表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

701/2398

閑話9

 コランの楽しい一日 5



「待ってよ~にゃんこ~!」


 私は必死に猫を追いかける。アイドルをやってるから体力には自信がある。けど流石は向こうはにゃんこさんだけあります。色んな所に昇ったり下りたり、潜ったりしてとっても大変。けど私も小さいから何とかついていけてる。


 私は諦めないですよ! そうこうしてる内になんだか静かな場所についた。人の喧騒が全くない場所。とてもとても静かです。この人があふれる程にいるアナハイムでこんな場所があるなんて……おいかけていたにゃんこが私を見てる。薄暗いこの場所でその瞳が光ってみえる。


 ちょっとだけ怖いと思った。けどにゃんこは背を向けて歩き出す。追いかけないといけないのに、私は何故か足が動きません。するとにゃんこが立ち止まって振り返る。


「待っててくれてるの?」


 さっきまでは逃げる様にしてた筈なのに、何故か今は私を待ってくれてるにゃんこ。私は勇気を出して足を踏み出した。私が歩き出したのを見て、にゃんこはゆっくりと歩きだします。


(やっぱり逃げてる訳じゃない……よね?)


 明らかに私に歩調を合わせて歩いてくれてるにゃんこ。私はそれについていく。するとこの路地の出口なのかが見えてきました。とても眩しい。でもそこに入っていくにゃんこ。私も行くしかないです。


「眩しい」


 手で光を遮りながら光の中へと入る。するとようやく光に目が慣れてきました。そして周りが見える様になる。するとそこにはビシッとした黒い服に身を包んだ人達がいました。


「あれあれ? にゃんこは?」


 いつの間にかにゃんこはいなくなってます。逃げられたら困るよ。だって私の大切な物があの中にはいっぱい……涙があふれそうになるよ~。すると一人の男の人がすっと私のバックを差し出してくれました。


「すみません。失礼な事をしてしまって」


 膝をついて頭を下げるその人の耳はなんと猫耳でした。獣人さん? でも獣人さんは別に変身は出来なかった様な? 分からないです。


「えっと貴方がさっきのにゃんこ……さん?」

「我々はとある理由でここに潜んでいます。ですが安心してください。問題を起こす気はないのです」

「貴方たちは獣人さんじゃないんですか?」

「我々は『ルド種』です。獣人とは違います」

「ルド?」


 よくわからない単語です。私に危害を加える気はないようだけど……未知の種がアナハイムにいるって大問題だよね? ラーゼ様は知ってるのかな?


「えっと、どうして私のバックを?」

「それは……ですね。我らの王子が貴方の大ファンなのです」

「ん?」


 私はどう反応したらいいのか分からなくて、固まっちゃいました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