閑話15
「何をしに来たのかしらミリア様?」
「お姉さま。其方は我のお姉さまなのだから、親し気にミリアと呼んでくださって結構だぞ。なにせ親族ではないですか」
笑いながらミリアはそんな事を行ってるが……たたきつけて来るようなプレッシャーがミリアが私を認めてないと伝えてきてる。これが姑にいびられるって事なんだね。
でも一応はミリアも認めて私とカタヤさんは結婚したはずなんだけどね。確かに私たちは政略結婚みたいなものだ。私はカタヤさんが好きだが、カタヤさんに私への気持ちはない。それは……わかってる。けど事実上私たちは夫婦なのだ。
愛を手に入れる時間はいっぱいある。だから私は諦めないのだ。私たちは偽りの夫婦みたいなものだ。けど、それを本物にしたいって思ってる。私は誰よりもカタヤさんを思ってる。同じくらい思ってほしいけど、そこまでわがまま言わないよ。ちゃんと夫婦でありたいと思ってもらえれば……カタヤさんもまだ仕方なく夫婦やってるのかわかってる。
だからこそ、私の為にもと、私に手を出さないんだ。けどそれは間違いなの。私は証が欲しいんだ。愛の証。私は家族って奴をしらない。ラーゼに助けられてそれっぽいのは感じてる。でも、子供とかが出来るとか、生むとかそれは繋がりじゃん。
曖昧じゃない繋がり。血のつながり。消えない物に、憧れるがある。それに今はまだ、カタヤさんと夫婦になったといっても、それは無くしてしまえるつながりだ。
夫婦だって盤石じゃない。ラーゼと共にいて、色々とままならない夫婦は見て来たしね。でも子供がいれば……そう簡単に夫婦をやめる事も出来なくなるのだ。そんな事をラーゼも言ってた。「さっさと作っちゃいなよ」とかね。
「あいつ童貞らしいから、拗らせてるだろうけど、どんなプレイでも受け入れてあげるんだよ」
とかも言ってた。大丈夫、私は色々とラーゼに学んでるからね。絶対に満足させられると思う。それにこうも言ってた。
「童貞だから耐性もないだろうし、今ならキララの体の虜に出来るんじゃない? そのテクを使えばね。よかったね、私を抱いてなくて」
悪気はないんだろうけど、ラーゼは自分を抱いてたら、私ではどうあっても満足させられないといってた。まあ確かにあいつは顔も体も違うよ。あいつは女の私が触ってもやめられない肌に、私なんて及びもしないテクを擁してる。
でもカタヤさんはラーゼを抱いてはない。だから私で初めてを知って貰うんだ。そして私の虜にさせる。流石にカタヤさんが私を求めれば、ミリアだって私に文句はいえまい。ミリアは情勢とか、カタヤさんが私になびくはずないとか思って結婚を一応は認めたんだろうけど、私はこのチャンスを逃す気はないよ。
「ありがとうミリア。なら、なら教えてください」
「何をです?」
「貴方のお兄様の理性が崩壊して襲ってくるような下着です」
引くっと口の端が動いたのが見えた。逆鱗に触れた? けど、私たちを殺す事はしないよ。だって私たちは同盟してるもん。私は魔王にだって負けない。もっとずっと前に無くなってた筈の命が繋いでここまで求める物を得れた。なら……わたしはとことん欲張る。私は……本物の愛だって手に入れてみせる。