ハヤテのごとく!邪魔者を消せ!殺されたキク科の多年草PDFで表示縦書き表示RDF




この物語は、ハヤテを巡ってある女の子が友達でありライバルでもある女の子を殺害してしまうと言う大変恐ろしいストーリーです。
怖いのが読みたい方にお奨め。
それ以外の方は用無しです。
洋梨でも食いながら推理物でも読んでて下さい。


ハヤテのごとく!邪魔者を消せ!殺されたキク科の多年草
作:Daisy Katsura


 練馬区東全部と言うアバウトな住所に、三千院家の広大な屋敷は在る。
 その屋敷で執事をしている少年、綾崎 颯あやさき ハヤテは、自室のベッドの上で考え事をしていた。
 それは、白皇学院高等部生徒会長、桂 雛菊かつら ヒナギクと、潮見高校に通う普通少女の西沢 歩にしざわ あゆむの事である。
 ハヤテは二人の顔をイメージすると、溜め息を吐いた。
(最近、あの二人を見てると胸がドキドキするんだよなぁ。これってやっぱり恋なのかなぁ)
 ハヤテはそんな事を考えながら、一夜を過ごした。


 日曜の朝、ハヤテが負け犬公園のベンチに一人で座って俯いていると、二人の少女が通り掛かった。
「あら、ハヤテくんじゃない」
 ハヤテがその声に顔を向けると、ヒナギクと歩の顔が正面に在った。
「ヒナギクさんに西沢さん。どうしたんですか、二人揃って?」
「私たちこれからバイトに行くところなの。何か、バイト先の人が急用で来れなくなったとかでシフトが入っちゃってね」
「ハヤテくんはこんな所で何してるのかな?」
 と歩が訊ねる。
「僕はその、考え事です」
「「考え事?」」
 と二人が声を合わせ、同時に首を傾げる。
「何か悩み事?」
「良かったら聴かせてくれないかしら?私たちが相談に乗るわ」
「否、良いですよ。自分で解決しますから」
「ふーん。私たちじゃ頼り甲斐が無いって訳?」
 ヒナギクがそう言ってハヤテを睨み付ける。
「はっ、話します!実は──」
 とハヤテは今抱えてる悩みを打ち明けた。
「「えっ、好きな人が出来た!?」」
 二人は驚き一旦顔を合わせるとハヤテに向き直った。
「はい。だけど困った事に、二人なんです。二人の女の子を同時に好きになってしまったんです」
「で、その二人はハヤテくんの事、どう思ってる訳?」
「一人は僕の事が好きらしいんですけど、もう一人の方は僕を嫌ってるのか、いつも怒ってばかりなんですよね」
 ハヤテがそう言うと、歩が何の根拠も無しに答える。
「そのもう一人の方なんだけど、本当は好きなんじゃないかな。だけど自分に素直になれなくて、だからいつも冷たくしてるんだと思う。だってほら、よく居るじゃない?ツンデレって言うの。もう一人の方はそれなんじゃないかな」
「はあ。で、僕はどうすれば良いんですか?」
「さあね。それは自分で考えなさい」
 ヒナギクはそう言うと歩に「行くわよ」と声を掛けて共に去っていった。
「よし!」
 ハヤテはすっくと立ち上がり、ガッツポーズを取る。
(決めた!二人に好きだって告白しよう!)
 良いのかそれで?


 翌日、皆が登校する前、ハヤテは潮見高校に侵入し、下駄箱に在る歩の上履きの下に封筒を挟んでその場を離れ、直ぐ様白皇へ登校し、誰も居ない教室でラブレターを数秒で書き上げ、ヒナギクの机に押し込んだ。
 それから暫くして、生徒らが登校してきて、担任の桂 雪路かつら ゆきじによるHRが行われ、午前の授業が始まって正午に無事に終わり、お昼休みを迎えた。
 するとハヤテは、慌てて教室を出ていった。
 一方、ヒナギクは教室で差出人不明の手紙を読んでいた。
『今日の昼休み、剣道部の部室に来て下さい。大事な話しがあります』
(何よこれ。ひょっとしてラブレター?差出人は・・・)
 と頬を赤らめながら辺りを見回し、ハヤテが居ない事に気付く。
(もしかして、ハヤテくんなの?)
 ヒナギクはそう思うと、慌てて剣道部の部室に向かった。


