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3-23 地元でまったり

 朝は川島が呼びに来た。朝飯作ったから食いに来いと。おお! 同期だった美人自衛官の飯をご馳走になれる日がこようとは。それが缶入り戦闘糧食だったりしたら笑えるが。


 つい懐かしくて、ネットで見かけて買っちまったんだよな。災害備蓄用の食品もあるし。離れのホームバーに全部置いてあるんだ。


 行ってみたら普通にハムエッグやサラダ、ベーコンにウインナーだ。牛乳にオレンジジュース、スープにヨーグルト、あとは缶詰のパンだ。それなりにがっつり系だね。ハムエッグも卵を2個使ったものだし。


「2人は今日どうするの?」

「買い物ー」

「またあ?」


「今日は量じゃなくて、色々遊びの要素かな。向こうの貴族の女の子と仲よくなったんで、お土産に色々と」


「ほお~」

 川島がちょっと、にやけ顔で値踏みするような感じに。


「そういうのと、ちげーよ。親と一緒に殺されそうになっていたんで助けただけだ。まだ10歳なんで、外出禁止食らっているから今頃膨れっ面だろう」


「あらまあ。でも、ちゃっかり伝を作ったりしてるじゃない」


「いや、偶然だよ。いきなりそんな事に出くわしたりするくらい、向こうの世界が物騒になってきているって事さ」


 俺達は、食器の片付けをして出かける事にした。妹弟はもう出かけたようだ。淳はデートだろう。


 あんな事があったんで、ちょっと心配だ。アメリカが某国とか抑えてくれたんで、もう手出しはしてこないはずなんだが。


 結局、川島もついてきた。なんとなくで、今日は俺達に付き合うことにしたらしい。


 俺は結局休みの間も、自衛隊の奴らと顔を合わせている運命らしい。ああ、アンリさんやアニーさん、それにミリー。そして、その他の魅力的な女の子達! 早く会いたいぜ。


 主な目的地は東急ハンズだ。ちょっと面白い物探そうと思ったら、あのへんじゃないか。


 JRタワーに数フロアに渡ってあるので、そこをのんびりと回った。オモチャというか、実験みたいに遊べるものとかガンガン買い込んだ。


 あと文具なんかもいい。気の利いた雑貨もあるし。ちょっとしたお土産に使える。


 あいつら、字とか書けるのかな。人の事は言えないのだが。俺も異世界の文字を書く方はさっぱりだ。そのへんは合田が一番進んでいる。


 もう、PCの中に向こうの文字のフォントも組み込んだし、簡易な辞書まで作成したらしい。今もきっと駐屯地のPCで色々作業している頃だろう。


 だが、きっと先に進むと色んな言葉が出てきて、あいつも頭を抱える羽目になるだろう。念話さん、大勝利。


 今のところ、念話持ちは俺1人なんで話す方は俺の独壇場だが、念話抜きだともう合田に抜かれている有様だ。


 いや、山崎も念話は確か使えたよな。日頃通訳は俺ばっかりだったんで、忘れていた。


 一通り買い物が終わったんで、JRタワーのテラス席のあるレストランで食事にする事にした。さっそく3人ともビールという事で一致した。


 せっかくお洒落な店なのに、がっつりとビールに行くのがこの3人だな。お洒落なのはグラスだけだ。


「名古屋はいいわねえ、こんなとこまですぐ出られるんだから」

 ああ、その気持ちわかるな。豊川駐屯地は豊橋交通のバスに手を引かれたら、駅まで頑張って歩くしかない。


 結構あるんだ、あれが。バスで5分の距離なんだが。元々バスも本数が無いし。俺もよく歩いたもんだ。


 車も外の駐車場を借りるしかない。駐車場の空きがでると、案内の張り紙が出るけど、いい値段だ。


 近所に有名ショッピングセンターはあるが、場所が場所だけに小さい。たいした飲食テナントも入っていない。有名ファストフードがあるだけマシかなあ。


「金が幾らあっても足らないぜ」

「あんた、ボンボンじゃないのさ」

「もう独り立ちしているんだから、関係ねーよ」


「川島、今日、後はどうすんの」

「そうねえ、どうしようかな~。あんたらは?」


「後は本屋かな。でかい書店へ行って、大人買いの予定だ。絵本、写真集、写真の多い雑誌、あと何がいいかなあ」

「あんた、子煩悩ねえ。どうせ、子供達に買っていくんでしょ」


「まあ、兄弟は下が5つ下と、その下が4つ離れていたしな」

 俺は頷いて答えた。


 淳なんかオムツ変えたりミルクやったりが、しょっちゅうだった。小学生の頃よく子守していたら、クラスの友達から「お父さん」とあだ名がついた。


 俺は3年生で既に高学年並みのガタイがあったので。女の子もそういう奴が1人いたな。子守は手伝ってくれたが、お母さんにはなってくれなかった。


「ついでだから付き合うわ。あと夕方にもう一杯飲んでから帰ろうかな」

「まあ、付き合うなら奢ってやるから」


 昼をつまみと軽食みたいな感じで済ませると、腹ごなしに駅の表通りへ出て歩いた。遠くから来た人は新幹線口に出るから、あっち側が表だと思うらしいけど。


 残念、愛知県人からするとあっちが裏だと思う。あっち側に出ても、たいしたものは無いし。


 本屋で、ファッション誌なんかも仕入れてみた。異世界で流行ったりするだろうか。被服は専門外だぜ。ミシンとか買っていってもいいかも。うちにある奴を複製してみるか。


 絵本に幼児向け雑誌、あと図鑑みたいな奴と、自分が読む用の奴と、こっちの世界の知識関係も探してみた。


 井戸掘り関連も試してみたいので、ついでに書籍を見繕った。大書店は、こんなものまで置いてあったりするので驚きだ。


 井戸掘りは、機械なんかも仕入れてみた。足場組まずにやれるようなものだ。自衛隊でも使っているので、資料を集めてもらった。


 トラッククレーン車両と井戸掘り機械は自衛隊が持っていたのを、武器類と一緒に複製したものだ。


 使用するのにクレーン免許が必要なので、販売元が取り扱い中止にしてしまった奴だ。俺はクレーンや玉がけ持っているけどね。


 手掘り用の器具も揃えてみた。24万円とお手頃の奴を。使うチャンスがあるかどうか知らないが。


 本屋以外にもあれこれ見て回り、17時回ったんで山崎の馴染みの店に行って20時には解散した。名古屋駅で川島を見送ってから地下鉄方面に向かった。


 まあ、来週からまた異世界行きそうだし、こんだけのんびりするのもいいだろう。

 東山線で藤が丘方面に乗り、すぐ次の伏見で降りる。


「じゃあ、俺ここで。また来週な」

「おう」

 山崎を見送ってから、俺は地下鉄鶴舞線方面へと歩いていった。


 別作品ですが、初めて本になります。

「おっさんのリメイク冒険日記 ~オートキャンプから始まる異世界満喫ライフ~」

http://ncode.syosetu.com/n6339do/

7月10日 ツギクルブックス様より発売です。

http://books.tugikuru.jp/detail_ossan.html

 こちらはツギクルブックス様の専用ページです。


 お目汚しですが、しばらく宣伝ページに使わせてください。


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