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婚約者は、私の妹に恋をする 作者:はなぶさ

これが、本当の最後なら。

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12

ソレイルの友人が「あのとき」本当は何を伝えようとしていたのか今生の私には知りようがない。
きっとこの先も知ることはないのだろう。そう、願う。
あのときのようなことはもう、こりごりなのだ。
それに恐らく、あのときと同じような状況にならなければ、彼だってあんな顔をすることはないのだろう。

友人の婚約者が投獄される。

それはとても身近な出来事のように思えるが、実際は他人事に過ぎない。
友人の悲しみを図ることができたとしても、口も聞いたことのないような婚約者が投獄されたところで同情の余地はないだろう。むしろ、憎むかもしれない。友人を悲しませた罪人を。
それでも彼は、あの場所にやってきた。
ただの顔見知り程度の仲だったにも関わらず。
もしくは、本当に憎悪しか抱いておらず、その無様な死に様を見に来ただけかもしれないけれど。
そうだ、私は確かにそう思っていた。
彼は私を嗤いに来たのだと。

だけど、多分、違った。
なぜなら、彼自身が貴族であるからだ。
貴族というのはそもそも、牢獄のような場所とは無縁の存在である。
身内ならいざ知らず、赤の他人がただの酔狂で来れるような場所ではない。
周囲の人間は、それこそ必死になって止めるだろう。清潔とは言い難く、どんな病が蔓延しているかも分からない場所に貴人が行くというのはそれほどのことなのだ。
それに、囚人というのは凶暴で攻撃的だ。護衛が居たとしても何が起こるか分からない。
だからこそ、そんな場所に貴族を送り込もうとする人間など居はいない。
そうであるなら、彼は自ら望んであの牢獄へ来たことになる。
もしかしたら、その為にいくらかのお金を渡したのではないだろうか。
貴族をあんな場所に立ち入らせたとなれば、牢獄の番人たちも無事では済まされないのだから、何らかの報酬を要求しただろう。

そうまでして私に会いに来た。そして、泣きながら謝ったのだ。
その言葉の真意は分からないけれど、私が死ぬことを嘆いているようだった。
そして、助けられないことを悔いているような、そんな感じがした。
―――――だとすれば、

「私が、冤罪だということを知っていた……?」

そんな考えまで行き着いて、だったら何だと言うのかと頭を振る。
今更だ。そう、全ては「今更」なのだ。
私の冤罪は、シルビアが死んだことにより初めて成立するものである。私の存在を邪魔だと感じた誰かが、シルビアの死に乗じて罪を被せたのだ。つまり、全てのきっかけはシルビアの死であり、シルビアが生きている限りは成立しないことなのである。
シルビアを生かすことが、私の命題になるのはそれが理由だ。
いつかの人生では、私は茶会のすぐ後にシルビアを守る為に動き出していた。
図々しくも侯爵家夫人にシルビアの護衛を頼んだことだってある。その裏側で強盗団の特定に動いた。
今はまだ学院生であるから力が足りないけれど、ソレイルと結婚することが決まっている私には、少なくとも侯爵家の後ろ盾がある。
だからその内、私の背後にある力を利用しようとする人間が徐々に集まってくるのだ。
それを、知っている。
ソレイルは生まれながらの高位貴族で非常に警戒心が強く、本当に信頼している人間しか傍に置かない。信頼の置ける人間からの紹介でなければ親交を深めることもないというのは周知の事実だ。
そのせいか、私の周りには身元のしっかりした人間だけでなく、素性の怪しい人間も集まってくる。
ソレイルに近づけないのであれば、その婚約者に。というのは当然の心理だ。
本来なら、そういう人間を遠ざけることは難しいことではない。それこそ、国家の暗部を牛耳っていると言われる侯爵家の力を利用すれば、簡単に離れていくのだから。

しかし、ソレイルの母親は涼しい顔をして言うのだ。
『どうせ誰かに利用されるのであれば、防御に回るだけでなく、己も他人を利用すべき』だと。
利用される人間ではなく、利用する人間になれと微笑する。
そして私はかつて、彼女の示す道をただ歩いた。

「……堂々巡りね」

呟いて、誰もいない廊下を歩く。
窓ガラスの向こう側には中庭が広がっている。咲き誇っていた白い薔薇も散ってしまったけれど、いつの日か、ソレイルとシルビアが寄り添っていたベンチも見えた。
確かに何事かが変わっている気がするのに、自分の望む方向には進むことができない。
見えない強制力が働いているかのように。私はいつだって、全てを奪われる。
それを知っているから、先の見えている人生だからこそ、望むとおりにする為に少しずつ修正を加えて。
最終的にはどうにもならないところまで堕ちていくのだ。

