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Ω32

 「あー疲れた……うぷっ」


 私はそんな事を言いながら自分たちが今住む一軒の建物に帰ってきた。フクロウが行ってしまって、荷物を置いた後、私はまた外に飛び出した。なにせエデンに居られる期限は一週間もないのだ。無駄な時間など一分一秒もない。

 だからこの期間でエデンを楽しむ……いやいや、しりつくす必要があるのだ。だから私は荷物を投げ捨てて、最低限身分がわかる物だけを持って出ていった。一応ユングも誘ってやってが、あいつはあいつで顔を出したいところがある様なので、こっちについてこなかった。


 私はとりあえずデンシャなる物に乗ってみたかったから駅に行った。駅とかいうのは大きくて、とても綺麗だった。動く階段なんかもあって楽しかった。それにデンシャなる物体はとても大きくておおーと思った。これなら沢山の人を一気に移動できるだろう。凄い物だ。ダンプよりも効率的だな。


 デンシャは何やら同じルートしか走れないみたいだが、レールなる魔道具は簡単に設置できるらしい。点と点を繋ぎ合わせてそれを線に出来る術式がどうとか言ってた。私は権限を利用して駅に居た鳥人種に色々と聞いたのだ。

 これを人種の街でも導入できれば、交通がまた一気に変わるだろう。ダンプは軍の中では採用がどんどんと進んでるが、民間人にはまだ高値の花で一部の富裕層にしかいきわたってないし、そもそもかファイラル領のなかでしか街中とかではそうそう見ない。

 けど確実に広がってくだろう。一般人にはまずは乗合バスが身近になる方が速いだろうが、確かファイラル領ではこのデンシャの施工計画もあったはずだ。ファイラル領の三つの大都市をデンシャで結ぶ。これが実現したら更に人の行き来は激しくなりそうだ。


 デンシャにのって私は隣の駅にいった。隣は一階層上らしい。なんだか路線図? なる物を見たが、複雑すぎて一日では把握できそうもない。そういえばデンシャを使うのにお金は必要ないらしい。どうやらエデンは観光客からぼったくって相当儲かってるようだ。


 隣の駅はやたら暗かった。デンシャの走る範囲はエデンの内部らしいので、明るさは自由自在なんだろう。けど駅ごとにこんな違うんだと思った。駅から降り立つと、暗い中にもピカピカと光る電飾が目に入る。それになんかこの駅は外って感じがない。


 なんか店に直接入ったかの様だった。だって駅から降り立つと、そこかしこにテーブルがと椅子があってそこには色んな種族がガヤガヤとしてた。なんかとてつもなくデカい酒場に降り立ったようだ。駅丸ごと酒場なんてすごいな。


 なんだかアウトロー感がちょっとワクワクする。私はこういうの嫌いじゃない。柱には何やらこの駅の説明みたいなものが映像で説明が出てた。どうやらここにはいくつかのルームがあり、呑んだり食べたり、賭けたりと色々と出来るみたい。つまりはエデンの娯楽施設みたいなものかな? 娯楽施設は地上の方にもあったはず。けどこっちは随分と雰囲気が違う。


 地上のは確かアミューズメントパークとか銘打って宣伝してた。ここは地元民密着型なのだろう。


「うわっ、ここって闘技場もあるんだ」


 なにやら面白うそうだと思って私は幾つかの扉を経て目的の場所についた。そこは結構手狭な場所だった。四角い部屋の中央に更にちっさな四角いリングと呼ばれる決闘場がある。四隅には棒があってそれを結ぶようにローブがはられてる。


 どうやらあの中で戦ってどっちが勝利するかにかけて盛り上がってるらしい。ここなら合法的に他種族の戦いを経験できる! 私は棒に上って勝利の雄叫びを上げてる獣人にドロップキックをかましてリングの中に殴りこんだ。一瞬静まる会場。けどそこで司会の声が響く。


「乱入だあああああああ!!」


 どうやらこういう事はよくあるらしい。私はホッとして相手をみる。どうやら勝利の余韻を邪魔されてかなり気が立ってるようだ。全身の毛が逆立ってる。獣人……エデンに一番多い種だ。まあ最初かここらへんだろう。私は舌なめずりをする。

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