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World Wide Wonderland –人形使いのVRMMO冒険記– 作者:星砂糖

第1章 –World Wide(ログイン2日目)-

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岩トカゲと岩人形の関係

迫り来る岩トカゲを繰り糸(マリオネット)を有効活用して殲滅した後、MPポーションを2本飲んで6割回復させたので先に進もうと思う。
岩トカゲも2匹までなら怖くないし。

壁沿いに大きな岩に向かって進み、岩陰から地底湖の方を覗く。
結構距離があって、そこまでたどり着くまでに岩トカゲが十数匹いるんだけど、そのどれもが3匹の集まりだった。
この岩陰からまっすぐ行くのは難しいから、もう少し迂回しよう。

大きな岩を離れてさらに壁沿いに移動すると、壁にアザレア達なら通れるほどの穴が空いていた。
覗き込んで確認すると、数十mありそうな長く低いトンネルがあって、抜けた先の空間にボーッと立っているリトルロックゴーレムが見えた。
もしかするとこの先はロックゴーレムが岩を砕いた場所に繋がってるのかもしれない。

ロックゴーレム達が居た空間から右に進んで、トンネルを抜けた先で左にある亀裂を通った。
今は亀裂から左に進んでいて、この小さなトンネルがある壁は左に進んだ時からずっと左側にある。
地底湖が広すぎて正面に見えてる壁にはたどり着いてないからね。

アザレア達なら通れるんだろうけど、同期操作(シンクロアクション)を使って進み、この先を見たとしてもロックゴーレムがいるだけだろうし、人形一体で勝てる相手じゃないから見つかる危険を冒す必要はない。
ただ、ちょっとやってみたいことがある。

繰り糸(マリオネット)

トンネルを覗き込みながら腕を伸ばして糸を放つ。
結構な距離があるにもかかわらず、糸はどんどん伸びていき、トンネルの先にいたリトルロックゴーレムに当たった。
距離が測れないから感覚だけど、2、30mは伸びたと思う。

感覚的にはアザレアに魔法を放つ位置を指示した時と同じように、狙った場所にまっすぐ届いた感じがする。
スキルを見ても飛距離について書かれてなかったから気になってたんだけど、もしかしたら認識できる範囲ならどこまでも放てるのかもしれない。
直線に限るけど。

モンスターがいなければ地底湖の端から端でやってもいいかもしれないんだけど、放った糸を見られて襲われるのは嫌だ。

ハピネスに糸をつけて攻撃しても、狙われるのは糸の出元である僕だから、糸を放っただけでも狙われる可能性がある。
攻撃するつもりで使わないけど、投げた石が当たったら戦闘になるんだから、自分の近くを糸が通ったら攻撃されたと思われても仕方ない。
それに、糸が飛んできた方向に進めば僕がいることはすぐにバレるはずだから、そうなると大量の岩トカゲに襲われることになる。
亀裂の右側にいた岩トカゲ達が一斉に襲ってきたら絶対に対処できないから、少なくとも1人の時はやらない。

飛距離の実験は今度どこかでやるとして、今は繰り糸(マリオネット)が付いたリトルロックゴーレムをどうするかだけど、本当にどうしよう。
とりあえずトンネルに引き込んでこっち側に来させる。
トンネルの中にハピネスを突っ込ませれば簡単に倒せるんだろうけど、他のリトルロックゴーレムが来ないとも限らないし、狭いところで戦闘させたくない。
物量で押されたら詰まって動けなくなるかもしれないし。

「あ!」

結構な距離があるから勢いよく引っ張ったんだけど、強すぎたみたいでトンネルからすっぽ抜けた。
山なりとはいかないまでも斜めに飛んだリトルロックゴーレムは、岩トカゲ達が密集している場所に向かって飛んで行く。
このままだとリトルロックゴーレムから伸びる糸で僕の場所がバレてしまうので、糸を切断して様子を見ることにした。
もちろん、トンネルからは距離をとった。

「ギャ!」
「キシャー!!」
「ギャ!ギャ!」

リトルロックゴーレムが落ちてきたことで岩トカゲ達が興奮しだした。
落ちたリトルロックゴーレムは、わかりやすくオロオロしてる。
数の差もあるんだろうけど、完全に岩トカゲ達の方が力関係では上だ。

リトルロックゴーレムが威嚇する岩トカゲに対して自分から殴りかかった。
リトルロックゴーレムにとっての全力ダッシュをしたんだろうけど、岩トカゲにあっさりと押さえ込まれた。
そして、周囲を囲んでいた岩トカゲ達は、ジタバタしている手足めがけて口を開き、噛り付いた。

遠くにいるから音は聞こえないけど、さぞかしいい音を出して噛んでるんだと思う。
心なしか岩トカゲ達の肌艶が増したようにも見えるし。
もしかするとリトルロックゴーレムは岩トカゲにとってのご馳走なのかもしれない。
だとしたら落ちてきた時の興奮に納得できる。