 部室に辿り着くと、ヒナギクは辺りを見回す。
(ハヤテくん、ハヤテくんは何処!?)
 すると、木に寄りかかったハヤテを見付ける。
 ヒナギクは彼の下に移動した。
「これ書いたの、貴方なの!?」
 ヒナギクは息を切らし、肩を上下に大きく揺らしながら先刻の手紙を突き付けて訊ねた。
「待ってましたよ、ヒナギクさん」
 ハヤテはヒナギクに笑みを浮かべた。
「だ、大事な話しって何?」
 そう訊ねると、ハヤテが辺りを見回し誰も居ない事を確認して口を開く。
「ヒナギクさんは今、付き合ってる方とか居ますか?」
「居ないわよ、別に。好きな人なら居るけどね」
「誰ですか?」
「それは貴方自信がよく知ってるんじゃないかしら?」
 ヒナギクは悪戯っぽく微笑してそう言う。
「もしかしてヒナギクさん、東宮くんの事?」
「そうなのよ。東宮くんの事が・・・って、何でそうなるのよ!?」
「だって剣道部って言ったら東宮くんですよね。でなきゃこんな所来ませんよね」
ピキッ!
 ヒナギクの額に青筋が浮かぶ。
「って、そんな冗談は置いといて」
 とハヤテが見えない何かを両手で持って横に退かす動作をする。
「冗談?」
 ヒナギクの顔が一瞬でほころびた。
「好きです、ヒナギクさん!僕と付き合って下さい!」
 その告白にヒナギクは顔を真っ赤に染め上げて「少し考えさせて!」と顔を隠しながら慌てて去っていった。


