第十一話*出張前の戯れ*
「恋」それはそれは素晴らしいもの!
あぁ、恋・・・
「・・・・・はぁ、彼女欲しい」
いきなり何を言いだすんだと思っただろう。
いや、思わないやつがいるはずない。
・・・・・なぁ、諸君。
普通、俺みたいな異世界に送り込まれる主人公には相方、またはいずれ彼女になる子がいるはずだろ!!
なのに!なのにいないんだよ!
相手がいないんだよ!!
俺だって男だ。
彼女の一人や二人欲しいと思わんか?
いや、別に二股したいって分けじゃない・・・・一人の子を一途に愛しますよ?
すぐにセクロスってわけじゃなくて、ね?
「トモユキ、なにをぶつぶつ言っている。気色悪い」
「ほっぼっうはっわー!ビックリしたー・・・なんだ、隊長か・・・」
「なんだとは何だ」
「いえ、なんでも・・・ところで隊長何か用ですか?」
ここ俺の部屋なんだけどね・・・ノックぐらいしてほしいものだ。
「いや、ちょっと王の命でトモユキを呼んで来いといわれてな」
「そうなんですか。一体なんの用でしょうかね?なんかきいてます?」
どうせろくな事じゃねぇだろ・・・。
「いや、聞いてないな。ほれ、行くぞ」
「あ、はい」
隊長は俺の腕を掴んで無理やり立たせた。
ちょっと腕痛い。
*****************
まぁ、そんなこんなで王様の扉の前に到着。
今現在俺一人。
何でかっていうと・・・
―――――――――――――――回想―――――――――――――――
俺と隊長が広くてなが~い廊下を歩いてる時のことでした。
俺と隊長、二人の間に流れる沈黙がとてもとても耐えられるようなものでなく、
「そ、それにしても・・・今日は相手しろってせがんできませんね」
と、俺から話を振ってみた。
「まるで私が子供の様な言い方だな」
隊長はちょっと頬を膨らませて不貞腐れながら言う。
「じゃぁ俺はその子供に遊び相手をしろとせがまれてる大人ですね」
「稽古は遊びではないぞ」
「稽古、稽古と四六時中稽古ばっかりしてるような人は稽古が遊び見たいなもんですよ」
「う、うーむ・・・」
何か考え事をする様に隊長が顔を俯けた瞬間、
「トモユキ!」
遠くから聞いた事のあるような声が聞こえてきた。
が、
俺は聞こえなかった振りをし、隊長の手を取って走り出した。
「お、おい!トモユキ!今の声はっ・・・!」
「お願いです!言わないで!」
そういうと走るスピードを上げた。
「ちょっ!と、トモユキ!は、はやい!」
「あ、す、すいませんっ」
ゆっくり立ち止まり隊長を振り返ったら・・・
「なかなか、早いんじゃなトモユキも!ハッハッハ!」
すぐ後ろに姫様がいた・・・。
「え・・・」
うそ、マジで?えなんで?
結構なスピードで走ったはずなのに?あれ?
「はぁ、はぁ・・・・はぁ・・・姫様はこの城の誰よりも足が速いのだ・・・」
ちょっと息が上がってる隊長が簡単に説明してくれた。
「まじっすか・・・えー・・・」
「驚くのは無理もない!妾は戦闘はからっきしじゃが、体力と足には自身があるんじゃ!」
ない胸張って言うな、小僧・・・。
「隊長、姫様のこと任せました。俺、王様とこ行ってきます」
そういって隊長の肩にタッチして、さっきより数倍の速さで走り出す。
後を追ってこようとする姫様を隊長が押さえつけ俺はなんとか逃げ切ることが出来た。
―――――――――――――――回想終了―――――――――――――――
という訳で現在にいたる。
それにしても姫様何のようだったんだろ。
ま、別に大した用じゃないだろ。
さっさと王様の用事済ましちゃお。
ギギギギギー
扉のおもぐるしい音が響く。
「やっほ、きたよー」
「おお。きたかトモユキよ」
相変わらず玉座の上で踏ん反り返っている王様。
王様の隣でニコニコとした表情を崩さない王妃様。
王妃様は今日も一段ときれいだ。
姫様も王妃様に似て生まれてきてさぞ幸せだろうな。
「うん、で何のようだ?」
とっとと本題に移って部屋に帰って寝るか。
「うむ、私の代行者としてお前とユーフィクで隣の国、アクア王国のパーティーへ出てもらいたい」
「いやです!」
即答だった。
自分でも惚れ惚れするほど綺麗な返答だ。
だって・・・パーティー?
