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ファイト! かりんの青春日誌
作:天野美里



離の章 不合格……? 2


 かりんは寝ぼけ眼でベッドに起き上がる。
「お〜い」
 やはり声がする。どこからだろうか。かりんはベッドを下り、部屋の電気をつける。
 が、スイッチを入れても、故障をしているのか停電をしているのか、明かりがつかない。
 部屋の扉を開け、きょろきょろする。あれっと首をかしげたのは、向こうの扉のすきまから光がもれていたからだ。とりあえずそっちへ行き、その扉を開ける。が、開けたとたんに部屋は薄暗くなり、かりんは方向を見失う。
 しばらくすると、右の奥のほうに扉が浮かび上がり、さっきと同じようにすきまから光がもれている。かりんは導かれるようにそのほうへ行き、扉を開けるが、ふたたび光が消える。するとまたつぎの扉が現われ、かりんは急いでそっちへ走っていく。
 そのうちに電話が鳴っているのが聞こえてきた。その音を追いかけてつぎつぎと扉を開けていく。
「かりん! 早く早く!」
 竜介の声が自分をせかせる。
 呼び出し音がどんどん増大していくのだが、なかなか電話の部屋にたどりつかない。
「ああ――!」
 かりんはしだいに焦ってきた。
「ああ、どうしょう、どうしょう……」
 はあはあと息が上がってくる。
「かりん、早く! かりん、早く!!」
「ああ、待って! 先輩、待ってよ!!」
 叫び声を上げ、はっと目を覚ますと、かりんの手はくうをつかんでいた。どうやら悪夢を見ていたようだ。
「あっ」
 と声を出したのは、実際に携帯電話が鳴っていたからだ。どうやら現実が夢の領域を侵食していたようだ。
 かりんは手を伸ばし、電話に出た。
「もしもし、星野かりんさんでしょうか。こちらペガサス映画会社で、『押忍! 空手少女』のオーディション事務局ですが――」
 電話の相手がいう。女性だった。
「はい……」
 とりあえず答えるかりん。
「あなたは関西地区審査にみごと合格されました。おめでとうございます!」
「えっ!?」
 寝起きの頭でかりんはすぐに意味が理解できなかった。
「ですから、あなたはオーディションの二次審査に合格されたのです。どうもおめでとうございます!」
「はい……」
 いきなり合格といわれても、まだなんの実感もわかなかった。












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