第47話:正体
第47話:正体
「けほっ…」
焦げ臭い。
ティマスは、咳き込みながら眼を細め、敵の姿を探したが、
路地には煙が立ち込めており、前で護衛している親衛隊員の背中さえ微かにしか見えなかった。
ディーミの放った火球は制御を失い、中途半端な状態で爆発したが、
少しずつクリアになっていく視界ですばやく周囲を確認したところ、
仲間には怪我人はいないようだ。
少し離れたところに黒い影が倒れている。
親衛隊員達が、慎重に近づいていく。
その様子を眺めていたティマスは、ふと振り返ると、地面にへばりついている凛を見下ろした。
鼻を押さえ、涙目で彼を見上げる凛に、呆れながら小さくため息をついた。
「まったく…なぜディーミをいきなり止めたのだ?危ないだろう」
「だって…」
凛がふらふらしながら立ち上がろうとしたその時、
倒れていた黒マントの人物が、ゆっくりと頭を上げ、震えながら右手を再び上げた。
「なっ…!?」
接近していた親衛隊員達が慌てて跳び退くが、
黒マントの人物が攻撃してくることはなかった。
「…?」
「ホ…ンジョウ殿…」
微かに聞こえた掠れ声に、凛が飛び起き、慌てて黒マントの人物に駆け寄った。
「ご、ごめんなさい!シークスさん大丈夫ですか!?」
凛の言葉に、親衛隊員達の視線が一斉に凛に突き刺さった。
「隊長…? この者をご存知なのですか?」
「…そうなんです…」
凛は、黒マントの人物の側に膝をつくと、フードを取った。
トルシアの平均的な、地球でいうなら西洋風の容貌が現れたが、男の
目は閉じられ、顔色は青白い。
力尽きて気を失ってしまったようだ。
フードに隠れていた髪も、よくある茶色だったが、髪の毛は
今の彼の状態とは正反対に、元気よく跳ねていた。
「この人は、シークス・ムオー。
僕達の新しい仲間です」
気を失ったシークスを、
近くの宿に運び込み、ベッドに寝かせると、
ディーミが彼に回復魔法をかけている間、凛の説明を聞くことになった。
「気がついたら一触即発で、説明する余裕がなかったんですが…
勘違いがありましたけど、この人はちゃんと僕達の仲間ですよ」
凛が苦笑しながらそう切りだすが、続きを話す前に、
ポポスが、珍しく険しい表情で凛に食いかかった。
「隊長、一体どう言うことですかっ?!この者が仲間などと…!
私は、こんな怪しいやつなど信用できませんっ!! 僕らに攻撃して来たではないですか!」
まだ警戒をとかず、シークスから目を離さずにいる。
「まあ待て。この者と知り合った経緯も気になるが、
リンが我々の仲間だというのなら、信用できるのだろう。
今は、ククの救出が最優先だ。」
「殿下の仰るとおりです。
隊長、ギフロンに敵が潜んでいると
いうのは確かなのですか?」
ティマスとカーリスがポポスを落ち着かせ、凛の話を促す。
「確かですよ。シークスさんから、これを通して連絡を貰ったんです。」
凛は、そう言うと、右腕を掲げた。きらりと腕輪が光った。
お久しぶり(かなり!)です。
短いですが、47話です。
これからは、あせらず、でもこつこつと
最後まで書いていきたいです。
途中でほったらかしにしてしまい、すみませんでした。
お付き合いいただけたら嬉しいです。
これからも宜しくお願いします!
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レーミアの空絵巻
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