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皆様にとっての「桜」を教えてください。評価、感想よろしくお願いします。
桜散る
作:真崎麻佐




「桜が…散るのを嫌がってる…」


僕の席は窓側の前から四番目。春は太陽のポカポカな光を浴びる事ができる特等席の一つだ。窓から見える桜が絶景だった。


六時間目。僕は最後の授業をただボーッと受けていた。残り15分という時に後ろの方から声がした。
「桜が…散るのを嫌がってる…」
ボソッとした声だったがよく聞こえた。僕は窓の外を見た。桜がヒラヒラと舞っていた。


僕の後ろの席は櫻井君だ。いつも飄々としていて、掴み所がない。噂では中学の頃は金髪だったらしい。とにかく僕は櫻井君が苦手だった。
「ねぇ…さっきのって、どういう意味?」
終礼が始まる前のザワザワの中で、僕は後ろを向いて櫻井君に話しかけてみた。
「あぁ…聞こえてたんだ」
「うん」
無表情な櫻井君に怖じ気付きながらも僕は続けた。
「桜が…散るのを嫌がってるって?」
「ホラ、見なよ」
櫻井君が指差したのは、窓にへばりついた一枚の桜の花びら。
「これ?」
僕には良く意味が分からなかった。
「桜ってさ、窓の位置より下にあるだろ?」
僕達の教室は四階。一番伸びている桜の枝より高い位置にある。
「だから大体は上に飛んで来たりはしないよな」
確かに、と頷く。
「だから散りたくないんだ、と思った」
櫻井君はボーッとした顔で外を見ている。僕もつられて外を見た。
「…そうか、風が手伝ってくれたんだ」
ポツリポツリと溢す一言一言に重みがある。僕は黙って聞いていた。
「桜が散りたくない、そう言うから…風は桜が少しでも長く空中に居られるように、手伝ったんだ」
櫻井君は目を細めた。窓の外ではまた桜が高くヒラヒラと舞っていた。
「…風が?」
櫻井君は僕の言葉に反応しなかった。
「でも風は知ってるんだ…」
ヒラヒラ高く舞う桜の花びらはすぐに見えなくなった。地に落ちたのだ。
「夢を見られるのは少しだけだ、ってね」


「桜ってさ、散ることが美しいってよく言われるよな」
櫻井君が初めて僕の顔を見た。僕は少し驚いたが、真っ直ぐ櫻井君を見た。
「散らなきゃいけない、って言われてるみたいだ」
「…確かに」
「桜だって散りたくないかもしれない。だってさ…」
フッと顔を崩して笑う。
「人間だって死にたくないんだもんな」
僕はドキッとした。
「そんなこと、考えもしなかった」
「そう?」
ふーん、と櫻井君はただ頷いた。
「別にただ俺が思っただけだからね」


ヒラリと窓にへばりついていた桜の花びらが散った。















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