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Ω27

 バックに色々と必要な物を詰める。なんかそれなりに荷物を準備していけって事だったので、一応それなりに旅行的な準備をしてる。旅行なんて、つい数年まで前は庶民にない概念だった。だって移動するには時間が掛かるし、弱い人種はよく魔物に襲われる。

 普通は生まれた場所から一歩も出ずに一生を終える物だ。別の街とかに行ったことがあるなんてそれだけでステータスになったくらい。けど今は違う。クリスタルウッドのおかげで人種の範囲にはほぼ魔物なんてでなくなり、飛空艇は数も多くなり、領地を頻繁に飛んでいる。それらは平民たちの足としても解放されて、沢山の人達を運んでる。地上ではダンプが増えてるし、乗り合いの大きなボックス型のバスが誰もが理由出来る様になってる。


 そのダンプは決まったルートを巡ってるから村から街とか、街から村とかの移動がとても容易になった。今は庶民の間では旅行ブームが来てるといって過言ではない。世界は大変だが、人種の国の中に限っていえば、平和ではあるからね。


 そしてエデンは一度は行ってみたい場所としてあこがれの対象になってる。それはこのファイラル領の都市はどれもそうなんだけど、ファイラル領の三つの大都市からしか、エデンへとつながるゲートはない。だから大人気の都市から、更に大人気のエデンへと向かう為にも、人が集まって大変な事になってるのが現状だ。


「この紹介状があれば、天上の天女と呼ばれる方に会えるのか」


 女神はキララ様が名乗ってるから、エデンの王に君臨してる方は天女と呼ばれてる。そして彼女が元はこのファイラルの領主で三つの趣の全然違う都市を作ったんだ。もしかしてこの状況を見越してあんなに全然違う都市を作ったのではないかと思ってしまう。


 普通は領地が同じなら、大体同じ……というか、国でもそんな大きく雰囲気なんて変わらない物だろう。気候とかが違えば変わってくるのは頷けるが、同じ領地でそんな変化が激しい訳はない。でもファイラル領の都市は全く違う。だからこそ、こんな未来を見据えてたんじゃないかと思ってしまう。


「まあ私的にはその天女様に会うよりもエデンの最先端の技術を見たいけど」


 エデンは技術の宝庫だ。アンティカに施されてる技術はエデンの物だし、このアナハイムよりも進んでる技術がいっぱいあるに違いない。きっと見た事ないアンティカだって……ううーわくわくする! わたしは珍しく普段着というか、ちょっとおめかしして家を出た。


 仕事の筈だが、なんか普通に一般人みたいな恰好をしていきなさいという変な命令があったのでそれにしたがってる。最近は女性もパンツスタイルをしてもいい様になったから楽でいい。まあ巷ではアイドルブームでミニスカートが流行りだが、流石にあれは……ね。私には勇気がない。蛮勇ではあると自負してるが、あれは無理。


 私は一般人が使うゲートは使わないので軍の施設の方へと来た。ここからなら、直ぐにゲートを使ってエデンへと入れる。いやー軍人様様だね。とか思ってるとなんか、同じように荷物抱えてる奴が前にいる。私よりもちっこい奴だ。なんだろう、嫌な予感がする。


「待ってましたよクリエイト・クーシャネルラさん。本日からよろしくお願いしますね」


 そういって笑顔を向けてくるのはカタヤ様達の養子であるユングとかいうクソガキだった。

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