Ω37
今日も今日もて私は酔っぱらってここでの家のチャイムを鳴らす。まあ正確には私が鳴らしたわけではなく、私を快方してくれたベンチュウさんが鳴らしたわけだけどね。既に帰ってたユングは面倒そうに玄関の扉を開いて、ベンチュウさんのその外見に呆けてた。
「すまない、どうやら飲ませすぎてしまってな」
「あっ、いえ」
明らかにベンチュウさんを見てビビってたユングだが、抱えられてる私を見て、なんか軽蔑してる様な視線を向けてくる。
「あはははー、ユングーたらいまー」
私はそういって毒気を向いてあげる。ベンチュウさんから離れた私はふらふらしながらユングの方へ倒れこむ様に歩いてく。するとユングは私を支える事はせずに、さっと横に避けた。私はそのまま玄関の中へと足を踏み入れたわけだが、むぎゃーとか言いながら頭から廊下へと突っ込んだ。
「こりゃーユングー」
私は尻を突き出しかのかの態勢のまま、ユングに文句を言うよ。毒気を抜くどころか、視線の温度がどんどんマイナスに下がっていく気がする。
「大丈夫か?」
「大丈夫でしょう。本当に申し訳ございません。そこらに捨て置いてよかったのですよ?」
なんかユングの奴がひどい事を言ってる。けどベンチュウさんはそういう人ではないのだ。まあ人ではなく獣人だが。それからも何やら少しやり取りをしてベンチュウさんは去っていった。うむ……できた獣人だ。それに比べてこの子供は……ベンチュウさんが去って扉を閉めてそれから私の横を通り過ぎていこうとするから足首を掴んでやる。
「なんですか?」
冷たい声が聞こえてくる。よっぽど酔っ払いには構いたくないらしい。まあその気持ちはわかる。自分で言うのもなんだが、酔っ払いは面倒くさいからね。
「ユングーベッドに連れてってー」
「なんで僕が……」
「連れてってくんなきゃーまた飲むぞー」
私はそういって芋虫の様に動いて廊下を少し進む。勿論目的地は冷蔵庫がある部屋だ。
「全く……これだから酔っ払いは」
そんな事を言いながらユングが私の肩を掴んで立たせにきた。上半身を起こしたら壁を使って支えられて前に回ったユングの背中の感触に支えられる。
「なんか頼りない……ベンチュウさんはもっと大きかったぞー」
「あんな人と一緒にしないでください。落としますよ」
文句を垂れる私にユングはそういってくる。まあ確かにまだまだケツの青そうなユングとベンチュウさんはを比べるのは酷か。私は「そっかーなら許す。あははははは」とか言いながら運ばれた。ユングは私と同じかちょっと小さいような背格好だから私は足をズルズルと引きずられてる。
何度も重いって言ってるの聞き逃してない。運ばれてる分際で文句言ってると、ユングも勘に触ったのか、ちょっと乱暴になって言い返してくる。けどそのせいでバランスが崩れたのか私と共にベッドに倒れた。
「ちょ、退いて……退いてくださいって何寝ようとしてるんです!!」
なんか聞こえるが、ベッドにたどり着いたのなら、後は寝るだけじゃん。何をユングはいってるのか……
「嘘……」
朝起きると、私は何とユングと共にベッドにいた。一体何がどうしてこんな事に? 全く昨晩の事を覚えてない。一体どこまでいったんだ? 一応服は着てるけど……わたしか? わたしが襲ったのか? だって私が上にいるし……これは色々と不味いのでは? 私は朝から顔を青くした。