PROLOG
夢を見るんだ
その夢の中で俺はたった一人で立ち尽くしているんだ
周りは何処までも続く銀色の闇の空間で
誰もいない音もないその空間の中で俺は一人ぼっちなんだ
はじめは何も感じないんだけど
そのうち徐々に恐ろしくなってきて
俺は出口を探すように歩こうとする
けれども俺の身体は何かに絡め取られているように身動き一つも出来なくて
そこに立ち尽くすしか俺に出来ることはないんだ
ずっとずっと長い時間をそうやって過ごしていると
そのうち何もかもがどうでもよくなってきて
なぜ俺はここにいるんだろう
なぜ俺はこんな状態のまま生かされているんだろう
そんなふうに思いはじめるんだ
不思議なんだけど
そんな状況でも感じるんだよ
自分の鼓動を
自分の吐く息の震えを
そしてそれに伴って生じる吐き気を
そうして最後には思うんだ
消えてしまえばいいのに
俺の存在のすべてが消えてしまえばいいのにって
でもね
思い出すんだ
消えてしまえばいいのにって最後に思うのと同時に思い出すんだ
君の可愛らしい笑い声
君の優しい微笑み
君の温かい体温
君の柔らかい手
君のすべてが俺を絶望から救いあげる
ねえ、君は知っているかい?
君は俺の輝く夜明けなんだよ
銀色の闇を照らしてくれる夜明けなんだ
いっそ君を攫ってしまえたらいいのに
もし俺が何者でもなかったら
もし君が何者でもなかったら
俺は君をすぐにでも攫ってしまうのに
それが叶わないのなら
こんな銀色の闇の世界なんて
すべて壊れてしまえばいい
粉々に砕け散って跡形もなく無くなってしまえばいい
俺も一緒にね
はじめまして?
少し長編になる予定です。気長にお付き合い下さい。
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