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ミール・ストーン本編の番外編です。
テューサとディルの、一昔前のお話。
結構、本編と関係があるような。
そんな感じになっちゃいました。
関係ある話が、第19部あたりで出てきます。
後々を楽しみにしながら読んで頂けると幸いです★
本編の方も、是非読んでみてください。
ミール・ストーン番外編
作:澄空


1000Hit記念★読み切り小説

          ■□■テューサ篇■□■

 −ごめんね、テューサ。ママは行かなくちゃいけないの。あなたの為なの。分かってね。あなたの代わりに・・・。

 7歳の私は飛び起きた。
 まだ外は真っ暗闇だった覚えがある。真っ暗で、広すぎる部屋に、大きすぎるベッド。何もかもが私には大きすぎて、寂しい思いをした覚えもある。
 あの夢も、あの夜が初めてじゃなかった。何回も、何回も見たことがあった。その度に私は目を覚ましていた。同じところで目を覚ますもんだから、続きを見たことが無い。もしくは無いのかもしれない。あれは多分、幼い頃の、私の、封印された記憶なのかもしれない・・・。
 夢で、母は幼い私の頭を優しく撫でていた。私は、母の言っていることがちんぷんかんぷんで、きょとんとしている。そして、その後すぐに、私は暗闇に包まれ、それに脅え、目を覚ます。
 あの頃の私は何に脅えていたのだろうか。暗闇? 消える母の姿? それともまた別の理由? 分からないまま、ここまで時間が流れた。
 そして、わかった気がする。私が暗闇を嫌う理由。そういえば、何度もあの夢を見て、怖かった。胸の奥底に封印した。
 今は、大丈夫。いつも、傍には仲間がいてくれている。シャネラに、ルビスに、ディル。そして、もうすぐもう1人増える−−。ふと、怖くなるときもあるけれど、テュクもいるし。
 でも、未だに疑問なのが、1つ・・・。母はどこへ行ったのだろう。そして、私の父は・・・?
「テューサ? どうしたの? どこか具合でも悪い?」
ぼんやりと、物思いに耽っていた私を気遣って、ルビスが声をかけてくれた。その声にひかれて、シャネラとディルも私の方に注目する。
「どうした?」
「大丈夫ー? どうしたの、テューサ」
3人の顔を順番に見て、私は笑ってみせた。
「なんでもないよ。みんな、大好き」

今は、みんなが傍にいてくれる。同じ運命を背負った、仲間が。同じ道を歩んでいる、友達が。






          ■□■ディル篇■□■


 「もう、大丈夫」

 洞窟の中を歩いていたあたし。好奇心と、あたしを捜す城の兵士たちから逃げるためからだったわ。歩いていると、先のほうに光が見えてきた。出口だ! って思って。お日さまに当たりたくって、光の射す方へ走ったの。そしたら、急にあたしの身体が宙に浮いたの! びっくりしちゃって、ついつい大きな悲鳴が出ちゃった。
「きゃあっ!!」
洞窟の中だったから、余計響いて。あたしの身体を捕まえていたのは、植物の蔓のようなもの。しっかりと縛られちゃってて、解こうにも無理。気持ち悪くて、ポルターガイストみたいで、恐怖もあったけど、あたしってばこんな時も好奇心が途切れなかったの。「この先には何があるんだろう」みたいな感じ。
 でも、どうにも出来なくて、ついには泣きそうになっちゃった。あたしとしたことが・・・! そしたら、急に出口から差し込む光を遮られ、今一度視界が真っ暗になったの。真っ暗になってから何秒としないうちに、あたしの身体をきつく縛っていた蔓が解けたわ。ふわってなって、あまりにも急だったから、地面にぶつかるときに受け身が取れないような状態だった。痛みを予想して、目を瞑った。
 でも、痛みは全然なくて、地面の固さも伝わってこなかった。そぉっと目を開けてみると、知らない男の子に抱きかかえられていたの!! 
 この男の子が出口に立ったから真っ暗になったのねって、胸を撫で下ろしたのも束の間。そのまま男の子はあたしをお姫様抱っこをしたまま、出口から外へ連れ出したの。
 久しぶりのたくさんの光が目に入ってきて、思わず目を細めちゃったわ。男の子はあたしを芝生の上へ座らせて、自分はその正面に座った。
 よ〜く見てみると、男の子って言っても、あたしと同じくらいか、もうちょっと年上の人だった。背が高くて、ジェムよりもかっこよかった。これが、第一印象。
「もう、大丈夫」
あたしがぼーっとしていると、彼は無表情であたしに話しかけてきた。だから、あたしも口を動かしたの。
「あなたは・・・だれ?」
すると、目の前の少年は、あたしに黄色の石を見せてきた。手のひらに乗ったそれを、よ〜く見てみた。
「『平和』の、石・・・?」
ふいに、口から言葉が漏れたわ。でも、彼はあたしの言葉に頷いた。『平和』の石のことは、よ〜く知ってたわ。勉強を教えてくれる先生や、大臣から何度も聞かされたもの。「これは真実だ−−」とか何とか言って。
「あたしと、同類の人・・・?」
あたしも、首から提げた『平和』の石を手に持ち、彼に見せるようにして問いかけた。彼は、この言葉にも頷いた。なかなか喋らない人だな、ってこの時思ったわ。でも、友達になりたかった。
「あたし、ディルって言うの。あなた、名前は?」

「ミクヤ・グレイルー」


後々を楽しみにしながら読んで頂けると幸いです★
本編の方も、是非読んでみてください。













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