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  秋と春。 作者:春風 爽
プロローグ
「ったく…さっきからうるさいって言ってるだろう。パリパリぽりぽりうるさいんだよ! ちょっとは黙っとけよ春!」

 勉強机に座って勉強をしていた秋が後ろを振り返り、春に怒鳴った。顔を真っ赤にしたかと

思うと、後ろを振り返ったままの秋の顔が真っ青になっていった。震える手で春を指差し、口

をパクパクさせた。 

「何、秋? 何におびえてんの? しかも、酸欠の金魚みたいに口パクパクさせちゃってさー」

手にポテチを持った春はおかしそうにくっくっくっと声を出さずに笑った。

「お、お前…なんだよ、このゴミの山っ!!」

「何って? 見ての通り、お菓子の袋と箱だけど?」

春はポテチの袋に顔を突っ込んで「あれ?無くなっちゃった…」とつぶやくと袋を逆さにして

ポテチの欠片を口に流し込んだ。そして、ぐちゃぐちゃっと袋を丸めてポイと近くに投げ捨て

た。

「お前、このゴミどーすんだよっ!」

ゴミの山を見てみると、ポテチやポッキー、プレッツ、プチシリーズ、チロルチョコ、トッ

ポ、プッカなど、さまざまなお菓子のゴミが床を埋め尽くしていた。しかも、ご丁寧にゴミは

春の右側の一か所に集められ、ゴミの山がつくられていた。

「どうするって言われても…」
 
春は自分の左側から『紀州うめプレッツェル』を手に取り、箱から小分けの袋を取り出してバ

リっと破るとおいしそうにポリポリと食べ始めた。

「…春。反省の色が見られないんだけど…?」

「だってうまいもん。秋も食べてみる? 厳選海人の藻塩を使用! さらに、さらに、紀州産

の大粒“南高梅”を使用してるんだよ。このうまさは食べんと分からん分からん」

早くも2袋目の袋をバリっと破り、1本口にくわえ、もう1本を秋に差し出し「食べる?」と

聞いた。

「いや、いい。俺はお前のように毎朝毎晩お菓子食ってるような奴になりたくないから」

「いいじゃん。別に減るもんじゃないしー」

「それ、答えになってないよ。ってか、お菓子は減るし、お金も減るし……」

「まぁ、まぁ、気にすんな!」

「……まったく、気楽なヤツだ」

「この家にいるのが俺のホントの母親じゃないくせに?」

「…春?」

「思ってんだろ? 違う家にいるくせにのんきな奴だって」
 
春はプレッツェルを口にくわえると、ポキっと音を鳴らして2つに割った。

「…思ってない。春は無理してる。…小さいとき、飴好きだったのに俺があげても食べなくな

ったし…」
 
「誰だって、好き嫌いはあるものさ」
 
「誤魔化すなよ」

「誤魔化す? ホントのことだよ。全部事実だ。俺が母親に捨てられたことだってな」

「春。もう止めようよ」
 
「あぁー、ワリー。ついつい、思い出しちゃったよー。悪いな。ごめん」
 
「いいよ、春は悪くない」

春は照れたように笑うと「ごめん。こんな弟で」とつぶやいた。秋には聞こえてなかったよう

だが、お菓子を食べるのを再開した春を見て、唇を緩めた。

「そのことはいいんだけど…ゴミはちゃんと捨てようね、春くん?」

「ゴメンナサイ」

春はプレッツェルの袋を逆さにして欠片を口に流し込んだ。
読んでいただきありがとうございます。
初めて、こんな小説を書いたので、受けがいいかは分りません。もしよければ、今後の参考にしたいのでアドバイスや感想など下さい。
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