4話
「コーイチ……ふぅん」
不覚にもアメリカンヒーローを貶た後、普通の自己紹介を終えた俺の顔を、少女は興味津々といった感じで眺めていた。
「………………」
「……顔に何か付いてるか」
「うん、大量の水滴が」
「……悪いが、タオル貸して」
「はい」
そう言うと少女は、履いているズボンのポッケからハンケチ(今じゃこう呼ぶ奴が少なくなって、悲しいもんだ)を取り出すと、俺に差し出した。
「サンキュ」
受け取り、顔を拭く。
「ここで何してたの?」
ハンケチの先から、少女の声が聞こえてくる。
「んー……顔洗ってた」
「家でやりなよ。さっきも言ったけど、この辺は妖怪が出て、危ないんだから」
妖怪。
「一本足の傘とか、風呂垢舐める奴とか、妙に高い声で「おい、キダタロー!」って言う奴とか?」
「人を食べる妖怪とか」
「………………ブラボー」
祭りは好きだが人食いは嫌いだぞ俺は。夢とは言えびびる。あ、それとも、その人食い妖怪が発狂鳥人間という位置付けなのか?なら逢って食われて見ようか。そしたらこの夢から覚めれるかもしれんしな。
……よし。
「なあ、コスプレ少女」
「女と認識してくれるのは嬉しいけど、ボクの名前はリグルだよ。リグル・ナイトバグ」
……外人だったのか。ならなんで日本語を?そりゃあ勿論、これが夢だから。素晴らしきご都合主義。
「そうか。じゃあ、リグル」
「うん。何?」
疑問そうに聞くリグルに、俺は満面の笑みを以って、答えた。
「その「人を食べる妖怪」って奴の所に、案内してくれないか?」
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