4-美形兎と非常識
きっとどうかしてた
何故あの時差し伸べられた手を払わなかったんだろう
逃げれるはずだったのに逃げなかったんだろう
「・・・リ・ス!」
夢なら早く覚めてしまいたい
「・・・アリ・・・ス!」
もう少し寝させてよ・・・
「アリス!!!!!!」
「!!!」
耳元で叫ばれたらそりゃ誰でも起きるけど
あまりにも驚いてほんの数秒固まった
「あぁよかったアリス!気がついたんですね」
なんか白々しい台詞ね全く・・・ん?
「アリス?てかアンタ誰よ」
「あぁ忘れていました。僕の名前はホワイト・ラビット気軽にホワイトとでもお呼びください」
そう言い微笑む彼は、さっきの兎人間と同じ服に同じような耳なのだが
顔は洋風なキレイな顔立ちで髪と目が透き通るようなブロンド、
つまり金髪に青い目、その上肌の色も白い
(こういうのを美形って言うのね)
なんて思いながら起き上がる
そういえば、
「ここはどこですか?」
私の言葉に彼は少し驚いて、どこに隠していたのか一匹の兎を取り出す
「この子に案内されたでしょう?」
などと言う。
この子って・・・唯の兎じゃない・・・ん?兎?
顔が青ざめていくのが分かる
「ここって、穴の・・・?」
「そうですよ」
ああああああああああああ
夢じゃなかったんだ
やっぱり私は穴に落ちてホラーを目撃していたんだ
いや気づいてもおかしくないだろう
だって、目の前にさっきと同じ服着た人がいるんだもの
「とりあえず、場所を移しましょうかアリス」
さっきとは違うワントーン低い声
急に何よ〜・・・怖いじゃないのよ〜・・・
「気づかれる前に」
「え?」
また意味不明発言ですか
私は今の状況の99%分からない状態なのに。
あ、分かっている1%は私が知らない人についていったってこと
「アリス、お手を」
また手ですか、また変な展開になるんですか
「アリス」
急かされているようなので
しぶしぶ私は手を差し出す
視界が一気に青くなった
「・・・・は?」
さっき居た場所は一言で言うなら闇
どこまでも続いている闇の中
そして今は雲ひとつないような青い空が地上を照らしているのだ
兎は私の手をグイッとひいて
腰に手を伸ばす
「ちょっと!!」
吃驚しているのもつかの間
空中で私はお姫様だっこをされた
「ちょっちょっと!!???」
私はこの瞳のせいで彼氏なんていたことがなかったから
こんな漫画やテレビでみるようなことは初めて
「アリスを支えないと落ちてしまいますからね」
兎は笑顔でのんきにしゃべる
確かに落ちたら死んでしまうだろう
しぶしぶ私は兎の首に腕を回して自己防衛をした
そういえば、落下しないのはなんで?
だってさっきの場所から跳び上がったのだから
落下するのが自然の法則でしょ
「あの?落ちなああああああああああああああああ」
質問している最中に激しい落下
さっきの穴に落ちるような激しい落下
「ちょっとちょっと死んじゃう!このままじゃ死んじゃうって!!!!」
「大丈夫ですよ」
その言葉通り、兎は空中を蹴ってまた跳び上がった
「!!」
本当に分からないことだらけ、
でもまた1つわかったのは《ここでは常識なんてない》それだけ
「アリス、下を見てください」
言われたとおり下を見る
「え?なんで?」
私が驚いたのはさっきいた場所が緑豊かな木が生い茂る森だったから
だってこれでもどうだっ!って位に闇が広がっていた場所が
怖いくらい綺麗な緑になっている
「驚かせてばかりですみません、もう少しで森を越えるのでそこでゆっくりお話します」
私の考え全てが見透かされているようだ
この兎、中々やるな・・・
なんてくだらないこと考えている私の視界には
大きなお城と街にちいさな村みたいなものが見えてきた
「あそこは?」
私の問いに彼は答える
「闇の国ですよ、アリス」 |