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Ω22

 目の前にアンティカのパイロットが着る服を着た小清水亜子現れる。ホログラムだけど、こんな近くで見たのは学生以来かもしれない。学生時代は相手になんてならなかったな。だって全然弱くて弱くて……そういえば最初は興味すらなかったからあんまり印象にないや。


 いや、寧ろ最初と最後くらいしか覚えてない。最初は突然の編入に興味があったんだ。けど弱すぎて興味なくしたんだった。けど最後にアンティカのパイロットに選ばれたのは彼女だった。てか学生がアンティカのパイロットに選ばれるなんてないから超悔しかった。


 意識するようになったのは軍に入ってからだから、実際彼女は私の事を殆ど知らないだろう。私も小清水亜子の事は殆どしらない。だからこそワクワクする。聞いた話では小清水亜子は人を超えたらしい……それがこのホログラムには組み込まれてるのか? 


 佇む小清水亜子がこちらに視線をむける。私は一礼して……そして一気に踏み込んで間合いを詰める。ホログラムはこちらが先制しないと攻撃を開始しない。だから私から攻める。最初の印象の小清水亜子なら既にこの動きで慌ててた。ただの少女で足をもつれさせて自分から倒れる程っだった。


 卒業するころには少しはましになってたけど、更に成長したはずのこの姿の小清水亜子はどうなんだろうか? 

確かめる様に拳を突き出す。小清水亜子は余裕を持ってかわしてくる。


「ならこれはどう!!」


 私は避けた小清水亜子の体に背中を合わせて腕をとり勢いを利用して投げる。ふふこんなトリッキーな事をやるのは私くらいでしょ。けど小清水亜子の奴は床にたたきつけられる前に消えた。そしてちょっと先に現れる。ピッチリとしたパイロット用のスーツしか身に着けてなかった筈の小清水亜子にマントみたいなのが加わってる。


「ハステーラ・ぺラス……本当に人を超えてるんだ」


 遠目で小清水亜子が乗ったゼロが戦ってるのを見た事はある。確かにその時もゼロがこんなマントを纏ってた。けど実際あれってゼロの装備って思うじゃん。まあ自分でゼロを操る様になって確信は持ってたけどね。だってそんな装備ないんだもん。

 それに私に受け継がれた前の装備ってほぼない。それは多分、前のゼロは小清水亜子の鉄血種としての力とシンクロするのを前提とした装備ばかりだったからだ。普通の人種の私にはそれらは使うことが出来ない。だから外されて当然だ。


「貴女を超えれば、私は正式なパイロットって事になる!」


 ――筈だ。自分の中でそんな決定をして私は再び素早く間合いを詰める。けどその時、なにもなかった筈の手に銃が現れた。そして銃口がこっちに向く。銃口が光の玉が飛び出してきた。私はそれを横に飛んで避ける。


「そうだよね。格闘戦なんて言ってないもんね!!」


 私は手を前に出して「ブレード」という。するとホログラムで剣が作られた。軍の基本装備は銃だ。けど、剣だって使えるのは当然だ。戦ってる気は剣の方がする。だから剣。一対一なら銃対剣でもどうにかなる。そこまでこのフィールドは広いわけでもないしね。


 私達は再び動き出した。

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