例えば、私が何も知らない人間であれば。本当はもっと、いい人生を歩めるのではないか。
先が見えないというのは、行く末が何も分からないというのは、本当は希望に満ちた人生のことを言うのではないだろうか。
苦しみも悲しみも、あるいは喜びも愉しみも、この手で選択できる「可能性」がある。
それだけで、本当は恵まれた人生なのではないだろうか。

私は本当に、何かを選んでいると言えるのか。
自分の、大きいとは言えない両手に視線を落とす。
私がこの手に抱えているのは、いつだって虚しさと過去の幻影である。全てを投げ捨てて、ここではない何処かへ行こうとしたのはいつの日だったか。

*
*

「……お嬢様?いかがなさったのです?」

父の仕事を手伝っているアルは、いつも私の傍に居るわけではない。
私の護衛であるにも関わらず、常に傍に居ないというのはおかしなことと言えるが、それはあくまでも一般的な考えである。
護衛はいつも護衛対象の傍にいるべきという常識は、全ての貴族にあてはまるわけではないのだ。
そもそもただの学院生でしかない私が、危険な場所へ赴くことは、まず、ないと言える。
屋敷から出るときは侍女や侍従を伴っているし、少なくとも一人きりになることはないので、護衛が居なければ身動き一つできないということでもない。
更に言えば、学院内の安全対策は万全であるから専属の護衛を伴う必要はないのだ。
学院騎士と呼ばれる予備騎士隊が持ち回りで任についている。

つまり、屋敷と学院内しか行き来しない私のような人間には、本来なら護衛は必要ないのだ。
アルが私の護衛を務めているのは、あくまでも私がソレイルの婚約者だからである。
彼を雇い入れたのは我が家ではあるが、彼への給与はその一部を侯爵家も負担している。
つまり、いつかの人生で、アルの護衛対象が私からシルビアに変わったのは、そこに侯爵家の意向があったからとも言える。
私の両親からの強い主張もあっただろう。だけど、侯爵家は最終的にそれを認めた。
私はそのとき既に、両親にも侯爵家にも見限られていたということだ。

侯爵家を取り仕切っていたのはソレイルの両親であったけれど、私個人に関する裁量権はソレイルにあったはず―――――。
ソレイルは、全て承知で私よりもシルビアを選んだのだ。

「お嬢様?」
「……ああ、アル。ごめんなさい。ちょっとぼんやりしてしまって」
「……お帰りが早いようですが、どこかお具合でも……?」

ソレイルの友人と話をして、すっかり気が動転してしまった私はそのまま学院の外に出た。
授業中に学院外へ出るのは当然禁じられており、止むを得ない場合には事前に許可を得る必要がある。しかし、何事にも例外というもので、緊急時はその限りではない。
つまり、家族や親戚に何かあった場合や、病を患ったり怪我を負った場合のことである。
そういった場合に限っては学外に出る際に申請書を一枚提出するだけで、学院の敷地から外へ出ることができる。
それは普段の素行も加味されてのことではあるけれど。
そして、家の馬車を待つこともなく、辻馬車を拾って帰ってきたのだ。

「そうね、ちょっと体調が悪いのよ。少し休もうかと思って……」

私がそう言えば、想像以上に心配そうな顔をしたアルが、「お嬢様は普段から頑張りすぎなのです」と息を落とす。
「早くおやすみになって下さい」と、背中を押されるように自室へ誘導される。
「貴方、お仕事は?」と問えば、「お気遣いは有り難いですが俺のことなどどうでもいいのです」と、こちらを振り向きもせずに返された。
案じてくれているのだと、よく分かっている。
だけど、その優しさが何だか痛いような気がした。
彼の言う通り、私は今まで、自分でもどうかと思うくらい頑張り続けてきたのだ。そうしなければ、決して越えることのできない壁があったから。
だからこそ、今になってその努力を無に帰すような行いをした自分を恥じている。
もしかしたら、こんなことは初めてかもしれないと思う。

「お休みになる前に何か飲まれますか?」

廊下を歩きながら問われたので、肯けば、気配だけでそれを察した優秀な護衛は少し微笑んだようだった。

「お母様は?」
「自室で編み物を」

簡潔な問いに首を傾ぐ。

「休憩なさってるの?」

普段は、父の書斎に篭っていることのほうが多い。領地経営に関する書類の一部は、母が一人で裁量することもあるのだ。だからこそ、貴族の妻は無学であってはならない。

「……最近は、ゆっくりなさっておいでのご様子です」

歯に物が挟まったような物言いに足が止まる。振り返れば、斜め後ろに立っていた護衛も距離を詰めることなく立ち止まる。私の足が止まることをあらかじめ予測していたようだ。