リトルロックゴーレムからすると気付いたら岩トカゲの群れの中に放り込まれているので堪ったものじゃないと思う。
今もゆっくりと体を齧られていってるし、手足もないから動くこともできない。
少し可哀想だけど放り込んだのは僕だから、最後まで見届けようと思う。

齧られたことで体の面積が1/5ほど減り、残りHPが1割を切った瞬間、リトルロックゴーレムの体から茶色い光が溢れ出し、岩トカゲ達が離れ始める。
その光はリトルロックゴーレムの体を覆うと徐々に大きくなり、やがて体の倍近い球状になった。
光が膨張を止めると、リトルロックゴーレムの体にヒビが入り、そこから光の筋が何本も出てくる。
岩トカゲ達も離れてるし、どう見ても自爆する前兆だ。

岩トカゲ達が逃げ惑う中ひび割れた体からさらに光が溢れ出し、魔力を放出しているからか、体がカタカタと震えていた。
そして、光が弾けると同時に轟音が響き、リトルロックゴーレムの体が弾け飛んだ。

「ギャァ!」
「ギュァア!」
「ギュシュッ!」

リトルロックゴーレムの破片が岩トカゲ達に突き刺さり、HPが1/3ほど減っていた。
爆発を受けたにしてはダメージが少ない気がするけど、離れてたから破片がそこまで刺さらなかったんだと思う。
もう少し減っていたら注意を引いてアザレアのストームで一気に倒せそうなんだけど、リトルロックゴーレムの自爆から離れたせいで、注意を引いてもこっちに来るまでにバラバラになりそうだ。

ダメージを受けた岩トカゲ達と戦うなら、リトルロックゴーレムをもう1体放り込んで囮にして、それを攻撃している後ろからストームを放った方がいいかもしれない。

それをするにはリトルロックゴーレムが必要だから、トンネルに戻る必要があるんだけど、振り返った先には既にリトルロックゴーレムがいた。
それも10体以上。

トンネルから続々と出てきたリトルロックゴーレム達は、なぜか僕を無視して岩トカゲの方へ進んでいく。
岩トカゲ達も近づいて来るリトルロックゴーレムに気づき、半分がリトルロックゴーレムの方へ、もう半分が近場にいる岩トカゲの方へ向かって行った。
仲間を呼びに行ったみたいだ。

先行した岩トカゲはさっきまでの食事しながら遊んでいるような戦い方とは違い、噛みつきや前足での引っ掻き、尻尾を使った薙ぎ払いでリトルロックゴーレムと戦っている。
対するリトルロックゴーレムは殴るのが中心だけど、複数で押さえ込んで殴ったり、ゴツゴツした岩の皮を掴んで引き千切ったりしていた。

ここでストームを使うと一気に倒せるかもしれないけど、この数を相手にする勇気はない。
今も両者がどんどん増えてるし。

数が増えることで所々で爆発が起きるようになった。
その爆発は岩トカゲだけでなくリトルロックゴーレムも破壊していた。

しばらくの間岩と岩がぶつかり合う音や爆音が響き、時々岩トカゲの鳴き声が聞こえていたけど、5分程経つと急に静かになった。
戦闘が終わったみたいなんだけど、勝者は岩トカゲだった。

リトルロックゴーレムが爆発した影響で、地形が変わりつつも、その場で周囲を警戒するように辺りを見回している岩トカゲが3匹。
全員HPが3割を切っていたので、トドメを刺すために近づいていく。
周囲の岩トカゲ達はリトルロックゴーレムとの戦いでいなくなったから、この3匹を倒せば地底湖までの道が開ける。

「ストーム!」

3匹が密集していたのでストームを放つと、3匹まとめて倒すことができた。
これで地底湖を調べることができる。

それにしても、どうしてリトルロックゴーレムが岩トカゲに戦いを挑んだんだろう。
爆発を聞いて駆けつけたのかな。
僕が近くにいて無視されたのは、こっちから攻撃してないのもあるけど、敵討ちのような感じで、既に戦闘状態だったのかもしれない。
最初のリトルロックゴーレムは繰り糸(マリオネット)を使って引き寄せたから僕と戦闘状態だったはずだけど、途中から岩トカゲとの戦闘に変わったから、敵討ちが岩トカゲになるのは納得だ。

もしも、僕が自爆させていたらリトルロックゴーレム達に襲われるのは僕になるんだと思う。
自爆の条件はわからないけど。
岩トカゲは亀裂を通ってリトルロックゴーレムを捕食しに来ることがあります。
今回はオキナのせいで思いがけず乗り込むことになりましたが、本来であればロックゴーレムvs岩トカゲになります。
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