 放課後、白皇を出たハヤテは潮見の校門前に来ていた。
「西沢さん」
 ハヤテは校門から出て来た歩に声を掛けた。
「ハヤテくん、どうしたの?」
「手紙、読んでくれましたか?」
「手紙?」
 歩は封筒を取り出して開封し、中から紙を取り出して書かれている文を読む。
『西沢さん、僕は貴方の事が好きです。あの日、貴方に告白されてからずっと貴方の事だけを考えていました。でも、なかなか言い出せなくて、返事を保留にしていましたけど、勇気を振り絞って貴方の気持に答えます。付き合って下さい』
「この手紙がどうかしたの?」
「それ、僕が書いたんです」
「えっ?ええーっ!?」
 歩は驚き飛び上がった。否、実際は飛び上がっちゃいないが、心の中ではまあそんな感じだ。
「これ、ハヤテくんが書いたの!?」
 今頃気付いたのかお前は。
「そうですよ」
 ハヤテはそう言って微笑んだ。
「やっぱりそうなんだ」
「やっぱり?」
「薄々気付いてたよ。ハヤテくんが私の事好きだって事」
 絶対嘘だ。
「一寸、折角の良いムードが打ち壊しじゃない!」
 と天に向かって叫ぶ歩。
 それは失礼しました。
「どうしたんです、急に叫んで?」
 ハヤテが首を傾げて訊ねた。
「な、何でもないよ!?それはそうと、これにはYesって答えとくよ。何の取り柄も無い私だけど、彼女として宜しくね」
「はい、西沢さん」
「あ、駄目よハヤテくん。歩って呼んで」
「はい、歩さん」
「出来れば呼び捨てにしてくれるかな?」
「歩、で良いんですか?」
 歩は「うん」と頷いた。
「解りました。では、今度からそう呼びますね。それじゃ、僕は用があるんで」
 ハヤテはそう言って去っていく。
 歩は彼の背中に向かって言った。
「何よそれ!?一緒に帰ってくれないの!?」
 しかし、ハヤテの耳までは届かなかった。
(さてと。次はヒナギクさんのお返事を聴かないと)
 ハヤテはそう思うと、駆け足で白皇に戻った。
(確か、この時間ならあそこに居る筈)
 とハヤテは時計塔に向かい、エレベーターで最上階に上り、生徒会室に入った。
「ヒナギクさん、お返事聴かせて下さい!」
 すると書類を読みながらコーヒーをすすっていたヒナギクがコーヒーを吹き出した。
「ちょっ、いきなり入って来ないでよ!吃驚するじゃない!」
「すみません、ヒナギクさん。でも、どうしても返事が聴きたくて」
「そう。で、何しに来たの?」
「だから返事を聞きに来たって言ってるでしょ!?」
 ヒナギクのボケにハヤテが怒鳴った。
(うはっ、ハヤテくんが私に怒鳴るなんて、そんなに私の事が気になるのかしら?)
 ヒナギクは頬を赤らめながらそう思った。
「冗談よ。で、返事だったわね」
 とヒナギクがコーヒーカップを置いて真剣な表情をする。
「良いわ、付き合ってあげる。私ね、あの日初めて逢った時からずっと、貴方の事が好きだった。それは今も変わらないわ」
「じゃあヒナギクさん、どうして僕の事怒ってばかりいたんですか?」
「そ、それはほら。何て言うか、あれよ」
「解りました。好きな人は虐めたくなってしまうと言う例のあれですね?」
ピキッ!
 ヒナギクの額に青筋が浮かぶ。
「私は小学5年生か!?」
 とコーヒーカップを取って中の湯気が出てる熱々のコーヒーをハヤテにぶっ掛けた。
「うわっ、何するんですか!?」
「ごめん、手が滑っちゃった」
 ヒナギクはそう言って悪戯っぽく笑って自分の頭を小突く。
「似合いませんよ。て言うか、今の絶対態とですよね?」
 ハヤテがそう訊ねると、ヒナギクが立ち上がり、手に持っていたコーヒーカップを野球の投球フォームで投げた。
「うわっ!」
 ハヤテは咄嗟に避けた。
パリンッ!
 壁にぶつかり、カップが割れた。
「また手が滑ったわ」
「絶命した!一歩間違ったら絶命した!」
「後で新しいの買って来て?」
「何で僕が!?て言うか自分でやったんだから自分で買って下さいよ!」
 ヒナギクは机を跳び越えてハヤテの前に立ち胸倉を掴んでグイッと引き寄せて顔を顰める。
「彼女が欲しがってるのをプレゼントする。それが彼氏の義務よ?」
「はい、プレゼントさせて頂きます」
 ハヤテは顔を引き攣らせながら言った。
 ヒナギクはハヤテを放して「宜しくね」と笑みを浮かべた。
(やっぱ怖い。この人を好きになったのは間違いだった気がする)
 ハヤテはそう思った。
「所でハヤテくん、もう一人の好きな人って誰?」
「はい?」
「昨日、公園で言ってたでしょ?好きな子が二人出来たって」
「そ、それは・・・」
「もしかして歩の事?」
「ええ、ぶっちゃけると」
「告白はしてないよね?まあもししてたら貴方の命は無いでしょうけどね」
(言えない。付き合う事になったなんてとても言えない。言ったら確実に殺されるよ)
 ハヤテはそう思って言わない事にした。
「じゃ、私は仕事が残ってるから先に帰ってて。それとも、私が終わるの待ってる?」
「はい、待ってます」
「そう。じゃあそこに座って待ってて」
 ヒナギクはそう言ってソファを指差した。
 ハヤテはそこに移動して腰を下ろし、待つ事にした。
「あ、そうだハヤテくん」
 ヒナギクが席に戻って言う。
「お返しは無いの?」
「え、何の?」
「今日は何日?」
「えっと、今日は3月14日ですね」
 ・・・・・・。
 沈黙が暫し場を支配し、ハヤテがそれを破って叫んだ。
「あーっ、今日ってホワイトデー!用意するのすっかり忘れてました!」(作者注意:この日はゲーム「ハヤテのごとく!お嬢様プロデュース!ボク色にそまれっ!」の発売日でもあります)
「でもどうしましょう。今、金欠で何も買えないんですよね」
「じゃあ帰りにどんぐり喫茶で何か作って食べさせてよ」
「解りました。ではそれでお返しさせて頂きます」


「──くん、起きてハヤテくん」
 声が聞こえ、ハヤテは目を開けた。
「よく寝てたわね。これで起こすの5回目よ」
「すみません、手間掛けさせてしまって。仕事はもう良いんですか?」
「うん、終わったわ」
「それじゃ行きましょう」
 ハヤテはそう言って立ち上がり、両腕を上に伸ばした。
「所で僕、何時間ぐらい寝てました?」
「5時間くらい」
 ハヤテは窓の外を見た。
「あちゃー、もう夜ですね。遅いですから今日の所は──」
 ハヤテが最後まで言おうとしたのをヒナギクが掻き消す。
「別に良いわよ。今日はお義父さんもお義母さんも仕事で帰って来ないし」
「え、でも・・・」
「良いの。早くどんぎり喫茶行きましょ?」
「はい」
 ハヤテはヒナギクと共に生徒会室を出てエレベーターに乗り、地上に降り白皇の敷地を出てどんぐり喫茶へ向かった。


