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4-1 再びグラヴァスへ

 それから、俺達はランクルに乗り込み、ギルドへと向かった。

「そういうわけなんで、俺達は王都を目指すことになった」


 スクードに王都を目指す旨を伝えたら、

「そうか、王都に行くか。グラヴァスには立ち寄っていけよ。情報は仕入れていけ。聖魔法か。王都ギルドなら知っている人間もいるかもしれないな。王都マルシェでは充分に気をつけろ。グラヴァスにも、おかしな動きがあっただろう。王都はそいつらの総本山だからな。入る時もあまり目立たない方がいい」


 あっちゃ。やはり、車は使いにくいか。

「何かいい魔法みたいなものはないか?」


『そうだな。継続的に体力の回復を与えてくれる魔法がある。そいつはどうだ?』

「あ、それ。ありがたい。車を使えないなら是非とも欲しいな」


 俺は魔法を習いに行くので、山崎はまたマリエールに色々教えていた。合田は色々と会話に勤しんでいる。細かい情報収集に努めているようだ。あいつは元々語学も堪能なのだ。


 修練場にてギルマス自らに教わって、夕方までにはなんとか覚えられた格好だ。他の奴らは、この世界の武器の取り扱いを色々倣っていた。


 青山は高校時代に弓道部だったので、弓を熱心にいじっていた。武器弾薬は充分に持たせてあるが、それでも一応はという事らしい。


 他の奴は剣を試していた。皆、銃剣道はやってはいるが、この世界の剣はどうだろうか。剣道は、俺以外のメンバーは授業でやったレベルだ。一応複製品のミスリル素材に置換した日本刀は渡してあるが。


 一応、正さんのところへ寄って、すぐ帰る事にはならない事を伝えに行った。

「そうかい。その王都には、あまり伝は無いんだろう? 気をつけて行っておいでよ」


「ええ、一応ゴルディス家の屋敷もありますし、探索者ギルドとフォロニック神殿への紹介状もありますので」


 しばらくマサに行けなくなるかもしれないので、いろいろ物資の補給をしておいた。

 正さんの店で名残を惜しみ、痛飲した。しばらく、ここへは来られそうにない。


 俺達は、翌朝ヘリでグラヴァスへと飛んだ。幸いにして、今回はおかしな飛行魔物の襲撃は受けなかった。


 1時間15分ほどで、俺達はグラヴァスへと辿り着いた。街の門前に1度着陸して侵入許可をもらい、そのままゴルディス家の屋敷へと向かった。


 グラヴァスの町並みを下に眺めながら、ほどなくゴルディス家の中庭に到着した。すぐには降りずに、少し旋回して到着を知らせた。ヘリがくれば音ですぐわかる。エルシアちゃんが手を振っているのが見えた。


 頼んでおいたので、ここにヘリが引っ掛かるような物は何も無いのはわかっているが、ゆっくりと降下して着陸した。データのバックアップなどをしてヘリを収納する。


『お帰りー、みんな』

 エルシアちゃんが、喜色満面の笑顔で出迎えてくれた。まだ外出禁止なのかな?


『ただいま』

 これくらいは現地語で言えるさ。いつの間にか辺境伯も来てくれていた。


「御久しぶりです」

『うむ。よく帰ってきた。ここへ来たという事は、王都へ行くのじゃな』


「はい、一応ここのフォロニック神殿には寄る予定なのですが」


『では、紹介状を書いてやろう。王都の分もいろいろな』

「ありがとうございます」


 エルシアちゃんが俺の裾を引っ張って、

『もう、ずっと待っていたんだからね。あれから、まだ館から出られないのよ』


 そ、そうだったか。じゃあ、とりあえず、山崎先生のリボン工作教室からかな。


 大はしゃぎで騒ぐエルシアちゃんに引っ張られながら、俺達は客間に行き御土産を色々と広げた。今回は最初からエルシアちゃん用に色々仕入れてきたのだ。


 ジェルマン伯はもちろんの事、使用人や執事達にも色々土産は仕入れてきた。楽しんでもらえるといいのだが。


『いいなあ、王都に行くんだあ』

 エルシアちゃんは、かなり羨ましそうだ。


「あれから、何かわかりましたか?」


『うむ。あまりよくない話だな。今あちこちで邪神派の連中が暗躍しておる。その背景には、少数派となり美味しい思いの出来なくなったフォロニック派高位貴族達の問題があるのだろう。そやつらは、邪神、いやフォロニック神を主神に復活させる事ができれば、一気に逆転だからのう。だが、それが何故今なのか』


「それが、この前の襲撃犯だったと?」


『御主が見せてくれた例の写真とやら。あれに写っておったのは、その邪神派に与するものたちよ。だが、彼奴らもそのような動きを見せたのは最近の事。それまでは主神ファドニール派だったもの達じゃ。何かが彼らを邪神派へと走らせた。そして、あのような過激な行動に移させる。はっきりとした何かが突き動かしておるのじゃ』


 つまり、それだけの利益がはっきりと見込める何かの要因があるって事か。

「ここだけではなくて、そういう事があちこちで起きているという事ですか」


『うむ、世が荒れる原因となるので好ましくはないがな。お前達も何かわかったら知らせてくれ。王都の屋敷に言伝てくれればよい』


「わかりました。色々ありがとうございます。とりあえず明日は、ここの神殿へ行ってみます」

 やれやれ、何かよくわからないが大きなうねりみたいなものが起き始めているんだな。


 候補として考えられるのは、あれだな。儀式を成功させる、古の叡智みたいなものを手にした者がいるとか。それか、凄まじい聖魔法で儀式をやってのけられる魔法使いが現れたとか。

 聖魔法ねえ。一体何に使うものやら。


「それでは、前回お話したとおり、少し買い取りをしていただきたいのですが」

『うむ。見せてもらおう』

 俺は日本で大量注文してきた商品を見せた。


別作品ですが、「おっさんのリメイク冒険日記 ~オートキャンプから始まる異世界満喫ライフ~」

http://ncode.syosetu.com/n6339do/

も書いております。

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