なんでそんなものに・・・燕尾服なんか着て出るの?
いやだよ。
あんな厚化粧で香水の強い貴族様がたがうじゃうじゃいらっしゃるところになんか行きたくない!
「なぜだ!私の代行者だぞ!とても名誉なことだ!
それにアクア王国は清らかで空気も水も魚も!
とても良い国だぞ!あそこの国の王は私の幼馴染でもある、悪いようにはせんぞ」
そこまで褒めるならなんで自分で行かねーんだよ・・・。
「じゃぁ、王様が行けよ!」
「い、いや・・・私は・・・えっと・・・ちょっと用事があってだな・・・」
「なんの用事だよ!」
「う、うぅ・・・ユーネ・・・・」
王様はユーネといいながら王妃様の方を見た。
王妃様に助けを請うとは・・・
「あらあら、こんなに落ち込んじゃって。仕方ないわね」
王妃様は王様の頭をヨシヨシと良いながら俺の方を向いた。
王様がまるで子供だ・・・・。
それにしても、こんな綺麗な人に甘えられる王様はうらやましい、恨めしい・・・・。
「トモユキさん。この人はあそこの国の貴族がとても苦手なの。
お願いだから代わりに行ってくださらない?」
だから俺も貴族嫌いなんだって・・・。
「お言葉ですが。
その貴族様方のことを話してもらわないと、どう苦手なんだかわかりません。
ちゃんと説明してください」
「そうね、あそこの貴族たちは色々と酷くてね。
言ってはなんだけど優秀だけど性格に問題がある人たちばかりなのよ。
それをこの人の幼馴染のアクア王国の王の彼がなんとか圧力で大人しくさせているのだけど・・・
彼がいないとコロッと態度を変えて・・・・まぁ、ここからは言わなくても大丈夫よね」
よけーいきたくねー・・・
「・・・はぁ、じゃぁ俺が無理やり力で押さえつけても構わないですか?
それなら行きますけど」
「フフフ、そうね。
そこら辺は無理に行ってもらうのだから構わないわよねあなた。
彼に怒られても」
王様に向き直る王妃様。
「・・・う、うむ。し、仕方ない・・・トモユキよくれぐれもユーフィクを頼んだぞ!」
王妃様のすがり付く王様。
なんともみっともない。
「はぁ・・・。かしこまりました。ところで出発はいつですか?」
そう聞くと、王妃様は本当に申し訳なさそうな顔をして謝った。
「ごめんなさいね。今日中に出発してほしいの」
なんで早く行ってくれなかったんだ・・・。
「だ、だって、今さっき決めたばかりだからな」
「だってじゃねぇえええええ!」
*****************
「はぁ・・・最悪だ災難だ・・・なんで俺に白羽の矢が・・・」
あのあと、
キレて王様に飛び掛ろうとした俺を護衛の人たちが束になって押さえつけていたが、
力及ばず、王様は俺から拳骨を一発くらい王妃様の膝の上でシクシクと子供のように泣き。
それをみて、イライラした俺が護衛の人他たちを薙ぎ払い。
散々暴れて気が済んだ俺は一旦部屋に戻ってブツブツ不満を言いながら準備に取り掛かった・・・ところだ。
コンコン
扉を叩かれる音がした。
「どうぞ」
ガチャッ
「ずいぶん不機嫌そうじゃなトモユキよ」
扉を開けた主、ユーフィク姫はそういいながら俺に近寄った。
「アクア王国に行く話しは聞いてるんですよね・・・・準備はいいんかよ。今日中に出発だろ?」
「妾はトモユキと違って前々から聞いておるからの。準備はとっくに終わっておる」
「そうかい」
どうせ姫様だからお父様と一緒に行く予定だったんだろ。
「ところでトモユキよ。誰がトモユキを選んだかわかるか?」
「どうせ王様本人だろ」
「ふっふっふ、違うな!選んだのは妾じゃ!」
「・・・・・・・・」
ゴッ
「~~~~~っ!?」