 どんぐり喫茶に着き、ハヤテは扉を開けようとしたが、鍵が掛かっていて開かなかった。
「あれ、変ですね。開きませんよ?」
「一寸これ見て」
 とヒナギクが指を差した。
 その先には小さな黒板が立ててあり、<本日定休日>と書いてある。
「ではヒナギクさん家の台所を貸して下さい。ある物で何か作りますよ」
「そう。じゃあお願いしちゃおうかしら」
 ヒナギクはそう言ってハヤテと共に自宅に向かって歩き出した。
「あっ、しまった!」
 ハヤテが唐突に叫ぶ。
「どうしたの?」
「実はですね、先月、お嬢様にもチョコを貰ってまして、今日返さないといけないんです。ですからお嬢様の方を優先させて貰っても良いですか?でないとお嬢様に怒られてしまいそうで」
 ハヤテがそう言うと、ヒナギクが目を赤く光らせて睨む。
「私とナギ、どっちが大切なの?」
(ヤバイ、ヒナギクさんが怒ってる。此処は何とかして落ち着かせなくては)
 ハヤテはそう思い、ヒナギクを落ち着かせる策を考える。
「あの、ヒナギクさん。取り敢えず落ち着いて下さい」
「どっちが大切なのよ!?」
 火に油だった。
「それは勿論、ヒナギクさんですよ」
 その言葉に、ヒナギクの顔が綻んだ。
「そう。それじゃあ私の方を優先させて頂戴」
「解りました」
 とハヤテは渋々承諾した。


 家に着き、ヒナギクは鍵を取り出して解錠し、ドアを開けてハヤテを先に中に入れる。
「お邪魔しまーす」
 ハヤテは律儀にそう言って靴を脱ぎ、リビングに入って鞄を置いて台所に移動した。
「ヒナギクさん、折角だからリクエストして下さい。作りますよ」
「え?あ、一寸待って」
 とヒナギクが台所に入って来て冷蔵庫を開ける。
「あら、空っぽ。ごめん、ハヤテくん。買って来てくれない?」
 ヒナギクはそう言って冷蔵庫を閉めて財布を取り出しハヤテに渡す。
「何を買ってくれば良いですか?」
「そうね。今、ハンバーグ食べたいからハンバーグの材料と他を適当に買ってきて」
「直ぐ行って来ます!」
 ハヤテはそう言うと受け取った財布を仕舞って家を飛び出していった。
 直後、ヒナギクのポケットで携帯電話が数回振動した。
 ヒナギクは携帯を取り出し画面を見た。
 新着メール1件、となっている。
 ヒナギクはメールを開き、受信箱をチェックした。
(歩からだわ。何かしら?)
 未読ファイルをクリックし、本文を開く。

From:歩
Subject:やったー!
今日、ハヤテくんに告白されて付き合う事になりました。
ヒナギクさんには悪いけど、私の勝ちですね。
それでは

「何ですって!?」
バキッ!
 ヒナギクは携帯を力強く握って粉々に破壊した。
 それと同時に、何も知らないハヤテがビニール袋を提げて戻って来た。
「ただいま戻りました。お財布お返しします」
 とハヤテは財布を俯いているヒナギクに渡すが、彼女は受け取らない。
「どう言う事よ?」
「はい?」
「先刻、歩からメールが来たわ。ハヤテくんと付き合う事になったって」
 そこでヒナギクは顔を上げて続ける。
「それって二股を掛けるって事よね。貴方どう言う神経してるの?」
(な、何だか解んないけど、ヒナギクさんが怒ってる?)
「ハヤテくん、今すぐ歩の所へ行ってキャンセルして来なさい。じゃないと命無いわよ」
 ヒナギクはそう言って流しに置いてあった包丁を手に取る。
(目が本気だ。これは大至急行って来なくては!)
「では今すぐ行って来ます!」
 ハヤテはそう言って家を飛び出し、歩の家に向かった。


ピンポーン──と呼び鈴が室内に響き渡る。
 歩は誰かと思い、玄関に駆けてドアを開けた。
 その先には息を切らして肩を上下に大きく揺らしているハヤテの姿が在った。
「ハヤテくん、どうしたの?」
「すみません。やっぱり付き合えません」
「え、それどう言う事かな?」
「実はですね、先程──」
 ハヤテは、歩に告白する前にヒナギクに告白し、OKを貰った事を告げた。
「──と言う訳なんです。だから、あゆっ、じゃなくて、西沢さんとは付き合えません」
「嫌だ。そんなの絶対嫌よ。私では無く、ヒナギクさんとの交際をキャンセルして来て。じゃないとそこから突き落とすわよ」
 歩はそう言ってハヤテの背後を目で示した。
 ハヤテの背後には塀があり、その向こう側は地上まで結構な高さがある。いくらハヤテでも、突き落とされたら一溜まりもないだろう。
「で、では、そうさせて頂きます」
 ハヤテは顔を引き攣らせながらそう言って桂家へと戻った。


