の刃物が当たって破けたりしてると掲示板に書かれていたそうだ。
うららさんは1人で作ってるので、特に何かが起きたことはないらしい。

「こちらになります」

工房の設備を口頭で説明しながら歩いていると、すぐに着いたので、早速中に入る。

「そこだ!いいぞ!筋がいい!」
「ありがとうございます。私は一通りの生産ができますので」

中に入るとメイド服を脱ぎ、耐火性の高そうな皮の前掛けを着て大きなハンマーを振り下ろすゼロワンさんと、しゃがみ込んで小さなハンマーを使って何かを叩いている源さんが炉の前にいた。
2人がかりで何かを作ってるみたいなんだけど、すごい光景だ。

「そうか!弟子に欲しいくらいだ!次は先端!」
「はい」

カンカンと叩く源さんと、ガンッと叩くゼロワンさん。
熱した鉄の形を大きく変えるのがゼロワンさんで、形を整えるのが原さんの役割みたいだ。

「すごいです……」
「ですね。あれはスキルを使ってないんでしょうか」

ミヤビちゃんは源さんを見て少し呆然としてる。
迫力があるからその気持ちはわかる。

しのぶさんはは少しそわそわしてる。
もしもスキルを使ってなければ刀を作ろうとしているかもしれないので、忍刀(しのびがたな)の依頼をしようとしていたしのぶさんにとっては気になることだ。

スキル名を言ってないから使ってないと思うけど、生産スキル特有の何かがあるかもしれない。
例えば剣術スキルを取るだけである程度剣を振れるようになるのと同じように、生産スキルでもハンマーを振る時に補助がある可能性もある。

あるいは、生産スキルは名前を言わなくてもスキルを使えるかもしれない。
裁縫をする時にいちいち縫い方を言うのは面倒だと思う。

「どうなんでしょう。うららさん。源さんはスキルを使ってますか?あれ?うららさん?」

それを確認するためにうららさんに声をかけたんだけど、一緒に入って着たはずなのに近くに居なかった。
周囲を見回すと、織り機の近くでゼロツーさんと話している姿が目に入った。
その手にはよくわからない棒状の物がいくつも握られていて、ゼロツーさんがその棒を説明しているようだ。

そういえば、ゼロツーさんは刺繍が趣味だとゼロワンさんに教えてもらったっけ。
だから、ゼロツーさんに裁縫関係のことを教えてもらってるのかもしれない。

「うららさん。どうでした?」
「はい。設備レベルが高いので、今の私にはほとんど使えません。ですが、とてもいい設備です」
「設備レベル?」
「はい。見習い、初級、中級、上級、匠級とあるんですけど、ここにある設備は全て上級です。と言っても、基本的に下位の設備に付け足して等級を上げるので、私でも使えるところはあります」
「なるほど」

付け足していくのなら、上級の中にある初級の設備を使えるってことになる。
うららさんのレベルがどの等級かわからいけど、使える設備で作ればいいだけだ。

「客室が解放さえたら自由に出入りできるようになりますけど、ここで生産しますか?」
「是非!是非お願いします!」
「わ、わかりました」
「ありがとうございます!」
「あと、源さんが生産スキルを使ってるかわかりますか?」

了承すると嬉しそうに笑ってお礼を言われた。
その後ゼロツーさんとの話に戻ろうとしたので、源さんについての質問をした。
答えてもらったら好きなだけ話してもらおう。

「パッと見た感じでは使ってませんね。生産スキルは補助の面が強いですが、精算時に使うスキルもあります。私だと縫い方などですね。それを使うと指定した部分を一気に縫えるので便利なんです」
「体が勝手に動くんですか?」
「そうですね。それも高速に動いてます。あの方は普通にハンマーを振り下ろしているのでスキルは使ってないはずです」
「そうですか。わかりました」

源さんがスキルを使っていなさそうだとわかると、しのぶさんが源さんの元へ走っていく。
その直後、源さんの手元がボンッと小さく爆発した。

「ぬぉ?!」
「あ……」

源さんは爆発の勢いで少し仰け反り、ゼロワンさんはハンマーを振り下ろそうとした体勢で固まっていた。
もしかしなくても生産に失敗したのかな。

「大丈夫ですか?!」
「おぉ、いつの間に来ていたんだ?まぁいい。ここの炉は儂が求めていたものより高性能だったぞ。だから、ゼロワンに頼んで使わせてもらったんだが失敗したわ。はっはっは!」

しのぶさんが慌てて駆け寄って声をかけると、源さんが僕たちに気づいたみたいで、炉のことを教えてくれた。
入り口に背中を向けていたから、僕たちが入って来たこと気づいてなかったようだ。

炉についてはうららさんより抽象的だったけど、だいたい同じことを言ってると思う。
源さんが求めいていたのが初級か中級だったら、高性能になる。

「ゼロワンからここに来る方法と、自由に出入りできるようにするための情報も聞いた。早く客室を解放してくれ。もしも、この炉を使わせてくれるのなら、できるだけ優先的に生産することを約束しよう」
「本当ですか?!オキナさん!私も協力するので早く客室を解放しましょう!」
「え?あ、はい。2人ともよろしくお願いします」

源さんはこの炉を使いたいみたいで、客室を解放したらここで生産してくれるらしい。
しかも、優先的に生産してくれるとも言ってくれた。

それを聞いたしのぶさんの勢いには驚いたけど、僕としても2人の断る必要はないからお願いした。
源さんには生産、しのぶさんには人集めか、その後の職業クエストを手伝ってもらおう。

結果的に、裁縫はうららさん。
鍛治は源さんがやってくれそうだから、客室を解放するために頑張りつつ、他の生産職の人も探していこう。
急ぐほどのことじゃないけど、できるだけ早いほうがいいと思う。
まぁ、探す方法がないんだけどね。
源さんみたいに素材採集をソロでしてる人はいないかな。
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