【78話】幼馴染みとして【和也編】
……気のせいであって欲しいんだが、魅夜から犬の耳が見える。ほら、大型犬の垂れた耳だぞ。
尻尾までご丁寧に見える。作者、獣耳属性が大嫌いなくせいにヘンな事をするな阿呆が。
む? そうか……お前は自分の周りにもいる属性も嫌いなのか……お前、ヲタクを敵に回すんじゃないか?
だって、押し掛け女房に、巫女にといろんな属性が居るじゃないか。
ん? 帰って来〜い。何を怒ってるんだよ? おい! キーボードを強く叩き過ぎだ!!
や、やめッ…………………。
そ、そんな事より! 魅夜だ! 魅夜!!
コイツ、「和也は自分の事をわかってない」だか言い張るんだぜ?
本気でムカツクんだが……他人に……オレのなにがわかるってんだ!?
オレはずっと自分の事を考えて来たんだ! ずっと…ずっと…………。
イヤ、オレが考えていたのは自分(オレ)の事じゃない……自分(俺)の事だ。
オレは自分の事をそっちのけでアイツ……オリジナルの事を考える。オレは彼の道を歩いてる事に不満を抱いていたんだ。結局ソレはオレが渡る人生ではなくて…俺が歩む人生で……何にも変え難いモノなんだ。オレはソレを平気な顔で土足で踏み入っていたんだ。なのに……オレは何も償いが出来なくて。脱線しただけで……ココにみんなが居る事は大して代わらない。
オレは自分を変えたかったワケでは………ないのかも知れない。
ただ……黙々と進むだけで……何もしない。我武者羅に進んで自滅したがってたんだ。何時かは…なにとなくなんだけど……端の連中と対峙すると思ったからだ。実際は金とかが目的じゃなくて……自分が散れる場所を捜してたんだ。生きる意味は無いから……生きていても……オレは誰からも望まれて無くて…本体が生き残るパーツとして作られただけの存在でしかない。
所詮はそんなヤツで……自分の事を二の次で他人を見てきた。
これは、自分の存在に確信ができたからじゃなくて……どうせ、高校の卒業まで持たないならば…何事にも全力で向き合って、適度に手を抜いて……友人と楽しく生きてきた。ずっと、影では姑息な事だらけだけど……生きてきたんだ。オレは……何が大切なのかはわからない。
でも、遠まわしなんだけれども……魅夜はオレのその生き方を侮辱してるように聞えて仕方ない。
アイツにはそんな気は毛頭無いだろう。被害妄想の被害者だ。言う。お前はオレは自分を知らないと言った。けれども……お前はそんな弱いオレを知っていたのか? 他の連中は! オレの何を知っているんだ!? 表向きの無鉄砲で自信家で……ずっと頑張って来たんだ! ずっと、弱音を見せないように頑張ったんだ!! 誰も……オレの奥底に眠る深い闇には気がつきはしない……。
なのに……何が知ってるだ!? 何がオレはオレの事を知らないだ!! なら、知ってるのか!? オレの闇を!? オレの裏の姿を!? いつも何かに脅えて……それでも、平然としていたオレの事を!? お前等は……何を…………知ってるってんだ…………ッ!
何も知らないで……。何もわからないで……。何も気がつかないで……。
お前は……お前等は………オレの何を……本当のオレを知っているのか!!!??
無責任に言っても……オレは結局は……何も出来ないんだ。
ずっと前から……そして今も……
何も……出来ないんだ。
弱い……オレは、強くなんか……ない。
オレは………何より弱くて……脆いんだ………。
オレは……幼馴染みとしては……柴原魅夜を知っている。
だけど……心の内で考えてる事なんか……わかる筈が無いんだよ……。
オレがレプリカだからかも知れないけど……オレは柴原魅夜を知らないように……お前も知らないんだろ? オレは………幼馴染みとしての……お前しか……知らないんだよ。わからないんだよ……。オレもそうみたいに……お前もなんだろ? 幼馴染みとしてのオレしか知らないんだろう?
たかが……幼馴染みなんだろ? |