「で、キャンセルは出来たの?」
「いえ、それが」
 ハヤテは取り消しが出来なかった事と、逆にヒナギクとの交際を取り消す様言われた事を話した。
「そんな事だろうと思った。良いわ。私が行って話してくる」
 ヒナギクはそう言って自室入って仕度を済ませて家を出て行った。
 ハヤテはヒナギクの部屋に入り、ベッドに横になった。
 そうして一時間、二時間と刻一刻と時間が過ぎて行くが、ヒナギクは戻って来なかった。
 ヒナギクが心配になったハヤテは家を出て彼女を捜しに行った。
 それと入れ替わりに、ヒナギクが家に戻って来た。
「はあ」
 溜め息を吐き、靴を脱ぐヒナギク。
 その時、背中にグサッと言う音と共に激痛が走った。
「うっ!」
 ヒナギクは呻き声を上げて後ろを振り向いた。
 するとそこには、覆面を被った何者かが居た。
「誰よ貴方!?」
 ヒナギクが叫ぶように問うと、何者かは家を出ていった。
「私が一体・・・何をしたって言うの・・・?」
 ヒナギクはそう呟いてその場に倒れ息絶えた。
 一方その頃、ハヤテは歩のアパート付近を捜索していた。
(ヒナギクさん、何処に居るんだろう。ひょっとして入れ違いになってたりして)
 そう思ってハヤテは、桂家へと戻り、ドアを開けて驚いた。
 目の前に、背中を包丁で刺され、横たわっているヒナギクの姿がある。
「ヒナギクさん!」
 ハヤテは慌てて近付き、ヒナギクを揺さ振る。
 だが、反応は無かった。
 ハヤテはヒナギクの脈を計り、呼吸を確認するが、どれも機能していなかった。
(死んでる!)
 そう思ったハヤテは怖くなり、その場から逃げ出し、そのまま屋敷へ帰って自室に入り、ベッドに潜り込んだ。
(どうして、どうしてヒナギクさんが)
 ハヤテはその事を考えながら、一夜を過ごした。


「ハヤテー!」
 は翌朝、屋敷中に響くナギの大声によって目が覚め、直ぐに彼女の居るテレビ部屋へと向かった。
「おはよう御座います、お嬢様」
 ハヤテはそう言って笑顔を見せる。
「挨拶してる場合じゃないぞハヤテ!テレビを見るんだ!」
「何ですか?」
 とテレビの画面を見ると、右上に<白皇学院女生徒殺害!>と言うテロップとヒナギクの写真が表示されており、桂家をバックにマイクを持った女性が事件の概要を説明している姿が映されていた。
「失礼します、お嬢様」
 ハヤテはそう言うと慌てて屋敷を飛び出し、西沢家へ向かう。
 その途中、曲がり角で登校途中の歩とぶつかって両者は尻餅を着いた。
「ハヤテくん、ごめんなさい」
「いえ、こちらこそ急いでたもんですから。って、西沢さんじゃないですか。それより聴いて下さい。先刻、テレビ見たんですけど、ヒナギクさんが殺されたって」
「ふうん。そうなんだ」
 歩は無関心、無表情でそう言うと、立ち上がって歩き出す。
 ハヤテは咄嗟に立ち上がり、追い掛けて肩を掴んだ。
「驚かないんですか?友達が殺されたって言うのに」
「別に驚かないわよ。だって、私が殺したんだもん。昨日、ハヤテくんが帰った後、ヒナギクさんが家に来て私に諦めるよう説得してきたわ。でも退けなかった。だから私は諦めた振りをしてヒナギクさんを追い返し、後を付けて家に入った瞬間、後ろから包丁で背中をグサッと刺したのよ。全部ハヤテくんが悪いんだからね。ヒナギクさんに告白さえしなければ、彼女は死ぬ事無かったのに」
 歩がそう言うと、ハヤテはその場に崩れ落ちた。
「じゃ、私は学校に行くから、ハヤテくんも送れないように登校してね」
 歩はそう言い残し、ハヤテの前から去って行った。




皆さん、お読み頂き有り難う御座います。
元々はこれ、School daysでやろうとしたのですが、ハヤテのごとく!でやっても面白いかなと思い、ハヤテでやる事にしました。
キャラの位置はそうですね。
ハ ヤ テ=伊藤 誠いとう まこと
ヒナギク=西園寺 世界さいおんじ せかい
  歩  =桂 言葉かつら ことのは
と言う所でしょうか。
では、感想と評価お待ちしてます。














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