閑話5
コランの楽しい一日 2
朝の食事を食べに来た。既に殆どミラお姉ちゃんとフィリー姉さまは食べ終わってるみたい。二人ともお行儀よく口元を吹いてる。
「おはようございます」
「おはようコラン」
「おはよう~コランちゃん」
二人の暖かい声。二人は私の家族だ。元の家族を知らない私にはプリムローズの皆は家族なのだ。
「シシはどうしたんだ? 一緒に寝てたんだろう?」
「シシちゃんは今日はゆっくり寝たいかなって思って起こしてないよ」
「そうか……まあコランがそういうのなら、本当ならきちんと規則正しく生活をしろと言いたいが……コランに免じてゆるそう」
「ありがとうございますミラお姉ちゃん」
「ううーん、コランは本当に可愛いね。そのまままっすぐに育ってくれると嬉しいぞ」
私の所まできて頭をなでなでしてくれるミラお姉ちゃん。ミラお姉ちゃんは厳しいけど、優しい私達皆のお姉ちゃんって感じだ。私たちの事をとても大切に思ってくれてるのがわかる。
「うん、ミラお姉ちゃん大好き」
そういうとミラお姉ちゃんは感極まった様に体をブルブルさせ始める。喜んでもらえて嬉しいな。
「まったく~、ミラは大袈裟ね~。そんな心配しなくても~私たちと一緒にいるんだから~問題ないのにね~」
そういって「ねー」という同意を求められたから私も「ねー」といってあげる。けどそんな私を抱きかかえてミラお姉ちゃんはフィリー姉さまを見る。
「情操教育に悪そうな奴が言うな」
「えー、私は生きやすくする為の術を~ちゃんとコランちゃんに~教えてあげてるんだよ~」
「お前のやり方を覚えたらコランが悪女になってしまうだろう」
「悪い女の方が~魅力的って~思わない?」
「思わん。清廉な女性がコランにはあう」
なんだか私の教育方針で二人が争ってる。私はミラお姉ちゃんもフィリー姉さまも大好きだからケンカなんかして欲しくない。
「二人とも私のせいでケンカしないで! 私、悪い人になんかならないから!」
私は二人にそう訴える。するとフィリー姉さまがこう言ってきた。
「うんうん~いい子ね~コラン」
「そうだな。なるべく私を参考にするようにだぞ」
「ええ~、そんな事したら~コランの~柔らかい小動物みたいな空気がライオンみたいに~なっちゃうよ~。堅物は~モテないよ?」
「モテてどうする。ファンさえいればいいだろう」
「ファンとはまた違うんだよ~。コランちゃんには~私の方があってるよ~。絶対モテモテに~なれるから~」
「コラン、フィリーの柔らかさだけ参考にしなさい。間違ってもあんな風になっちゃダメだよ」
「どうしてですか?」
フィリー姉さまも私は素敵だと思うけどな?
「私の方が素敵だろ?」
「うーん、私は皆好きです! だから皆を参考にして素敵な私になります!」
私のそんな解答に、二人ともほっこりとしてくれたみたい。ケンカも止まったしよかったよかった。私は二人とお喋りしながら朝食についた。