「どういうこと?」
「そのままの意味です」

確かにそのままの意味なのだろう。だけど、そうだとすればそれは少し問題である。
母の請け負っている仕事が、ある日突然、減るということはないのだから。
シルビアが病で伏せれば看病をすることもあるが、それでも、母は己に与えられた仕事に励んでいたはずだ。少しでも父の負担が減るのであればと、夜も遅くまで書類と向き合っていたのを知っている。
シルビアは今日、学院であるから、当然病を得ているわけでもない。
つまり、母は現在、自分の仕事をしているはずの時間だ。

「……お父様は何か、仰っておいでなの?」
「いいえ」

これもまた、簡潔な答えだ。
父が何も言わないということは、全て承知の上で放置していると考えていい。もしも何か気にかかることがあれば家令なり侍従なりを使って事態の収束に当たるはずだからだ。

「……それなら、私が何かすべきことはないわね」

むしろ余計なことをして父の怒りを買う可能性がある。
母のことは父に任せるのが、一番良いのだ。

「お母様はお疲れなのかしら」
「ええ、恐らくそうでしょう」

今度は、特に違和感のない答え方だった。
実際、母の仕事は片手間でできるようなものではないのだ。判断を間違えれば、途端に領民が苦境に立たされることになる。
大きな決断を任されることはないが、それでも、塵も積もれば……というやつだ。

「後で顔を見せたほうがいい?」
「……それは、どうでしょう。しばらく一人になりたいと言っておいででした」
「そう……」

母がそう言うなら従ったほうがいい。多分そうだと己に言い聞かせて、

「そうだわ、お茶だったわね。飲みたいから誰かに言ってもらえる?」と、陽気に振舞う。
僅かに目を瞠ったアルだったけれど、一つ頷いてから返事をした。
「かしこまりました」
「ああ、そうだ。シルビアに分けてもらったお茶にしようかしら」

母が自ら煎じたという茶葉。だけど私は、ただの一度も分けてもらったことがない。
母がいつも我が家の専属庭師と熱心に話しこんでいたのは、母の煎じた茶葉には香草や薬草の類が混じっているからだろう。シルビアが少しでも健康になるようにと選び抜いたのであろう。
だから、母がシルビアのために煎じたのは、ただのお茶ではない。

「どんな味なのかしらね……?」

思わず零れた本音は、恨みがましく聞こえなかっただろうか。
実の娘である私は、健康体そのもので。食べ物や飲み物に気を配る必要はない。
だから、母が私の為に茶葉を煎じることはないのだろう。これまでも、これからも。

「……アル、そんな顔をしなくても大丈夫なのよ?」

眉間に皺を寄せた私の護衛が、何か言いたげにこちらを見ている。
けれど、何かを言いかけて口を閉ざした。
そして、「……我が家の懇意にしている商人が珍しい茶葉を手に入れたと言っていました。今度、お持ちしましょう」と言って小さく微笑む。
『我が家』というのは、彼の実家のことだろう。

「そうね、それは嬉しいわ」

いくらその茶葉が珍しいものであっても、私が直接購入することは難しくない。
出入りの商人に頼めば、二つ返事で用意することだろう。
だけど、それでは意味がないことを彼もよく知っている。
誰かに贈り物として渡されるからこそ、意味があるのだ。

母の煎じた茶葉を、苦いと言って不満そうに唇を尖らせたシルビア。
母親のすることに文句をつけることができるのは、娘の特権でもある。だから、あの子の態度は決しておかしいものではないし、責められるようなことではない。
ある意味正しい態度でもある。娘というのは時々、母親に反抗するものだから。
それにあれは、ただの茶葉であるし、素人の作ったものであるから一般的には無価値なものである。
だけど、私にとってはただの茶葉ではないし、無価値でもない。
だから、シルビアから母が煎じたという茶葉を手渡されたとき、私は『いいなぁ』という言葉を飲み込まなければなかった。

私の為に専属の侍女を選んでくれることはあっても、私の為に汗を流すことなどない母が。

シルビアの為になら面倒も厭わない。多忙であるにも関わらず、その隙間をぬって茶葉を煎じるのだから。
それを羨ましいと感じるのは、あまりに幼稚だろうか。
その感覚は、『私の可愛いお姫様』と抱きしめられるあの子を羨んだそのときと、全く変わりない。
自分でも進歩がないと情けなくなく思うから、平気な顔をするしかないのだ。

