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√93

「世界を壊す事が悪い事じゃないとか、流石魔王って感じじゃないミリア」

「どんな物もいずれ壊れ、そしてまた再生の輪廻に加わるもの。それ自体が悪ではない」

「その破壊とかが自分たちに及ばないのなら、そういえるかもね。けど、あんたは世界を壊すんでしょう?」


 私のその言葉にミリアは笑う。本当に面白いと思って笑ってるのかはわからないけど……


「ふふふ、だからこそ、私の側にいるべきなんでしょう? 崩壊と再生は表裏一体なのだから」

「つまりは壊した後にはちゃんと私たちは守られるって事?」

「つつがなく終われば、今度はきちんと人種にも過ごしやすい世界へとなる」


 ふーん、なんかこっちに都合のいい事しか言ってない気もするが、ミリアがカタヤと共に居たいのは事実だと思うし、人種がないがしろにはされないかもしれない。寧ろ、私的には人種なんてどうでもいいからね。私は私をチヤホヤしてくれて楽ちんしてていい場所なら別段どこでもいいのだ。そこに種のこだわりなんてない。


 まあここには大切な人もいるし、ファイラルくらいは守るけどね。


「だがミリア、世界の崩壊は止められないのか?」


 カタヤの気持ちもわかる。崩壊なんて単語は物騒だしね。出来る事なら回避したいと思うのは当然だね。


「お兄様……それは不可能です。なぜなら、既にこの世界は戦いへと進んでる。この流れはもう止められるものではないのです。後は誰が……どの種が最後に立ってるかだけ。そこに一石を投じる……その結果自体を壊す存在……それが」

「ミリアなのか」


 ミリアというか魔王という存在って事だろうけどね。確かに既に世界は戦いへと動いてる。私たちだって日々戦ってるし……どんどんと滅びてる種だってある。戦火は確実に広がっていて、その内上位の種たちがぶつかるだろう。それに星からちょっかいだしてる奴とかいるし……止められる流れじゃないよね。


 それこそ人種が全ての種を倒して頂点を取るくらいしか既に道はない。でもそんなのはなかなかに夢物語だ。今は私とか、エデンとかあるし、あながち夢物語でもないかもだが、上位の種は本当に桁違いに強いしね。もって生まれた物が全然違う。

 だから結局、運ではある。魔王としてミリアがそんな物全部壊す力があるというのなら……まあ協力するのもやぶさかではない。下につくとかまっぴらごめんだけどね。


「でも、クリスタルウッドを壊して世界を壊すって荒業すぎでしょ。それだけでもないでしょうし」

「そうだな。そう上手くはいかぬものだ。なにせ、何回も失敗してる」


 魔王は人種の伝承では一回とか二回くらいしか出現は確認されてないが、もっと長く生きてる種ではそれなりに確認されてた。でも崩壊までいった魔王はいない。その前に消えてる。確かにかなりの被害を出してはいるが、世界を丸ごと崩壊してはないようだ。


 それこそいまやエデンのライブラリーにアクセスできる私の知識は世界の歴史とかわらない。それが途切れてないんだから魔王は大層な事を言ってるが実現できたことはないんだろう。でも不思議だよね。


「そもそも魔王って本当は世界樹と共に生まれるのに、なんで世界樹壊して達成してないのよ?」


 おかしいよね。単純に世界樹を壊すとかじゃダメなのかな? そうじゃないと、うまれた瞬間に世界樹ぶっ壊して世界崩壊できるよね。


「生まれたばかりでは魔王も世界樹も成長しきってないからだ。ふう」


 ようやく力を溢れさせるのを止めた魔王ミリア。さっきから何やってたのやら。なんか結構疲れてそうだ。力も微弱だし。今なら殺せるか? 


「もういいの? 自分の力を見せつける時間は終わった?」

「そんな事やってない! ほれ、純なマナを流し込め。今なら我の力は微弱だ。染めてみろ、純に」


 それが狙いか。でも普通はそんな事したら死ぬけど? まあやれって言うならやってやろう。別段ミリアが死んだって私は困らないし……亜子やカタヤは悲しむだろうが、これはミリアの意思。私は悪くない。てなわけで私はピアスを通して純なマナを魔王に送る。

 

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