【69話】オレ【前編】
…………寝つけない。
梨由じぃの話しが原因ではない。
ただ……ほんの少し……。
時間がほしいだけ……。
「…………」
静かに時間だけが過ぎて行く。
オレは両ポケットに手を突っ込んで、じっと、エセイギリス紳士を見据える。
「……お主は自分はなんだと思う?」
「は?」
突然の事にどうしたら良いかわかんなった。
でも、1回深呼吸をして、正直に話す。
オレを
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自分は不完全な存在だ。
自分がレプリカだってのもあるけれども……、それ以前に……
オレの余命は短くて……それ自体で……不完全だったんだ。
心が……何時も闇に飲まれていたんだ。
毎日がセピアに褪せて見えていて、オレは逃げ道を通った。
何時も、ゴールの無い逃げ道を通って、自分の居場所も無くて……。
父さんも母さんも、じっちゃんもダレも家の中にいなくて……居場所ってものを知らなくて…
ずっと、一人で寂しかったし……ダレも信じれなかったんだ。
いっつも、ダレからも嫌われていた。他人の眼が恐かったんだ。
魅夜が1番恐かったのこも知れない、彼女に嫌われたくなかったんだ。
彼女が好きだった。ハハ、多分…オレが俺のレプリカだからかな?
ま、いつもオレの前で笑顔でいてくれた彼女が救いだった。
だから、一層…恐かった。いつ、他のヤツ等と同じ眼で見るのかって?
オレを見ないで……化け物のオレを見るんじゃないかって?
嫌わないでほしかった……たとえ、この気持ちが偽りだとしても……
オレは、彼女にだけは嫌われたくなかった。
だから、心の中には余裕がなかったんだ。何時も魅夜の眼が恐かったんだ。
その眼で……なにを見てるのだろうかって、幾度も考えた。
それが、2年くらいした時に、なんか……信じ合えるってか……共感って言うのかな?
そんな大切な仲間が出来たんだよ……そいつ等が、また強烈なヤツ等でよ……。
有名な寿司屋の跡取りと、馬鹿な紅髪。
この2人には、何故か素直に……何故か、真正面から付合えたんだ。
共に笑って…共に喧嘩して生きて来たんだ。
不思議だよな? 不思議と……暖かかったんだ。
居場所を……始めて感じられたんだ。
そりゃそうだよな……オレには最初から居場所なんてものは無かったんだからさ。
そいつ等は兄弟かな? そんな感じがしたんだ。
何時の間にか、魅夜の眼を気にしなくなった……今ならわかる、オレは……
アイツに居場所を望んでいたんだ。オレがオレでいられる場所を……。
他人よがりで、自分はなにもしなかった。
学校には居場所があったけれど、家に居場所がないのは苦しかったんだ。
一人でテレビを見ても……。
一人で料理を食べても……。
一人で風呂に入っても……。
一人暮ししたいヤツには悪いが……最悪なものだった。
その時までは夜が嫌いで昼間が好きだった、学校には居場所があるけれど、家に……
本当にあるべき場所に居場所がなくて……。寂しかったんだ。
だから、高校へも進学した。その時に厄介な阿呆に合ったんだよ。
レナ・フォード=ライズ・ハールド……正真正銘の始めてできた家族だ。
アイツが居候に来てからいろんなドタバタがあった……。
そすしている内に、気がつかない内に……自宅にも居場所が出来たんだ。
でも……本来はオレの居場所じゃないんだって、知った。
オレは、人間ではない人間だと知った。
だから……オレは“俺”の居場所を汚さない為に巣立ち……って言うのかな?
遠くに逃げたんだ……。自分のタメに……自分の罪を……なんとかしたいから。
そして、零時に出会い、ミヤに出会い……お嬢……瑠依にも出会った。
オレは、“雨宮和也”を語る資格がないから……“荒川文也”って名乗ったんだ。
それは間違いだった、全部から逃げてる証拠だった。元に今でも逃げてる。
本能が怒ってるけど、理性が全てを受け流そうとしていた。
苦しいことからも。見詰めないといけないことも。
本当は!! 本当は……なにが大切かわかってるのに………………。
オレは……オレは………………………ずっと逃げた。
“レプリカ”ってのは、オレが1番大事にしていた……
『自分が自分って言えるなら自分だ』それを、打ち砕いた。
オレは何者では無くて……ただの写し見。鏡に写る自分でしかないんだ……。
ただ、違うのは……写ってるのが動く、魔法の鏡だと言う事。
それは…………………。
夢みたいに儚くて。現実味がない。
だけど、本当の事なんだ。
だけど、生きてるんだ。
だけど、違うんだ。
だけど、オレだ。
息をしてる。動脈も動いてる。心臓も……。
だけど……全部、仮想。夢の中……インドリームってか?
ハハ……オレは結局、自分に自身をもてない。自分がわからない。
オレはオレでない……なら?
オレは“レプリカ”人間。偽りの人形。
あ〜〜。無駄に頭を使ったからいてぇや。
頭のできも完璧なら相当の馬鹿だな? “俺”も……いや、俺はか?
あ〜ぁ。なんで、コイツなんだろ? それならもっと大富豪とかさ?
そんな連中のが良かったよ♪ でも、なんか……それは違ってって……。
もう、何を言ってんのかわかんねぇや……。
でも、コレだけは……なんでか言える。
ココで良かった
幸せだったって
悔いはあるけど
今度こそは……
人間として……
出会いたい……
レプリカとかじゃなくて……普通の人間で……………………
友達として!!!
ハハ……眼から汗とは変な体質だな? オレ……いや、元なんだから俺かな?
めっちゃ、しょっぱいは……。
あぁ〜。速く止まらないかな?
オレは! 泣いてなんかないぞ? 何度も言うように汗なんだ!
眼からでる怪奇現象のな…☆
……………………………………。
……………………………………。
……………………………………。
う〜〜し。止まったぜ♪
んで? 梨由じぃ? 何処まで話したかな?
あぁ。そうそう……。
もし、出会えたなら、それは奇跡だ。似合わないが運命って言葉を使う。
へへ♪ みんなに出会いたい……オレは。大切な親友全員に。
オレは………死んでも構いはしない!
オレは………死んだ方が良い奴だし……。
オレは………居るべき存在じゃない。
オレは………まだ少しでも……みんなと共にありたい!
教えてくれ、梨由じぃ……
オレ、雨宮和也レプリカの事を!
受け入れる。その闇を!
オレは……なんなんだ?
雨宮和也レプリカは……
何故、存在する!!
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