「すぐに用意させますから、お部屋でお待ちください」

自室の扉を開けるアルに肯く。恐らく侍女を呼びつけるのだろう。
そっと閉ざされた扉を眺めたまま息を吐いた。一人きりになった途端、疲労感に襲われる。
鏡台の椅子に座り込んでぼんやりと自分の顔を眺めた。
もしもこの目が紫だったら。もしもこの髪が銀色だったら。もしもこの顔がシルビアだったら。
私も誰かに愛されたのだろうかと、そんなどうしようもない考えが過ぎる。
私が私でなければ生きている意味などないと思うのに、それと同時に、私が私であるからこそ生きていられないのではないかとも思う。
ふう、と息をつけば、シルビアに渡された小瓶が目に入った。
室内の淡い光を反射してきらきらと輝いて見える。この小瓶も母が用意したものなのだろうか。
安物の瓶に、ただ茶葉を詰めただというわけではなさそうに見えた。七色に光るガラスが、いかにも特別に用意されたものだということを示している。
手に取れば、それが案外重たいものだということに気付いた。
赤いリボンが巻かれているのは、シルビアが飾りとしてつけたものだろう。私に贈るために巻きつけたのだと思うと、切ないような気分になった。

「シルビアは、悪くない」

そう、あの子は悪くない。呪文のように言い聞かせる言葉を、再び口にする。
妹は悪くないと言い聞かせる必要があったのだ。そうしなければ―――――。

ガラスの瓶を持ち上げて、何となくふたを外す。ふんわりと漂うのは、茶葉に交じっている花びらだろうか。何の花なのだろうと鼻を近づける。
少し酸っぱいような優しい香りだ。喉を通った香りが肺全体を洗うような爽快感に満ちている。
それはどこか懐かしいような気分にさせた。
……と、感じたところで。
僅かに交じる奇妙な予感に、思わず小瓶を遠ざけていた。
こほん、と勝手に咳が出る。そのまま続けて二度ほど咳が飛び出した。
寝ているときに出る咳のようだ。他人が咳をしているかのように感じる、それである。
「?」
意味もなく周囲を見渡した。咳が出る要因があったかもしれないと、ほこりが舞っているのではないかと空中を眺めてみる。もしくは、窓が開いていて砂埃でも入ってきたのかもしれないと視線を巡らせた。
だけど、普段と変わらず静まり返った部屋がそこにあるだけだ。
首を傾げながら、もう一度小瓶を眺める。それは何の変哲もない、妹からの可愛らしい贈り物だ。
ふたをして、鏡台の上に戻し息を吐く。もうすぐ、侍女がティーワゴンを運んでくるだろう。
時計がカチカチを時を刻む音と、己の呼吸音だけが響いている。その音だけに耳を澄ましていれば、この世界に私一人だけが存在しているような気分になった。
それは、私以外に誰も存在しない世界だ。
もしかしたら、その方がずっと良かったのかもしれない。
誰かに傷つけられることもなく、そして、誰も傷つけることのない世界。

「……誰も、いない場所か」

それはつまり、かつての人生で過ごした娼館窟の小部屋のようなものかもしれない。
自分の指先に視線を移して、あのとき、カラスと手を握り合って眠ったことを思い出す。
ああ、そうだ。だけど、私は一人ではなかったのだと思い出し、

「あのときの、薬」

全身が粟立った。
無意識に、大きく飲み込んだ息が「ひっ」と音をたてる。まるで何かに怯えているようだった。
違う違う、と自分に言い聞かせながらもう一度小瓶を手に取る。
なぜか、さっきよりも重みを増しているような気がした。

娼館に居たとき、私は長いこと空咳に悩まされていた。それをただの風邪だと思って放置していたから重症化してしまったのだ。高熱が出てからはあっという間で、1ヶ月も経過した頃には手の施しようもないほどに悪化していた。そして、そのときには治療らしい治療を受けることもできなくなっていたというわけだ。そもそも、医師にかかるお金もなかったから仕方のないことなのだけれど。
その為、できることと言えば、痛みを抑えることだけだった。
カラスが持ってきてくれたのは、そういう薬だ。
けれど、痛みを抑える代わりに意識も朦朧としていくような強い薬だった。
『間違っても、この病に冒されていない人間に飲ませるんじゃないよ』というのは、余命を確認する為だけに娼館の主が招いた闇医者だ。正しい診断をくだされたのかどうかさえ分からないけれど、死期が迫っているのは自分でも良く分かっていたので、それもどうでもいいことだった。
その医師に、『病に冒されている人間にとっては良薬だがね、あまりに強い薬だから、病に冒されていない人間が飲むと激しい眩暈や痙攣発作などの拒絶反応を起こして大変なことになる』と言われた。
何の成分がどのように作用するのか説明しなかったのは、私が娼婦であり、まさに意識が混濁していたからだった。簡単な言葉で、分かりやすく説明してくれたようだ。
死の間際にあってさえ尚、幾人かのご贔屓客は私の元へ通うのを止めなかった。だからこそ、恐らく念ために忠告しておいたのだろう。

赤い粉薬。あれは、独特の臭いを発する薬だった。

いかにも薬草のようなつんとした臭いに、少しだけ甘い香りがしていたのを思い出す。
いや、元々忘れていなかったのかもしれない。これほど、はっきりと分かるのだから。













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