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3-12 新装備始動

 俺達は、メガクルーザーに乗り込み、ゆっくりとではあるが軽快に町はずれまで進んだ。


 領主から通達されているので町の出入りはスムーズだ。外へと出て、少し離れた場所に止めた。俺はある事のテストも兼ねての魔物採集を試すことにしたのだ。


 そして、それを取り出した。ヘリコプターだった。誰が操縦するんだって?


 そのために山崎がいるんだから。こいつは元々、民間ヘリのパイロットだった。何故か自衛隊、しかもヘリに全く関係ない部署にいたのだ。


 結構ボンボンで、父親が自家用ヘリを持っていたので17歳で自家用免許を、18歳で事業用免許をとった。


 うちにヘリがあったんで、父親と練習していたそうだ。そして民間航空会社にいたのだが1年後にやめて何故か自衛隊に入った。


 そして普通科にいる。実に訳がわからん奴だ。陸自のパイロットは不足していたはずなのだが。


 だが操縦自体は続けており、腕はキープしている。その乗り慣れた機体を借りて、複製して持ってきたのだ。


 最大離陸重量で3,175kgに止められているので、それ以上の機種のような型式別の免許はいらない。


 陸上多発タービンで、パイロットを入れてVIP仕様でも7人まで乗れる。万一エンジンが片方停止しても大丈夫だ。


 一応、救急ヘリの仕様と8人乗りの標準仕様も作ってみた。米軍に強引に用意させたものだ。


 武装したバージョンも用意してみた。これは、実際に軍に納入された実績がある。米軍輸送機で緊急輸送してもらって、米軍基地で整備してもらったのだ。


 12.7mm機銃を2基に、15連装70ミリロケット弾を2ポッド、TOWミサイルを2基搭載してある。


 型式免許が必要な重量制限を越えてしまっているが、とりあえずはOKという事になった。日本の空は絶対に飛ばない代物だから。


 他に、米陸軍や陸自で使っている攻撃ヘリや戦闘ヘリも、全部揃えるだけは揃えてある。

 山崎は米軍基地で取り扱いを習ってきたが、本当に使い方を習ってきただけだ。


 まあ元は8年間乗りなれた機体なので大丈夫だろう。武装機は、万が一に備えての物だ。通常はVIP仕様の民間機体を使用する予定だ。


 こいつは飛行速度が速くて、標準タイプでも最高時速285kmを記録する。こいつにはエンジンもハイパワーのものが用意されていた。


 民生版の強化エンジンタイプだから、最高時速時速300km以上出せるのかもしれない。815馬力の強化版のターボエンジンを2基搭載し、巡航速度290kmと870kmの航続距離を叩き出す。


 うちはアイテムボックスからの空中給油が可能だ。マシンの整備の問題が出るまで飛び続ける事も可能だろう。


 その前に山崎の方が根をあげる。それに、今回入手したスピードアップの魔法をかけたらどうなるか? 結果が楽しみだ。固定翼機並みの速度が得られるかもしれない。


 山崎がリーダーを勤める理由の一つが、ヘリパイロットであるという事だ。下っ端はどこの軍でもパイロットになどはしてくれない。


 ヘリパイとして自衛隊のMOS(自衛隊内の資格)を持っているわけではないが、階級一つ上と見なされるだけの資質ではある。


 必要なら米軍から申し入れれば資格は貰えるだろう。なにせ、俺達は超緊急チームなのだ。


 俺達はヘリコプターに乗り込み航空写真の撮影を行なった。飛行タイプの魔物がいると聞いている。そのあたりはレーダーに頼るしかない。


 天然ステルスな奴でない事を祈ろう。素材的に若干心配だ。そのあたりの懸念もあって、今の町には車両で出かけたのだ。


 ファストとスロウの魔法を入手したため、安全が確保できるだろうとの見方でヘリの使用に踏み切った。餓鬼ども乗せてやったら喜ぶかなあ。あ、その前にお嬢様が1人いたな。


 ファストを徐々に威力を上げて試してみた。恐ろしい事に870kmを誇る航続距離の限界まで、あっさりと1時間を切ってしまった。


 何かこう純粋に、物理速度にレバレッジがかかるというか。ただ、音速の問題はある。それと高速で機体が持たない可能性はあるので、限界テストを試すつもりはない。


 一応、機体はストロングの魔法で強化してあるのだが、現行でも充分すぎる性能だ。それとあまり高速飛行はパイロットの負担が高い。


 アビオニクス関係も、通常のスピードで使用するように出来ている。ファストによる、超高速飛行は緊急時のブーストにする事に決めた。多少は上げても問題はないかと思うが。


 ノーマルの巡航速度で、空から新幹線のぞみ号を超えるスピードで移動できるのだから、それだけで異世界ではかなりのチートだ。


 周辺は比較的近い距離に大小の都市や村々が点在している。無理に飛行する必要は感じない。


 気象データも一切持ち合わせが無い世界なのだ。航空機の中でもヘリはかなり気象の影響を受ける乗り物だ。ここにはGPSも存在しない。無理は禁物だ。


 クヌードまで帰ったり、あちこち遠くまでワープしたりしたい時に使えれば便利な代物だが。航空機はもとより、そういう使い方をするものだ。


 地上の方が何かと安心できる。いきなり魔法で撃墜されないとも限らないのだ。今回、かなりの資料が手に入ったのは大収穫だ。


 本来であるならば副操縦士も乗せたいのであるが、いないものは仕方が無い。俺達は日本で観光用の機体に乗って各5時間は操縦してみた。動かすくらいなら行けそうだ。


 交替で副操縦席に座り山崎の講習を受けた。民間でも観光フライトで操縦させてくれるコースはある。それでも正規の操縦時間には含めてくれる。


 この世界で、あまりこういうテクノロジーを使うと色々まずいかもしれない。しかし、俺達は何の支援も無い、ただの調査隊のようなものだ。


 使えるチートは使っていかないと、命がいくつあっても足りないだろう。


 もう少し魔法を覚えられないか、ギルドで聞いてみた。

『そうだな。少し隠密系のような魔法を覚えてみるか』


 ギルマスじきじきに教授してくれた。魔物や建物の構造などを感知できるもの、気配を消して魔物に近づいていけるもの。音を消してしまうもの、姿を隠してくれるものなどを習得できた。これも支援系に入るらしい。


『お前は筋がいい。いいファクラになれる』


 多分ファクラというのは、地球のゲームなどでいうところのシーフの事だろう。偵察などをやるポジションらしい。


 次回は、24時に更新します。


 別作品ですが、初めて本になります。

「おっさんのリメイク冒険日記 ~オートキャンプから始まる異世界満喫ライフ~」

http://ncode.syosetu.com/n6339do/

7月10日 ツギクルブックス様より発売です。

http://books.tugikuru.jp/detail_ossan.html

 こちらはツギクルブックス様の専用ページです。


 お目汚しですが、しばらく宣伝ページに使わせてください。


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