無言で俺に頭を殴られた姫は両手を頭に置き、それはそれは本当に痛そうに床に這いつくばった。
「・・・なるほど・・・別に俺じゃなくても婚約者のシャンでもよかったはずなんだよな。
あいつ顔良いし、人当たりもよさそうだし、なにより礼儀正しい。
俺よりあいつのほうが適任だもんな。それなのに俺が選ばれたのは・・・
おかしいと思ったぜ」
そうか、そうかー・・・こいつが原因か・・・・。
ぶるぶるハムスターのように震えてる姫の腕を掴んで無理やり立たせる。
「っ!?な、ななななにをするんじゃ!!」
怯えながら涙目で俺の顔を見上げる姫はかわいいものだ。
だが、許しはしない。
「自分がやったことがどれほど愚かだったか思い知れ!!」
俺は姫をベッドの上に投げその上に乗っかった。
押し倒したような状態だ。
「地獄を見せてやる」
地獄、それは俺が小学校4年のとき、親友の姉から受けた屈辱。
あの頃は本気でお婿にいけないかと思った。
それを今、俺は幼女に・・・・
あの時の気持ちが分かるとても分かるよ。
・・・・・とても興奮するよ。
「ちょうど準備も終わったし・・・出発まで・・・まだ時間はある」
「と、トモユキ?!」
顔を真っ赤にした姫が俺の目をじっと見つめる。
「だめじゃ・・・目が、据わっておる・・・」
姫の顔に自分の顔を近づけ・・・・あと、数センチでキスをしてしまいそうな距離。
もっと顔を近づける。
キスをするように見せかけ・・・・耳元へ。
耳を薄っすらと舐める。
「ひゃっ!?」
そして、ゆっくり唇を動かして
「出発まで、くすぐりの刑だ」
「いやぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああああああああああああああああ!!」
姫の悲鳴は城中に響いたそうだ。
―――――――――おまけ―――――――――
「!?姫様の悲鳴が聞こえてきますわ?!何事でしょう!フェイア、行くわよ!」
「フフフ、大丈夫ですよー。
トモユキさんの部屋から聞こえてくるからきっと大丈夫ですよー
どうせ、また姫様がトモユキさんに悪戯したのだと思われます」
なぜフェイアが声の発信源は智幸の部屋だとったかというと、
炎体制の監視型で探査能力に特化しているからだ。
「そ、そうね・・・。姫様のことだからトモユキ様に何か迷惑をかけたのよね・・・」
「はい!ところでユネフさんはトモユキさんみたいな方がお好みなんですか?
様なんか付けちゃって。この前はシャン様ー!ってキャーキャー言ってたのに」
ユネフと呼ばれた少女は頬を赤らめて
「だって・・・トモユキ様ったらシャン様に劣らず、とても凛々しくて野性的でかっこ良くて、隠れファンも多いのよ。ああ!トモユキ様ー!」
鼻血を出しながら倒れてしまった。
「えっ!ちょっと!ユネフさん!?しっかりして下さい!
トモユキさん、意外とモテますね・・・横暴なのに。鈍感なのに。でも・・・優しいところも・・・」
フェイアは頬を紅く染めた。
こんな純情な少女たちを虜にしてしまう智幸は、彼女たちの気持ちに全く気付かず今も心の隅でモテモテ清潔系イケメンキラキラ男シャン君を恨んでいるだろう・・・。
―――――――――おまけ終了―――――――――
お久しぶりです。
一年ぐらい投稿してないとは・・・
長い間お待たせして申し訳ありません。(←も待ってないからw
久しぶりの投稿なのでちょっとおかしいところがあったらご指摘お願いします。
時間があればどんどん投稿したいと思ってます。
でわ、また次回!
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