表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

リハビリシリーズ

置いてきぼりの心に紫陽花を

作者: 奏 湊

泣きたいと思ったのはいつの日のことだろう?

それでも涙は出なかったのだろうけれど。


音もなく降る雨は、好き。

だって私の代わりに泣いてくれている気がするから。

いつだって私は泣けないまま、この日を生きてきた。


でもあまりいいものじゃないわね。

人は泣くのが普通だからかしら?

泣けない私は、いっつも一線をおいて見ていた。

一緒に走り回った草原も、花冠を造って虫を隠したいたずらも

すべてはたのしいの記憶のはずなのに、色あせてさえ感じる。


この記憶は本当に私の記憶なのだろうか?

そんなばかげた疑問さえ浮かんでくる。


泣けば・・・

泣くことができれば、この心は少しは報われたのだろうか?


紫陽花の香りに誘われて

こんなところまで来てしまった馬鹿な私。

もうここにあなたはいないのに。


そう、ここにいるのは


あの日

あなたが逝ったあの日

泣けなかった私だけ・・・・



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