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あなたの声が聞きたいのに

作者: 空人

 前略

 ひぐらしの声に涼味を覚えるころとなりました。暑さに弱いあなたには過ごしやすい季節になってきた事でしょう。

 私としては、是非ともあなたの声をお聞きしながらお話したい所存ではあるのですが、あなたはいつも留守番機能にしていて、何度お電話しても連絡をとることが出来ず。また、失礼ながら電子メールにてこちらの要望を伝えようにも、返信されない上、すぐに着信を拒否なさる。

 このままでは如何ともしがたいと思い、こうして筆をとったしだいにございます。

 電話での通話が嫌いなあなたでも、こういった形式ならば興味を持っていただけると信じております。あなたは文章をお読みになる事がたいそうお好きなようですので。

 しかし、ご自分の興味のない事柄に関しては、時間を割くことの無いあなたのこと、この文章にもそろそろ飽きてきた事でしょう。だので、用件のみになってしまいますが、本題に移らさせていただきますことをご了承くださいませ。


 『わたしメリーさん。今、あなたの家の前に居るの……』


 こちらの手前勝手な様式美にお付き合いしていただくのは本当に心苦しいところではあるのですが、しばしの間お付き合い頂ければ幸いにございます。

 季節も変わり目に入ります。どうぞお身体にはお気をつけてお過ごし下さい。

 また、ご連絡差し上げます。



 メリーより               かしこ

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